軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

詳細鑑定とゴブリン退治

インターネットのスキルについてまとめられている情報サイトで鑑定スキルについて調べる。

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スキル:鑑定 レア度★★★★☆ 価値:★★★★★

未鑑定のダンジョンの品について簡易な情報を得ることができる。

これを取得すると鑑定士の資格が貰える。

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とあった。

ちなみに鑑定士の平均年収は3000万円らしい。

鑑定スキルが非常に珍しく、成り手が少ないからだそうだ。

鑑定スキルを持っただけで勝ち組と言われる。

だが、詳細鑑定についての記載はない。

やっぱり珍しいスキルなのだろうか?

こういう非戦闘スキルはダンジョンの外でも使えることがあるという。

使ってみるか。

ダンジョンの品ということで、手元にあるのは赤スライムが落としたスライム酒だな。

鑑定を使ってみると、情報が一気に頭の中に入って来る。

【赤スライム酒:赤スライムが落としたキノコ薬酒。軽い病気なら治す効果がある】

え? スライム酒じゃないのか。

赤スライム酒で検索をかける。

って、うおっ!?

換金所買い取り額15万、販売所買い取り額120万、過去五年間のオークション平均落札相場211万3251円!?

なんか凄いレアなものだった。

次はD缶を調べてみる。

飴玉が入っていた、現在は空のD缶だ。

【D缶(空):中身がわからない缶。開け方は千差万別。滅多に開くことがない。最高の強度を誇るが、開封後はその強度を失う】

こっちは知っている通りだな。

でも、これって普通の鑑定と一緒じゃないのか?

詳細ってなんだ?

と思った直後、追加の情報が頭に入ってくる。

【開封条件:その日に敵からドロップした未鑑定の品を一度に20個以上換金所に売る】

開封条件が出てきた!?

俺の決意とか関係なく、キノコを20個売ったのが条件だったみたいだ。

D缶ってどうやって開くかわからないはずだったが。

もしかして――

ともう一つ、PD生成スキルが入っていたD缶を見てみる。

【開封条件:幸運値100以上でプライベートなダンジョンが欲しいと願う】

また出た。

確かにダンジョン独り占めしたいと願ったわ。

幸運値100の人間が滅多にいないって言ってたし、レベル100以上の人だと人が少ない深層階のダンジョンに行くことができるから、ほぼ独り占め状態であり、そんなこと願ったりしない。

こんなのレベル1で幸運値100の俺にしか開けられないD缶ってことか。

次は未開封の缶を詳細鑑定してみる。

【開封条件:琵琶湖ダンジョン23階層の祭壇に供える】

出た!

未開封の缶でも開封条件がわかるんだ。

琵琶湖ダンジョン23階層なんて行けるわけないから絶対に開けられないけど。

【開封条件:レッドグリズリーの口の中に入れる】

【開封条件:攻撃値200以上の状態で殴りつける】

【開封条件:10人以上に所有権を移し5時間経過(現在9人目)】

【開封条件:ポイズンスライムの溶液をかける】

【開封条件:沸騰したお湯に1分以上入れる】

【開封条件:1年間土に埋める】

【開封条件:ドラゴンの牙で切る】

【開封条件:体力200、俊敏150以上の状態で腰に装着し、フルマラソンで完走する】

条件がバラバラ過ぎる。

とりあえず、いますぐ開けられるのはお湯に一分以上だな。

缶の所有権移譲は母さんに渡したらいいのか?

とりあえず実験開始だ。

お湯で湯煎すると本当にD缶が開いた。

中に入っていたのは、

【コーンスープ:温かいコーンスープ。とても美味しく、健康にもいい。一人前】

とのこと。

ってスープ缶じゃんっ!

湯煎したから出来立てのホカホカだよ!

一口スプーンですくって飲んでみる。

今日食べたランチのスープ以上にうまいコーンスープだった。

「あら、いい匂いね。コーンスープ作ったの?」

「母さん食べる?」

「いいの?」

「うん、俺は食べたから」

健康にいいって書いてあったから、毒ってことはないだろう。

幸せのお裾分けってやつだ。

その後、母さんに「いくらしたの? どこで売ってるの? やっぱり成〇石井?」としつこく尋ねられ、誤魔化すのに苦労した。

スライム酒(赤じゃない方)を父さんにプレゼントしたら、驚かれた。

父さん、スライム酒が滅多に出ないこと知ってたんだな。

その日の夜。

ちょっと散歩してくると言って、PDに入った。

ダンポンは相変わらずゲームをしている。

少し気になって、ダンポンのゲーム機を鑑定してみる。

【携帯ゲーム機:かつて流行した携帯ゲーム機。いまでもレトロゲーマーの間では愛用され続けている】

お、出た。

さらに詳細鑑定。

【ダンポン生成物:ダンポンによって生み出された地球の品のコピー品。ダンジョンの中でしか使えない】

まさかのコピー品だった。

ゲーム〇ーイで遊ぶのに超技術使い過ぎだろ。

「ん? タイラ、いま詳細鑑定を使ったのです?」

ダンポンがこっちを見て言う。

詳細鑑定に気付いたのか。

「ああ。わかるのか?」

「もちろんなのです。これは違法コピー品じゃなくてゲーム会社の許可を取ってるのですよ? ちゃんとライセンス料は支払ってるのです」

「いや、そんなことは思ってないよ」

「そうなのですか。詳細鑑定は珍しいスキルなのです。さすがはPD生成の所有者なのですよ。運がいいのです」

「それだ! 俺、幸運値が最初から100あったんだけど、これって異常なんだよな?」

「僕は前例を知らないのです」

「なんでこんなに幸運値が高いかわかるか? 実生活だとそんなに運がいいって感覚はないんだが」

「ステータスはダンジョンの外では影響は少ないのです。でも、本当に運がいいって思ったことはないのです?」

そんな運がいいってことはない。

ギャンブルとかもしないし。

いや、ジャンケンは結構強いかな? 五回に四回は勝つレベルだ。

今度、宝くじ買ってみようかな?

