軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

トリプルレベル(その3)

ミルクとアヤメ、二人の覚えたスキルについて教えてもらう。

「私から説明しますね。ユニークスキルではなくレアスキルですが、私が覚えたスキルは魔力タンクです」

「名前からだいたいわかるけど、どういう効果?」

「はい。魔力が最大状態の時、通常の回復速度の十分の一程度の速度でタンクに魔力を貯めておくことができて、魔力が足りないときはタンクの中の魔力を消費して魔法を使えるみたいです。タンクに入る量は魔力最大値と同量のようです。ダンポンさんの魔力回復サービスではチャージできないみたいですけど、それでも使い勝手は良さそうです」

アヤメの魔法は威力が高いものや即死魔法だと魔力の消費が半端ないからな。

「そして最大の特徴は、このタンクに貯めた魔力を仲間に渡すこともできるんです」

「マジかっ!? ってことは、俺が獄炎魔法を使って魔力が空っぽになっても、アヤメのタンクの魔力を貰うことでもう一発撃てるってことか」

「はい! ただ、欠点として魔力の最大値の定義が、装備品の無い状態での魔力の最大値らしく、そちらで大魔術師装備の恩恵を受けられないことですね。」

「それでもアヤメの魔力値は俺より多いから頼りにしてるよ」

確か、俺の魔力値が400で、アヤメの魔力は装備がなくても800くらいだったはずだ。

うん、アヤメのスキルの有用性については理解した。

問題はミルクだな。

「ミルクのスキルはなんなんだ?」

「えっと、ユニークスキルだったの。効果はダンポンにお取り寄せのスイーツを渡すことと2000D分のDコインを渡して教えて貰ったからわかるんだけど」

「そうかそうか。で、スキルの名前は?」

「……救済……」

救済?

回復系のスキルだろうか?

だとしたら、当たりだと思うんだが。

と思ったら、ミルクはさらに続けた。

「……措置」

「救済措置?」

あれ? なんか急に回復系スキルから遠ざかった気がする。

「泰良……宝箱ってランクがあるの知ってる?」

「うん。2階層の宝箱だとランク1~3までとかそういう奴だろ?」

「うん。でも、ランク3の宝箱でも、中身が黒い魔石から、一番いい物だと珍しい装備品とかが入っていたりするんだよね。レア度って呼ばれていて、10段階に分かれてるの」

うん、それも知っている。

聖女の霊薬はランク15の宝箱の中でも激レアアイテム――たぶん10段階の10番目ってところだろう。

あぁ、だいたいわかってきた。

「それでね、救済措置っていうのは宝箱の中からレア度1のものを引くと、救済ポイントがもらえるスキルみたいなの。それで、救済ポイントを貯めるとスキルとかアイテムと交換できるみたい」

「凄いんじゃないか?」

「実は、泰良さん。レア度1のアイテムって中々出るものじゃないんです。レア度5、6のアイテムが最も出やすくて、その確率は二つで50%と言われていて、レア度3から8が出る確率が95%と言われています」

「え? じゃあレア度1のアイテムが出る確率は?」

「1%です。そして、レア度1のアイテムを入手して得られる救済ポイントは宝箱のランクに応じて変わりますが、20階層の宝箱だと、だいたい5ポイントだそうです」

アヤメが説明した。

「ちなみに、スキルを覚えるために必要なポイントは?」

「……安いスキルでも100ポイント」

ミルクが辛い表情で言う。

うわぁ、それは厄介だな。

つまり、20階層の宝箱を100個開けて5ポイント。100ポイント達成するには2000個も開ける必要がるってことか。

「まぁ、気長に貯めればいいんじゃないか?」

「…………」

「どうした? まだ何かあるのか?」

「……実は救済措置のスキルを覚える前に開けた宝箱の分も救済ポイントを貰えているみたいでね。もうスキルを覚えられるくらいにポイントが貯まってるの」

「は? え? なんで?」

「お宝ダンジョンで手に入れた無限ポケットティッシュ――あれ、全部レア度1のジョークアイテムだったみたい」

そうだったのか?

無限ポケットティッシュの名の通り無限の可能性があるから各所に高値で売れただけでなく、天下無双の備品としても活躍してるのに。

「お宝ダンジョンの宝箱の救済ポイントが10ポイントみたいで、それだけで400ポイント。あと、なんか私の開けてた宝箱、ハズレが多かったみたいで、もう合計520ポイントなんだって」

「うわぁ……」

救済措置のはずなのに、なんか救われない話を聞いた気分になった。

「ま、まぁ、ラッキーじゃないか。それで、何かスキルを覚えたのか?」

「うん。アヤメと相談して、500ポイント使って無魔法を覚えたよ」

「無魔法?」

「うん。属性のない魔法。解放: 魔力弾(マナショット) 」

とミルクが魔法を放つと、たぶん魔力で作られたであろう弾が飛んでいって壁に当たった。

「ロビーで攻撃魔法は使わないで欲しいのです」

「ごめんなさい!」

ミルクがダンポンに怒られた。

「で、なんで無属性魔法なんだ?」

「だって、私たちの使う魔法って全部属性魔法ばっかりでしょ? この先、魔法しか効かない、だけど属性攻撃は無効化する魔物が現れるかもしれないじゃない」

確かにそういう可能性はあるのか。

「あと、無属性魔法には魔力障壁っていう盾みたいな魔法もあるから、遠距離攻撃を防ぐにはちょうどいいかなって思って」

「攻守のバランスが取れた魔法ってことか」

「うん。いまはまだ使えないけどね」

でも、これで魔法に関してはだいぶ属性が揃ってきたな。