軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

大量生産モンスター

休憩も終えて、21階層に到着。

降りた場所に、姫が言っていた転移用の魔法陣があった。

PDで見たものに似ている。

ここに入れば一階層に戻れるらしい。

中間セーブポイントって感じがする。

いまはスルー。

そして奥の部屋を潜ると――そこは工場だった。

なんかよくわからない機械が動いているし、ベルトコンベアの道とかもあったし、なんか機械がプシューっと蒸気を出している。

全体的に少し薄暗い感じだ。

本来ならば驚くことだろう。

だが、21階層からはこんな風に雰囲気がガラリと変わることは俺でも知っていた。

たとえば雪の世界だったり森の中だったり、中には広い海が広がっている浜辺だったりするところもある。

ダンジョンが地下ではなく別次元だっていうのがよくわかる。

それに比べたら、工場風のダンジョンなんてまだマシな方だ。

コンクリートっぽい床を歩いて工場となったダンジョンを進む。

しかし、よく見ると地球の工場とは違うんだよな。

機械を見てもネジやボルトのようなものが一切使われていない。

これ、どうやってできてるんだ?

〔工場ダンジョン。普通のダンジョンに出てくる魔物が機械化して出てくるんだよな〕

〔ここにいる敵はだいたい雷が弱点〕

〔機械を持ち込めないのに、ダンジョンは機械だらけという矛盾〕

〔異世界の工場ってこんな感じなのかな?〕

〔工場ダンジョンは深い階層にいるメタルスライムが脅威なんだが、ベータにとってはただの経験値〕

〔国内の工場ダンジョンの配信は初めて見るな――どこだろ? 日光じゃないのだけはわかった〕

〔まだ国内とは限らない。C国やM国、I国でも猿神が出てくるダンジョンあるし〕

〔猿は神様の遣いって国が結構あるからな〕

〔俺、いま東武日光駅に着いたんだが、出待ちしてもメシアいないの?〕

〔無駄足乙〕

魔物が機械化? どういう意味だ? と思ったら魔物の気配がした。

近付いてきた――いや、流れてきた。

ベルトコンベアに乗って。

まるで、回転寿司のように。

当然、乗っていたのは寿司の魔物ではない。かといってフライドポテトやラーメンのようなサイドメニューでもない。

流れてきたのは魚だった。

加工前の魚――いや、加工後の魚だろう。

何故ならその魚は機械だったから。

トビウオのような羽が生えていて、急に空を飛び出した。

トビウオ? いや、トビウオロボットか?

トビウオだったら食べられるが、これは食べられそうにないな。

と思っていたら、そいつは口を開けると、中からレーザーのようなものを――

「って危ないわっ!」

俺は影獣化をしてトビウオロボットを蹴り飛ばす。

天井に激突して、Dコインとなんか鉄の塊が落ちてきた。

【魔鉄:ダンジョン内で採れる魔力を含んだ鉄。加工には鍛冶スキルが必要となる】

普通の金属ではないらしい。

そういえば、メタル金属も同じような感じの説明文だったな。

今後、水野さんの武器作りが楽しみだ。

これでミルクの銃とかも強化できるかもしれない。

「何て名前の魔物だったんだ?」

「メタルフライフィッシュね。口から魔法を放つわ」

そのまんまだな。

メタルが付けばいいってもんじゃないぞ。

「しかし、21階層っていってもあんまり強くないな。これなら余裕そう……」

と言いかけたとき、魔物の気配が。

さっきのベルトコンベアが流れてきた。

そこには大量のメタルフライフィッシュが。

そいつらは一斉に跳び上がった。

数が多すぎる。

30匹はいるぞ。

そしてメタルフライフィッシュは口を開けた。

「みんな、俺の後ろにっ!」

みんなが俺の後ろに移動する。

そしてレーザーが一斉に放たれた。

しかし、レーザーはメタルフライフィッシュへと跳ね返り、自らのレーザーのせいで墜落していった。

「魔法反射、初めて使ったな」

京都ダンジョンに行く前に覚えたスキルだが、魔法を使って来る敵がいなかったので初お披露目だ。

スキルを使うと三秒限定で魔法を反射する光の壁を生み出すことができる。

クールタイムがあるのでずっと跳ね返せるわけじゃないが、こういう時は便利だ。

「あんないっぱい出てくるとは思いませんでした」

「大量生産品なのかな」

アヤメとミルクが落ちているDコインを集めて言う。

俺もビックリした。

これって、魔物出現率10倍に設定しているPDだったらどれだけの数のメタルフライフィッシュが来るんだろう?

想像しただけで少し恐ろしかった。

しかし、これでDコインもウハウハだな……と思ってDコインを見たところ……まさかの白色。

二十一階層なのにたったの10Dだった。

大量生産モンスターはDコインの価格が控えめらしい。