軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

60話 やっぱり姉妹だな~

ダンジョンでゲットした、エリクサーやら魔物を換金した。

正式には、まだ金にはなってないが。

エリクサーは確実だが、デカいミミズみたいな魔物は売れるかどうかは、微妙なところだな。

買い取りのオッサンも渋い顔をしていたし。

まぁ、あれが売れなくてもしゃーない。

正直キモいし。

客もそう思っても仕方ないが、デカい歯は鋭いし、硬そうなので、素材としても利用価値があるかもしれない。

他の部分は、俺のアイテムBOXの肥やしにして、深層に潜った時に捨てる――だな。

大学のセンセが、魔物を見たいということだったので、売却のついでに案内した。

珍しいサンプルが取れたみたいで、すごく喜んでいた。

よかった。

諸々終えてから、部屋でカレーを作っているとスマホに連絡が着信だ。

相手はサナだったのだが、送ってきたのはミオちゃんらしい。

俺のカレーを食いたいということだったので、「お姉ちゃんがいいと言ったらいいよ」と返信した。

さて、どうだろうなぁ。

サナたちは、俺のことをどう思っているのだろうか。

正直、しょうもないオッサンだと思われてても、仕方ない。

前のギルドのことを考えながら、カレーを煮込んでいると、備え付けの電話が鳴った。

ホテルのフロントと連絡するためのものだが、これだけ有線なのだ。

ルームサービスはタブレットなどでできるのだが、なぜかこれだけ。

俺が電話を取る。

「はい」

『丹羽様ですか?』

「そうです」

『フロントに、【ダイスケに会いたい】という小さな女の子が来てまして……』

ダイスケだけで、よく俺だと解ったな。

一応、宿帳には名前は書いてあるが……。

まぁ、上客の姫たちと一緒に住んでいるオッサンだから、ホテルの従業員全員が知っているのかもしれない。

「あ~、多分知り合いの女の子です。すぐに1階に行って確認いたしますので」

ミオちゃんだよなぁ。

『よろしくお願いいたします』

鍋は――つけっぱなしでも問題ないだろう。

とろ火だし。

「姫、ちょっとフロントに行ってくる」

「どうしたのだ?」

「知り合いが来ているらしいから、見てくる」

「承知した」

ちょっと着替えて、下に向かう。

田舎の自分の家なら、普段はラフな格好だし、パンツ一丁のこともある。

ここはホテルだし、女の子はいるし、あまり変な格好ができないのがツライ。

そんなことより、1階だ。

エレベーターに乗って、通路を早足で歩きロビーに出た。

「ダイスケ!」

俺の姿を見た女の子が声を上げた。

ジャージ姿に、俺があげたお下がりのバックパック。

やっぱりミオちゃんだ。

「ミオちゃん、お姉ちゃんがいいって言ったの?」

「…………うん」

今の間、絶対に嘘だろ。

――とはいえ、ここまで来て「帰れ」とも言えんなぁ。

「仕方ないなぁ。今日は、ちょうどカレーを作ったしなぁ。食べていくかい?」

「うん!」

サナに連絡を入れておかないと、心配するだろう。

彼女を連れて、部屋に戻る。

「すご~い!」

ミオが部屋の広さにキャッキャしている。

「ダーリン! なんだ、その子どもは?!」

「知り合いだが、俺のカレーを食いたいんだと――あ、そうだ! サナに連絡を入れておかないと」

「……」

ミオが、気まずそうな顔をしている。

嘘をついているからだろう。

今にして思うと――俺がガキの頃についていた嘘も全部親にはバレバレだったんだろうなぁ。

子ども心には、「大人を騙せた!」「俺って完璧」とか思っていたりしたのだが、そんなことはなかったわけだ。

「ミオが、俺の所に来ちゃったので、カレーを食べさせてから帰らせるから――と」

大丈夫だろうか?

