軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

湖からの襲撃者たち

琵琶湖ダンジョンの41階層。

ここが今日と明日の俺の狩場だ。

相変わらず、部屋の中央には大きな湖がある階層だ。

ただ、二十一階層に比べるとその湖が大きい。

あっちは大きな池のような大きさだったが、四十一階層の湖は向こう岸がかなり遠くに見える。

向こう岸までどのくらいの距離があるのだろう?

これは階段を探すのも大変そうだ。

姫が分身を出し、アヤメが形代を飛ばして地下に続く階段探しを始めた。

その間に俺たちは魔物を探す。

「泰良、魔物の気配は?」

「湖の中からならうじゃうじゃと感じるぞ。姫、分身たちが水辺には近付かないようにな」

あいつら、水辺に近付いたら襲い掛かってくるやつに違いない。

「でも、私たち、魔物を倒して瘴気を散らすためにここに来てるんでしょ?」

「……そう言われたらそうだな」

いつも通り効率的に階層を突破することばかり考えていた。

「雷魔法で水の中の魔物を一網打尽にできないか?」

「雷って水に落ちると水面の敵を感電させることはできるのですが、水の中だと雷が分散してしまいほとんどダメージを与えられないんです」

「そういうことね。カジキに電気ショックを与える時だって、銛を打ち込まないとダメでしょ?」

カジキ釣りか。

サ〇テレビとかテレビ〇阪とかの特番で見たことがある。

うちの父さん、釣りとかほとんどしないのに釣り番組を見るのは好きだから。

そうか、雷魔法だと効果は薄いのか。

「じゃあどうする? 水辺で戦うのは流石に相手に地の利があるだろ?」

地の利というか、地の無い利か。

「そんなこともあろうかと、これを借りてきたわ!」

姫が取り出したのは……オカリナ?

【魔物寄せの笛:この笛を吹くと近くの魔物が押し寄せてくる。非戦闘中のみ使用可能※取り扱い注意※】

めっちゃ便利なアイテムだ。

でも、借りてきた?

「誰から借りたんだ?」

「上から三番目の兄よ! 名前はデクラン・ジョンソン。ちなみに、レンタル料は通常なら一日三千万円ね」

高っ!?

「要らないアイテムを譲って今回の件が終わるまで、無料でレンタルしてるけどね。デクソンはアイテムコレクターだから、珍しいアイテムとかものすごく欲しがるのよ」

「珍しいアイテムって、なにをあげたんだ?」

「貯D箱よ」

「あぁ、あれか」

淡路島のお宝ダンジョンで出たアイテムだな。

Dコイン限定の無限貯金箱みたいなアイテムだ。

Dコインならインベントリに無限に入るから本当に必要のないアイテムだ。

トレード用に姫に渡していたが、有意義な使われ方をしたようだ。

「ちなみに、買おうとしたらいくらするんだ?」

「3000億円くらいかしら? 若返りの薬売って手に入れる?」

「いや、PDで戦うから必要ない」

キューブのような逃げる敵と戦う時は便利だと思うが、普通に大量の魔物と戦って経験値やDコイン、ドロップアイテムを稼ぐだけなら、魔物が大量発生するPDの中で戦えばいいし、そのPDで魔物寄せの笛なんて使った日には、魔物の波に飲み込まれてしまう。

「分身を囮に使うときは便利そうだけどね。魔物寄せの笛も分身と共用のアイテムボックススキルを使えば回収できるわけだし」

「そういう使い方はしないでほしいな。よし、やってくれ!」

背後に魔物がいないのを確認し、湖の中に集中する。

「そこまで構えなくてもいいわよ。私たちが相手をするのは半数くらいでしょうから」

「半数?」

半数くらいにしか効果がないのか?

姫が笛を吹いた。

途端に湖の中の気配が水面に上がってくる。

来るっ!

途端に水飛沫が上がった。

飛び出して来た。

そして、わかった。

姫の言っていた半数の意味が。

ピラニアみたいな肉食魚が湖から上がって陸でピチピチと跳ねていた。

湖の中にいた魔物の半分は魚。

そして、その魚は陸上に上がったら跳ねるしかできない。

それこそ、ダンポンがゲーム内で500円も出して購入したコ〇キングのように。

「ははっ、それがわかっていても突撃してくるとか魔物寄せの笛の効果は凄いな」

「そうね。でも、油断したらダメよ」

姫が言う通り、湖の中から飛び出して来た魚の中にはサハギンといった魚人や、陸上でも動けるカニの魔物、他にもワニやカメ、カエルといった爬虫類型、両生類型の魔物もいたのだから。

よし、まずは41階層の第一ラウンド、行くとしますかっ!