軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

ダンプルの力を奪う場所

「ダンプルからエネルギーを奪っているダンジョンがわかったのです」

約束の日、ダンポンが言った。

もしかしたら、わからないんじゃないかと思っていた。今朝様子を見たときもずっと何か調べごとをしていた。

だが、約束通りダンポンはしっかりと見つけたようだ。

「で、どこのダンジョンなんだ?」

まさか、ダンポン、ダンプルに続いて第三の謎生命体、ダンペイとかダンピィが作った新たなダンジョンとか言い出さないよな?

「ダンジョン学園のダンジョンなのです」

「ダンジョン学園の? 東京?」

「海外って可能性もありますね」

「海外だと……えっと、K国だっけ?」

「K国は黒のダンジョン制圧に失敗したからダンジョン学園はないよ、ミルクちゃん。一番近いのはC国だね」

つまり、ダンプルの身内同士の争いってことか?

「違うのです。大阪のダンジョン学園のダンジョンなのです。自分のダンジョンからエネルギーを奪われているのだから、近くのダンジョンからエネルギーを奪われる比じゃないダメージなのですよ」

「は? 大阪のダンジョン学園のダンジョンからエネルギーを奪われてるって? あいつが管理しているダンジョンだろ?」

管理をミスったのか?

「わからないのです。ただ、35階層前後が怪しいのですよ」

「35階層か……あそこは豪雪地帯だから装備は必要だな」

アヤメの 暖気の服(ウォームウェア) の魔法があればスパイスドリンクが無くても平気だろうけれど、魔法が使えない状況になる可能性もある。

劇場版ド〇えもんの日本誕生のの〇太くんみたいに、吹雪の中で迷子になったら困るからな。

「それで、ダンポン。ダンプルの状況はどうなの? いますぐ助けないと死ぬような状況?」

「完全に仮死状態なのですが、そのお陰でエネルギーの吸い取られる量も抑えていられるのですよ。あと数カ月はこのままでも死にはしないのです」

「オッケー、時間はあるってことね。原因はわからないけれど、35階層で何が起こっているのかわからないのなら、こっちは40階層のボスくらい倒せる実力になっておきたいわ」

「40階層か……一番目指しやすい場所といったらてんしばダンジョンだな」

砂漠や岩山や森のダンジョンよりも、工場っぽいてんしばダンジョンの方が安定して敵と戦えるし、レベル上げもしやすい。

既に35階層までは潜っている。

ただ、この辺りになってくると一階層一階層、敵の強さが段違いに上がって来る上、厄介なスキルを持つ敵も増えてくる。

40階層のボスのレベルを考えると、最低、レベルを20は増やしておきたい。

そのためにも、まずはてんしばダンジョンの36階層に行ってPDに戻り、てんしばダンジョン36階層を再現したダンジョンでレベルを上げる。

レベルが十分上がったらてんしばダンジョンの37階層に行ってPDに戻り――っていうのを繰り返す必要が出てきた。

「また、徹夜コースか?」

「そうだね。PDの中だと年も取らないから体感長生きできて幸せよね」

年は取らなくても、ストレスで寿命が縮まる気がする。

「時間はないわよ? ダンプルが数カ月無事だっていっても、この状況を他のダンプルに知られて、後任のダンプルが送られてきたら終わりなんだから」

「そうですね。そう考えると、急がないといけません」

「PDの娯楽に面白そうな漫画とか本とかいっぱい注文しておかないとね」

女性陣三人は乗り気のようだ。

仕方ない、俺もやる気を出すか。

「頑張ろ、泰良」

「頑張りましょう、壱野さん!」

「ええ、全力で取り組む案件ね、泰良。全ては――」

そう、全ては

「「「「全ては超激レア缶を開けるために!」」」」

てんしばダンジョンの36階層にやってきた。

まずはここで戦って、どのくらいの数まで魔物と戦えるか考える。

敵が強かったら、さすがに出現率10倍にしたら軽く死ねるし、場合によっては36階層の魔物でのレベル上げを断念しないといけない。

てんしばダンジョンの36階層は工場の倉庫のようだった。

索敵には姫の分身が、周辺の地形の確認にはアヤメの形代がそれぞれ先行する。

「泰良、分身が敵を見つけたわ。こっちに誘導させる」

「わかった」

念話を通じて分身と連絡を取っていた姫が言う。

現れた敵は――

「ダチョウっ!?」

機械のダチョウのような魔物だった。

メカチョ〇ボだろうか?

いや、メカダチョウって呼ぼう。

メカダチョウは口を大きく開ける。

その口の中に光が収束し――

「みんな、俺の後ろにっ!」

俺の掛け声にみんなが俺の後ろに移動。

さらに姫の分身二人が俺の頭上を飛び越えて回り込んだ直後、メカダチョウが光線を放った。

「魔法反射っ!」

スキルで光線を跳ね返す。

メタルフライフィッシュは初見時この方法で倒したのだが、メカダチョウは俺が跳ね返した光線を横に飛んで躱した。

姫ほどじゃないが、かなり速い。

俺の剣が当たるだろうかと思ったその時、ミルクが銃弾をぶっ放す。

さすがのメカダチョウもライフル銃の弾を見切ることはできなかったようで命中した。

すると、メカダチョウの速度がみるみる落ちていく。

「鈍重弾、命中したよ!」

「ナイスだ、ミルクっ! これなら!」

二刀流応用剣術其之壱――

「 烈風双断(れっぷうそうだん) 」

速度と威力の双方を兼ね備えた剣術がメカダチョウの身体を捉えた。

ん?

この手応え――中身は本物のダチョウの魔物か。

「メカダチョウじゃなくて、サイボーグダチョウだったようだな」

何のこだわりがあるのか知らないが、そういうことらしい。

その証拠にドロップアイテムがダチョウ肉だった。

食用素材が増えるのはありがたい。

うちの母さんはお金は一定額以上受け取ってくれないが、食材については喜んで受け取ってくれるし、なによりうちの食事が豪華になる。

「しかし、さすがだな。あの光線、俺たちなら死なないとは思うが、姫の分身なら危ないだろ」

「不屈があるから一撃で死ぬことはないけど、無事じゃ済まないわね」

独自の安全マージンを取って戦ってきたが、一階層違うだけでこの変わりようはいつも驚かされるな。