すぐに回収にやって来たりして。

「……」

姫は、ちょっと不満そうだ。

まぁ、ここは彼女たちの城で、俺は居候だからな。

俺も悪いとは思っている。

「わざわざ来てくれたんだ、カレーぐらい食べさせてあげてくれ」

「そうですよ、こんな小さな子ですよ」

カオルコはなんとも思っていないらしい。

「ミオちゃん、冒険者になりたいんだよね?」

「うん!」

「お姉ちゃんたち、誰かわかる?」

俺は2人を指した。

「エッチな格好で戦っている人」

「うぐ!」

子どものストレートな言葉のボディブローが姫の腹に入った音がした。

「そっちの人は?」

「胸が大きいメガネ」

「ふぐ!」

こちらも、大きな胸の下に、ミオちゃんのロケットパンチが食い込んだ。

2人が、無邪気な攻撃のダメージを受けている。

「お姉ちゃんたちが、超有名な冒険者だって知っている?」

「うん!」

「知っているのか、雷電」

「らいでん?」

「ははは、独り言だ」

それはさておき、カレーを食う。

アイテムBOXから皿を出して、ご飯とカレーを盛る。

「「いただきまーす」」

4人で食べるが、いただきますをしたのは、俺とミオだけ。

「はぐはぐ!」

「そんなに急いで食べなくてもいいぞ」

ミオは俺の膝の上で、カレーを食べている。

「ダイスケのカレー好きぃ!」

「ダーリンのカレーは、私のものだぞ? そもそも、なんでお前がそこに座っている!」

「ダイスケ、ダーリンってなに?」

無視か。

「好きな人のことを、ダーリンって言うんだよ」

「じゃあ、ミオもダイスケのこと、ダーリンって呼ぶ!」

「ちょっとちょっと」

ダーリン呼びが増えるじゃないか。

奥様はなんとかって昔のドラマかよ。

「なんで、お前がダーリンって呼ぶんだ!」

姫が抗議しているのだが、子どもに本気になるなよ。

「だって、ミオもダイスケのこと好きだし!」

「私のダーリンだぞ!」

「ミオのダーリン!」

「「ぐぬぬ……」」

「ちょっと姫、小学生と争うのはどうなの?」

「そうですよ」

カオルコが呆れた顔をしている。

さすがに、彼女は冷静だ。

「ミオちゃん――お姉ちゃんは、俺のことなにか言ってたかい?」

「お姉ちゃんは、ダイスケに追いつくって言ってたよ」

「俺に?」

「うん」

俺の場合、棚からぼた餅だからなぁ。

姫とカオルコもレベルアップしているが、ダンジョンの深層に飛ばされて強制的に上がったようなものだし。

普通の方法で、姫レベルまで上げるのは相当じゃないと……。

無理をしなければいいのだが。

「そうか~」

「キララは、スケベオヤジだって言ってた」

あいつめ~。

まぁ、事実だが。

「言いたい放題だな。だいたいだな、オッサンはスケベなものなのだ」

スケベじゃないオッサンになんの価値があるというのか、あろうはずがない。

「ふ~ん」

あまり子どもの前で言うネタじゃないな――と思っていると、メッセージが入った。

『ダイスケさん、ミオがごめんなさい』

「いいってことよ。カレーを食べさせたら、帰らせるから」

俺がスマホをポチポチしていると、ミオが覗き込んでいる。

「お姉ちゃんから?」

「ああ……」

「貸して!」

ミオが俺のスマホを奪うとポチポチしている。

「お姉ちゃんに謝っときなよ」

「はい! 返す!」

彼女がスマホを返してきたので、内容を見る――。

「ミオちゃん――」

「今日は、ダイスケと寝る!」

スマホ上で、姉妹がバトルしていた。

まぁ、もうミオちゃんは、事後承諾でここに来ちゃっているからなぁ。

彼女のほうが強いだろ。

「なんでそうなる!」

声を荒らげたのは、姫だ。

「子どもが泊まるぐらいいいじゃないか」

「私の部屋だぞ!」

「サクラコ様……」

カオルコが窘めようとしているのだが、姫の言うことももっともだ。

「それじゃ仕方ない――空いている部屋を借りて、一泊しよう」

「やったぁ! ダイスケと一緒!」

「なんでそうなる!」

「え? だって、姫が駄目だって言うから、仕方ないじゃないか」

「ぐぎぎ……」

姫が折れて、ミオちゃんはゲストルームに泊まることになった。

