軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

黄色のワンピース。

「あら?出かけるの?」

仕事から帰ってきたアンジェリーヌは、鏡に向かったままじっとしているデボラに声をかけた。

「え…はい」

お出かけと言ったら…ブリアで無事に医師免許が取れたアルバン君が、フールでの医師免許を取るためにこっちのアカデミアに入りなおす。一年学べば、受験資格が取れるらしいと、デボラに聞いた。今、その入学の申請のために戻ってきているはず。

「ふんふん。アルバン君でしょう?」

「あ…いえ…ヤニック子爵家の…アロイス様です」

「え?ああ…そうなの?」

ヤニック家と言ったら…東部のこの前までデボラが行っていたお家ね。

アンジェリーヌが買ってきた野菜を仕舞いながら、晩御飯を考えていると、部屋から黄色地に花柄のワンピースを着たデボラが出てきて…正直驚く。靴も…お揃いなのか、黄色だ。きっちり化粧もしている。いつもより濃い目だ。

まあ、似合うって言えば似合う。見慣れないだけで。

「…おば様…」

何か言いかけて…次の言葉が出てこないようだ。

「…行ってまいります…」

「ああ。気を付けてね」

止めればよかったかしら?そうアンジェリーヌはデボラのいつもより小さく見える後姿を見てそう思った。