軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

ダンジョン強化計画:新たなる配下

――俺が森の放火未遂を起こした、その次の日。

「お、リル。来たか」

森の奥からのそりと現れ、こちらに寄って来るリル。

俺はその毛並みを撫で、しばしそのモフモフ具合を堪能する。

うむ……やはりいつ触ってもこのモフモフは素晴らしいな。

王都まで行った帰りに、コイツの毛並みに身体を埋めて仮眠したことがあったが、レフィの翼枕の次ぐらいに心地良い寝心地だった。

モフモフは正義。異論は認めない。

「――と、本題を忘れるとこだった。リル、前々から言ってたけど、今からお前の後輩を召喚するから、面倒見るの、頼むぜ」

「クゥ」

コクリと頷くリルから、少々名残惜しいが俺は手を離し、メニューを開いた。

今日はとうとう、レイス三人娘以降の我が家のダンジョンモンスターを増やす。

ずっと前から増やそう増やそうと思っていて、結局先延ばしになっていたからな。

何を出すのか、ということについては、ずっと考えていたのですでに決めている。

フフフ、これで我がダンジョンの戦力は倍増よ。

また一歩、鬼畜害悪ダンジョンの夢に近付いてしまうな……。

「さぁ、来い!ペットども!」

メニューでモンスター一覧を開き、その中から予め目星を付けていた数匹の魔物を選択すると、俺とリルの前に突如として数多の光の粒子が現れ――。

――その光の粒子が納まった先にいるのは、四匹の魔物達。

一匹は、全身血のような赤色の、リルよりさらに巨大な身体を持つ、艶やかな鱗の蛇。

一匹は、リルと同じ程度の大きさの、鋭い 眦(まなじり) で周囲を 睥睨(へいげい) している、漆黒の 鴉(カラス) 。

一匹は、これまたリルと同程度の大きさの、尻尾が二股に分かれた、美しい白の毛並みを持った猫。

一匹は、シィのような透き通る水色の身体をした、ふよふよと宙に漂う不定形の水。

俺が召喚したのが、この四匹。

蛇が『ジャイアント・ブラッド・サーペント』。

鴉が『ノワル・クロウ』。

猫が『化け猫』。

水玉が『水精霊』。

……幼女が出て来なくてよかった。切実にそう思う。

ステータス値はほぼ横並びで、大体600程。

HPは1500~2000程で、MPは3000~4000ぐらいだ。

それぞれの種族特性で多少HPが高かったり魔力値が高かったりしているが、ポテンシャル的には大して違いはない。

スキルも、種族適性で獲得出来るらしいものをそれぞれが有している。

――コイツらは皆、モンスター一覧で詳細を見る限り、非常に成長度の高い魔物達であり、最終的なところまで種族進化した先には、伝説級や神話級の魔物とまでなることが出来る。

そのレベルの魔物は確か、『災厄級』とか言われるんだったか。

中には、その最終進化形にまでになると、レフィですら苦戦したと聞いているようなヤツもいる。

是非ともそこまで育って、世界最強の魔物軍団となってほしいものである。

「お前ら、俺が主のユキだ!これからよろしくな」

そう言うと、それぞれ俺に向かって頭を垂れる新たなペット達。

うむうむ、ちゃんと従ってくれているようだ。よかったよかった。

……名前は、そうだな……。

「――よし、決めた。左から順に『オロチ』『ヤタ』『ビャク』『セイミ』だ!」

名:オロチ

種族:ジャイアント・ブラッド・サーペント

固有スキル:毒牙

名:ヤタ

種族:ノワル・クロウ

固有スキル:千里眼

名:ビャク

種族:化け猫

固有スキル:幻術

名:セイミ

種族:水精霊

固有スキル:水流操作

いや、それにしてもデカいなコイツら。

『水精霊』であるセイミだけは俺より少し小さいぐらいなのだが、それ以外のヤツは大体リルと同程度のサイズだ。

特に赤色の鱗を持つ蛇のオロチなんて、俺ぐらいであれば余裕で丸呑み出来るようなサイズがある。

本気を出せば、リルも呑み込めるんじゃないか?

まあでも、図体はデカいコイツらだが、こうしてしっかり俺の言葉を聞いてくれているのを見ると、可愛いヤツらだ。

従順なペット程可愛いものはいないな。

ちなみに水精霊に関してなのだが、『精霊種』という魔物でない別の種族がいるのに対して、このセイミは『精霊』という名の水辺に棲息する魔物である。

つまり、魔物の精霊と魔物じゃない精霊がおり、コイツはその内魔物の精霊という訳だ。ややこしい。

「お前らは、このダンジョンエリアで魔物や侵入者を狩って暮らしてほしい。ただ、ここらの魔物結構強かったり、トラップがあちこち仕掛けてあったり、あと狩っちゃダメなヤツとかいるから、その辺りはリル――お前らの先輩であるコイツに詳しい話を聞いてくれ。リル、教育頼んだぜ」

まさに丸投げ。クソ上司である。

……ま、まあ、俺よりリルの方が戦闘に対する適性高いしな。俺より上手く教えられるはずだ。

それにリル自身も、気合入っているようだしさ。好きなだけ 扱(しご) いてくれたまえ。

時たま、様子見にはいくからよ。

それと、そのリルのステータスなのだが、コイツのは今こんな感じだ。

名:モフリル

種族:フェンリル

クラス:狼王

レベル:94

HP:12030/12030

MP:19004/19004

筋力:2351

耐久:2902

敏捷:3277

魔力:3004

器用:2995

幸運:149

固有(ユニーク) スキル:神速、万化の鎖、身体変化

スキル:爪闘術lv7、氷魔法lv6、雷魔法lv6、危機察知lv5、牙闘術lv3、指揮術lv3

称号:魔王の眷属、魔物の主、苦労狼

やはり、強い。

今は俺の方がレベルが上なので俺のステータスの方が高いが、しかし同レベル帯にでもなったら、種族進化を果たし、加えてダンジョン成長の補整のある俺と同程度のステータスになるのではないだろうか。素晴らしい。

スキルも、知らない間に『牙闘術』と『指揮術』とかいうのが増えており、後者のヤツは恐らく、リルを慕って付いて来た魔物どもを従えている内に獲得したのだろう。

称号には『魔物の主』と『苦労狼』が――苦労狼?

苦労狼:上と下に挟まれ、日々悩む苦労性の狼。

……すまんて。