「いつもの余裕の姫は、どこにいったんだ? 子ども相手に本気になることはないだろう」

オガさんやカオルコには、なにも言わないのに。

「……」

「多分、姫は小さな女の子には負けるかもしれないって思っているんですよ」

「ええ?」

カオルコの言葉だが、そんなことあるはずがない。

どこらへんが姫の基準なのか、よく解らない。

「えへへ」

「ぐぎぎ……」

ミオちゃんは無邪気にやっているだけなのだろうが、それは姫にはダメージになっているらしい。

「なにがあっても姫の一番は変わることがないから、心配しなくてもいいのに」

「そうですよ、サクラコ様」

「ううう……」

――というものの、眼の前で女の子にいちゃつかれるのは嫌なのかもしれない。

気持ちは解らんでもないので、ミオちゃんをちょっと離した。

食事のあとの後片付けをしなくてはならないし。

「ミオも手伝う!」

俺が皿を洗っていると、ミオが飛んできた。

「サンキュー!」

「お姉ちゃんと一緒にちゃんとご飯は食べてるかい?」

「うん! でも、ダイスケのご飯が一番好き~!」

「ははは、ありがとう」

シンクで食器を洗う。

こういう部屋には泊まったことがないのだが、コンロやらシンクがついているのは普通なのか。

それとも、特注でつけたのか。

「 洗浄(クリーン) !」

俺が食器を洗おうとしていると、姫がやってきて魔法で綺麗にしてくれた。

「あ~! せっかく、ダイスケと一緒に洗ってるのに!」

「ありがとう~、やっぱり魔法は便利だな」

「……」

姫がなにか言いたそうなのだが。

「ごめんな~、突然子どもを連れてきて。でも、放り出すわけにもいかなくてな~。彼女たち姉妹は、親もいないし」

「……そうなのか」

「ああ」

まぁ、爺さんはいるんだが、身内もほぼいない状態だし。

そのことを彼女に伝えると、多少の理解は示してくれたようだ。

心の広い姫に感謝する。

「ベッド、おっきい!」

ゲストルームのベッドの上で、ミオが飛び跳ねている。

「……」

その様子を、姫がじっと見ている。

乱入してくるのかと思ったら、ふといなくなった。

彼女には悪いのだが、サナとミオに関しては、いきなりギルドをほっぽりだしていなくなった格好になったからなぁ。

元々、ちょい間のギルドの予定ではあったのだが……。

ベッドの上で遊んでいるミオに話を聞くぶんには、サナは怒っていないようだ。

彼女から学校の話などを聞く。

「お友だちもできた?」

「うん」

「お友だちも、冒険者になりたいって言ってるの?」

「うん!」

ミオがベッドの上にうつ伏せになって、足をバタバタさせている。

「さっきのお姉ちゃんたち、すごい冒険者だって知っているんだよね?」

「うん! でも、ダイスケのほうがもっとすごい! アイテムBOXも持ってるし」

「はは、でも俺は、公式なランキングには載ってないオッサンだからなぁ」

「なんで載せないの?」

「興味がないからなぁ……」

「ふ~ん」

「多分、お友だちに言っても、俺のことは知らないだろ」

「アイテムBOX持っている人がいるってのは知ってるよ」

へ~、子どもでも知っているのか。

それはちょっと恥ずかしいが、こんな見てくれも普通のオッサンじゃ、子どもも興味ないだろ。

やっぱり、冒険者ってのは若くて格好よくないとな。

実際に、そういう人たちが人気だし。

「でも、ミオちゃん。本当に冒険者になるなら、身体を鍛えたほうがいいよ」

「きたえる?」

「毎日武器を素振りしたり、重いものを持ち上げたり、マラソンしたり――かな」

「お姉ちゃんと一緒にやってる!」

「そうなんだ」

「うん!」

サナも、本格的に冒険者としてやっていこうとしているかもしれない。

そういえば――ミオの話では、俺に追いつくとか言っているらしいしなぁ……。

高レベル冒険者に引っ張ってもらえば早いんだが、そういう人脈を作るためにもそれなりの実力は必要だし。

オガさんみたいなタイプに、タンクをやってもらえばいいんだがな。

彼女が自分のバックパックから教科書やノートを取り出した。

宿題をやるつもりらしい。

学校の教科書まで持ってきているということは、最初から泊まるつもりだったな。

