軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

絶対防御

とりあえず、金亀神を撃破した俺たちは51階層に行き、転移陣を発見。

1階層に戻る。

「皆さん、もう戻られたのですか?」

ダンジョン局の職員さんが集計作業に追われていたが、関係なく姫はDコインを置いた。

「これ、49階層の魔物と50階層のボスのDコイン。ちょっと休憩したらまたダンジョンに戻るから」

「え? 50階層のボス? ちょっと待ってください、倒したんですか!? 50階層のボスを!?」

職員さんが止めるのを聞かず、俺たちはダンジョンの外に出て、隣にPDを設置して中に入った。

そして書庫に移動する。

書庫には俺たちが入ることのできるダンジョンの魔物の情報も書かれている。

そして、ドロップアイテムについても。

「これまでダンジョンボスがスキル玉を落としたなんて事例、聞いたことがないわ。いったいドロップ率はどれだけなの? なんで今回に限って落としたの? もしかして、上位の探索者が知っていて隠してる?」

その情報を調べるため、書庫に移動する。

書庫には魔物の情報があり、ドロップアイテムも記されている。

琵琶湖ダンジョンのボスを倒したことで、ダンジョンボスの情報も追加されているはずだ。

姫が琵琶湖ダンジョンの情報が書かれている本のページをめくっていく。

「あった! 金亀神――ドロップアイテムは金亀の甲羅、金亀肉、それと、ダンジョンドロップ!」

どうやらダンジョンドロップは通常ドロップとして設定されているらしい。

そして、その確率は――

「ドロップ率0.5パーセント」

0.5パーセントか。

200回に一回と考えると確率はかなり低いな。

「そして、最低幸運値1000。こんなの泰良以外手に入らないじゃない」

姫が驚き、声を上げ、そして呆れるように言った。

「あれ? でも最低幸運値を満たしていなくてもドロップアイテムは手に入ることはあるんだよな? スライム酒だって最低幸運値を満たしていなくても宝くじが当たるくらいの確率で手に入るそうだし」

「普通は手に入るわよ。でも、ここに書いてあるのよ。でも、最低幸運値を満たしていない場合はドロップしないって」

「本当だ……小さく書いてある」

つまり、俺専用ってことか。

「泰良、いまの幸運値っていくつなの?」

「もうすぐ7000」

「だったら、7倍として泰良の場合3パーセントか……そう考えるといきなり出たのは運がいいわね」

「運がよくないと出ないドロップアイテムですから。それで、泰良さん。スキル玉の中身はなんだったんですか?」

「ああ、それなんだが――」

俺はスキル玉を改めて詳細鑑定で見て、その内容を伝えた。

【絶対防御:三秒間、全ての攻撃を完全に防ぐことができる。再使用時間1時間】

それを聞いて、みんな呆れている。

三秒とはいえ、絶対防御のスキルは強すぎる。

むしろレベルが上がれば上がるほど、その三秒という時間は貴重だ。

「スキルの内容からして、金亀神が落とすスキル玉は全部それじゃないかしら?」

「つまり、泰良にかかればこの強いスキルの量産可能ってことかな?」

量産って。

仲間の分を確保するだけでも期待値で100回は倒さないとダメなんだけど。

まぁ、絶対防御関係なく、PDでのレベル上げはこれから金亀神での戦いになりそうだから、そのうち集まるだろう。

余裕があれば西条さんや、妃さん、あと明石君代さん、ついでに青木の分も手に入れておきたいな。

それと、この先、新しい階層に行ったら、誰も把握していないスキル玉や激レアアイテムを落とす魔物がいないか、書庫でチェックする必要がありそうだな。

とりあえず、絶対防御は姫に覚えてもらい、その姫の分身たちには琵琶湖ダンジョンの五十一階層の様子を見に行ってもらい、俺たちは四十九階層でグリーングリフィン狩りをしてDコインを稼いだ。

「おっ、宝箱発見。ミミックじゃないな。ミルク」

「うん」

ミルクが宝箱を開ける。

中にはサハギンの魚拓が入っていた。

ご丁寧な事に額に入っている。

当然、ハズレアイテムだ。

しかし、これでいい。

救済措置スキルにより、ミルクが宝箱からハズレアイテムを手に入れると救済ポイントが貯まる。

そして、救済ポイントを貯めるとスキルやアイテムが手に入る。

「どうだ?」

「うん、救済ポイントが貯まった! もう少しで手に入るよ。欲しかったスキルが」

そのスキルを手に入れるため、お宝ダンジョンで手に入れたポイントも使わずにいた。

そして、協力もしてきた。

PDや琵琶湖ダンジョンで見つけた宝箱は全部ミルクに開けてもらっていた。

おかげで俺のインベントリの中はミルクのハズレアイテムだらけだ。

しかし、そのスキルは俺も気になっているし、なによりミルクにとっては因縁のあるスキルとも言える。

そりゃ欲しいだろう。

「泰良、51階層の分身を消したわ。51階層の魔物は毒を使う魔物が多いみたい。毒は五十無効で防げるものと防げないものがあったわ。もしかしたら百パーセント相手を毒にするスキルがあるのかも」

「毒だったら、俺の布都御魂とミルクの薬魔法の出番だな」

姫が言う。

ただ、気になる。

爆発ならともかく、ガス攻撃なら姫なら避けられそうだ。

「お前、わざと毒を食らったんじゃないよな?」

「そうじゃないわ。普通に情報不足よ。毒の魔眼とか反則よね。視線が合っただけで毒になるんだから」

目が合ったら毒になるか。

メデューサみたいに石にならなくてよかったと思うべきか。

「経験値とかそこまで美味しいわけじゃないし、戦うのは四十九階層でいいんじゃないかしら? ダンジョン局に連絡して、毒を無効化できる装飾品があったら取り寄せてもらって、それからでもいいと思うわ」

「そうだな。じゃあ、今まで通り四十階層台で戦うってことで――」

今まで通り。

俺がそう言った。

まさか、その日の夕方、新しくできた黒のダンジョンから魔物が溢れ出たという知らせを聞くことになるとは思ってもいなかった。