「理由は僕にもわからないのです。まぁ、ラッキーだと思ったらいいのです」

「ダンポンにもわからないのなら、考えても仕方ないか」

「…………タイラ、ここのボタンを押してみるのです」

「え? うん」

ダンポンに言われ、俺はゲーム機のボタンを押す。

もしかして、これで何かわかるのだろうか?

すると――

「やったのです! ケン〇ロスを捕まえたのです! これで友だちに勝てるのです」

「あ、よかったね」

ゲームの話か。

ケン〇ロスってそんなに入手難易度高いのだろうか?

ポ〇モンはあんまり知らないんだよな。

「ダンポン。梅田Dの二階層に行ったんだけど、これでこのPDでも二階層に行けるか?」

「できるのですよ。設定するのです?」

「頼む」

「──はい、手続き完了したのです。地下一階層のどこかに二階層に続く階段があるはずだから、そこから降りるのです」

「助かる」

俺は剣を返してもらって、ダンジョンに潜った。

もちろん、途中に出てきたスライムは倒しておく。

スライム酒は出なかった。

そして、ダンポンの言う通りこれまでは存在しなかったさらに地下に続く階段がそこにあった。

階段を降りていく。

特に雰囲気に違いは感じないが、赤スライムがいきなり現れたので倒す。

うん、スライムと違いがわからない

これまでは大雑把にしか調べていなかったが、今回からちゃんと調べることにした。

二階層に現れる魔物。

歩きキノコ。ドロップアイテムはキノコで、最低幸運値は80。ただ、ドロップ率そのものは高いのでスライム酒よりは出現率が高い。

赤スライム。歩き茸を食べたスライムの変異種という設定らしい。歩きキノコと遭遇すると捕食する。ドロップアイテムはスライム酒(赤)。最低幸運値は70。ドロップ率は普通のスライム酒と同じくらいだけど、最低幸運値が高いためレベル100の冒険者でも滅多に手に入らない。

ゴブリン。猿並みの知能のある魔物。梅田Dで初めて怪我したっていうのはだいたいこいつが犯人。過去に三人殺しているが、いずれも武器を奪われたことによる事件。というのも、初期装備の木の棒は非常にもろく、頭を殴られても気絶すらしない程度の強度らしい。レベル10の探索者なら負けることはない。ドロップアイテムは魔石(黒)。最低幸運値5。ドロップ率も高く、初めてのドロップ品がこの魔石って探索者も多いらしい。

赤スライムも歩き茸も両方とも食べる。

二階層のカースト最上位モンスターってことか。

経験値はスライムが1、歩き茸が2、赤スライムが3、ゴブリンが5と書かれている。

つまり、一階層と比べて最低でも効率2倍ってことだ。

レベル10だとどれも余裕で倒せる。

安全マージンってやつだ。

日本は安全意識が高すぎるんだよな。海外だとレベル5になれば二階層にいけるって国も少なくない。

死傷者の数は世界でも断トツで低いけれど、平均レベルで後れを取っているって青木が言っていた。

強いのはトップレベルの探索者だけらしい。

そして現れたのはゴブリン。

二本足で立つ毛のない緑色の猿。

ニホンザルくらいの大きさだ。

右手には木の棒を持っている。

いや、棒っていうより枝に近いな。

あれだと棒で殴られるより噛みつかれたほうが痛そうだ。

ただ、あの棒が剣とかだったら恐ろしく感じる。

ゴブリンが走ってこちらに近付いてくるが――

「遅い」

剣で叩き潰す。

ぐじゃっと嫌な触感がした。

魔石とDコインが残る。

Dコインは初めての白色――換金すると500円になる。

魔石も500円で合計1000円だ。

大切にリュックに入れる。

この調子だと二階層でのレベル上げも順調にできそうだ。

そして、世間は大型連休に突入し、俺は休みを利用してさらにレベルを上げていく。

この連休を利用して、地方のダンジョンに潜りたいな。

そんな風に思って調子に乗っていたらレベルがもう15まで増えた。

順風満帆だと思った。

そしてその日、日本中を、いや、世界中を騒がす大事件が起きた。

最初にその異変に気付いたのは、ダンジョンとは何の関係もないただの旅行客だったそうだ。

彼がSNSにある写真をアップした。

『これってダンジョンの入り口だよな? 富士山の山頂に突然現れたんだけど』

と地下に続く黒い階段のある建物の写真をSNSに投稿。

そして、謎のダンジョンの入り口は日本だけでなく、世界中の様々な場所に現れた。