軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

詳細鑑定Ⅱが便利過ぎる

スキル玉を詳細鑑定したら、どんなスキルを覚えられるかわかるようになっていた。

ランクアップは伊達じゃない。

もしかしたら、D缶の中身も鑑定できるのではないかと思って試してみたが、そちらは無理だった。

そこまで世の中甘くない――いや、スキル玉のスキルがわかるようになっただけでも素晴らしい成果だ。

「詳細鑑定がランクアップしたことで、スキル玉のスキルがわかるようになったみたいだ」

「本当に? なんてスキル?」

「これは……」

俺はエナジードレインの名前とその効果を説明する。

姫は少し考え――

「エナジードレイン……ユニークスキルじゃないけどレアスキルね。これは泰良向けだわ」

「むしろ姫向けじゃないのか?」

最前線で戦う姫だったら、敵と接触する機会も多いだろうし、スキルなら分身でも使える。

体力を吸収できるのなら、分身の体力の低さも補える。

「エナジードレインは武器で攻撃した場合は効果がないのよ。泰良だったら影獣化をしているときはずっと素手で戦ってるでしょ?」

「でも、姫から触れなくても相手の攻撃を食らったときとか」

「そうなったら分身が一撃で消えるからエナジードレインの効果を発揮することもできないわよ。それに私は回避タンクよ。攻撃はほとんど当たらないから宝の持ち腐れ」

そう言われてみればそうか。

最悪、分身が敵にへばりついてエナジードレイン――みたいな考えもあったが、敵の攻撃を避け続ける姫の戦い方とは違うよな。

「でも、それだと俺ばっかりスキルが強くなってるんだが――」

「それを言ったら私だって、巧遅拙速やハズレ神でかなり強くなったわよ。申し訳ないって思うなら、アヤメとミルクのためのアイテムを出しなさい」

「こればっかりは運だからな……」

俺がそう言うと、姫とアヤメが笑った。

いや、冗談じゃないからな。

いくら俺の幸運値が高いからってそう都合よく二人向けのアイテムなんて――

「…………出たな」

追加で二つの激レア缶を開けて出たのはスキル玉と靴で、スキル玉で覚えられるスキルは【無詠唱】、靴は魔導士のブーツって鑑定結果では出ていたが、当然偽装されていて大魔術師のブーツ。

まさにミルクとアヤメのための道具だった。

「見事に出たわね」

「さすがです、泰良さん」

ミルクは銃を撃つ時に二重、三重詠唱が必要だったのが一気に短縮できるし、アヤメはこれで大魔術師装備シリーズ四つ目になった。

ちなみに、大魔術師のブーツの効果は以下の通り。

属性防御:属性のある攻撃のダメージを三割軽減する。

隠密:周囲から気付かれにくくする動きが可能になる。

偽装:鑑定結果を偽装することができる。

帰属:持ち主以外の人間が履くことはできない。魔力を20消費することでブーツを瞬時に纏うことができる。

不壊:このブーツは持ち主が生きている限り決して壊れない。持ち主が死ぬと自壊する。

移動砲台:俊敏値が五%上がり、走っても疲れなくなる。

大魔術師:持ち主の魔力が五割上昇する。

俊敏値が5%上昇するって話を聞いて姫の眉がピクっと動いたが、魔力五割上昇とかお前にとっては宝の持ち腐れだからダメだぞ。

ということでアヤメに装備してもらうことに。

すると――

「え? 泰良さん。スキルに大魔術が追加されてま……嘘っ、魔法が」

「どうしたんだ?」

「えっと、すみません。使える魔法が増えて……凄い威力の魔法だっていうのはわかるのですが」

アヤメは理解が追い付いていないようだ。

改めて詳細鑑定をしてみる。

【大魔術師のブーツ:魔力を大幅に上昇させ、さらに魔法を※覚醒へと導く伝説のブーツ(※東アヤメ専用)】

アヤメが装備したところで、覚醒のところに※印が付いている。

【四シリーズ特典:大魔術師装備を四種類所持したことにより、※スキルを入手】

さらにスキルについて詳細鑑定。

【大魔術:所有している魔法スキルに応じ、究極魔法を放つことができるようになる】

アヤメがまた成長したってことか。

これだと、ミルクの無詠唱だけだと寂しいな。

と振り返ると、これだけ騒いでいるのにミルクは幸せそうに寝ている。

激レア缶は残り三つ。

何かミルクにしか使えない、これぞ! というものが出て欲しい

「って水野さん向けか……しかし、凄い量だな」

D缶の中には魔道具用レシピが五枚も入っていた。

さすが激レア缶。

魔道具用レシピの大盤振る舞いだ。

「また真衣の仕事が増えるわね」

「水野さんに怒られないといいのですが――」

一体、これで何が造られるのだろう?

「そうだ、泰良。詳細鑑定Ⅱを使えば、どんな魔道具ができるかわかるんじゃない?」

そうだな。

鑑定してみる。

【魔道具用レシピ:使用すると※魔道具を作るためのレシピが手に入る】

お、魔道具のところに※印が――どうやらなんのレシピかもわかるらしい。

詳細鑑定が便利過ぎるな。

さっそく詳細鑑定をしてみる。

【麻痺石:相手を麻痺状態にできる石】

【猛毒石:相手を猛毒状態にできる石】

【睡眠石:相手を睡眠状態にできる石】

【鈍重石:相手を鈍重状態にできる石】

【魅了石:相手を魅了状態にできる石】

……相手を状態異常にする石か。

「これ、ミルクに使えそうだな。禍福倚伏と八尺瓊勾玉との効果で自分に使うことでステータス大幅にアップもできるぞ」

禍福倚伏は状態異常に陥るとステータスが上がるミルクのスキルだ。

八尺瓊勾玉は状態異常になった時、悪い効果だけを無効化して状態異常そのものを無効化するわけではないから、デメリットなしで禍福倚伏のステータスアップの効果を享受できる。

ただ敵に当てる方法だと、投石スキルのある俺が使うことになりそうだ。

いや、もしかして――

「「「なぁ(ねぇ)(あの)、これって」」」

と三人で同時に声を出した。

お互い頷き、そして俺が代表して言う。

「石を銃弾の形にできるのなら、ミルクの火薬で撃ちだすことができないか?」

「私も同じことを考えてました。それが可能なら、ミルクちゃんの戦いの幅も大きく変わりますよ」

「デバフ特化の狙撃手ね。真衣がどこまで石を作ることができるかで変わって来るし、特定の状態異常を無効化する敵もいるけど、それでも使える相手は多いはずよ」

これで、ミルクもいろいろと強くなるきっかけができそうだ。