この行動力は侮れない。

お姉ちゃんに比べておとなしそうに見えたのだが、あれは病気のせいだったのだろう。

やっぱり姉妹だ。

基本は似ている。

彼女の勉強を見てやる。

「う~ん、冒険者になるから、勉強なんていらないのに……」

――なんて言っているのだが、なにをするにしても最低限の知識は必要だ。

やっぱり広く浅くの小中学の勉強は押さえておきたい。

「そんなことはないよ。読み書き計算、常識的範疇の科学的知識はいるから」

「う~」

あまり勉強は得意ではないようだ。

勉強のあとは、2人でネットを見る。

「わ~い! ここはネットが沢山観られるから好き~」

「まぁ、特区は電気が高いからなぁ」

このホテルは宿泊料金が高いけど、電気は使いたい放題だし。

「ダイスケの動画も観る~」

「子どもは、あまり残酷なものは観ないほうがいいと思うけど……」

「でも、冒険者になるなら、必要」

「そうだけどなぁ」

多感なときに、ダンジョンに潜って殺戮の日々って、人格形成に問題にならんのかなぁ。

大人としては心配になる。

社会に出ず、いきなりダンジョンデビューで、魔物を殺しまくる。

これでいいのだろうか?

もうちょっと、冒険者になるための年齢を上げたほうが、個人的にはいいと思うがなぁ。

まぁ、世情がそれを許さんのだろうけど。

特に特区のダンジョンは大都市東京を支えているしな。

今は、地方自治体のほうが強い。

なぜなら、食料生産をしているからだ。

東京が大都市で、ドヤ顔をできたのも、昔の話。

今は、地方に頭を下げて食料を売ってもらっているわけで――。

ダンジョンを上手く活用できれば、地方に頭を下げる必要もなくなる。

そのため、若い人にはダンジョンを開拓する冒険者になるのを推奨して、色々と補助政策も実施している。

もう東京のためには、ダンジョンはなくてはならないものになっているのだが、それってモノカルチャー経済と変わらんのでは?

ダンジョン1本足打法をやって、ダンジョンが突然なくなったらどうする?

まぁ、ど偉い大学を出た先生たちが国のトップに沢山いるんだ。

高卒のオッサンの考えそうなことは、対策を練っているとは思う。

多分な――大丈夫だよな?

ミオちゃんとネットの動画を観て、そのあと就寝した。

――ミオが遊びにきた、次の日。

朝食もミオがカレーがいいというので、カレーにした。

食事のあとは、彼女に渡すものがある。

「ちょっと重くなるけど、これをお姉ちゃんに渡して」

ミオが袋の中を見ている。

「これってポーション?」

「そうそう――カバンの中に入る?」

「うん」

彼女がバックパックを開けて、中にポーションを詰め込んでいる。

「キララには渡さないようにな。あいつは、売りかねないからな」

「そんなことないよ。キララちゃん、すごくやさしいし」

「ホント?」

「うん!」

マジで心を入れ替えたのだろうか?

それとも、元々子どもには優しかった?

いや、最初に会ったときには、そんな感じじゃ~なかったしな。

一緒に1階まで降りて、彼女を見送る。

直接学校に行くようだ。

しっかりとその準備をしてきていたし、最初からそのつもりだったらしい。

「いってらっしゃーい」

「いってきま~す」

サナにも一応連絡を入れておこう。

「ミオちゃんは、直接学校に行きました」

『ごめんなさい』

「いいってことよ。ダンジョンでは、あまり無理をしないでね」

『はい』

大丈夫かな~?

彼女はしっかりさんだから、大丈夫だとは思うが。

俺が部屋に戻ると、カオルコがやってきた。

「ダイスケさん、トップギルド合同でのアタックが決まりましたよ」

「やっとか。みんな一緒となると、スケジュールとかが、面倒そうだったな」

「はい」

アタックするギルドは4つ。

姫が率いるギルド桜姫と、ダンジョンの中で、俺に勝負を挑んできたゴリラみたいな男が率いるギルド。

オガさんが率いるギルド、あとひとつは、魔導師がトップにいるギルドらしい。

ギルドのトップは、タンクかアタッカーがリーダーになっていることが多いが、魔導師がリーダーってのは珍しいかもしれん。

かなりの実力者らしい。

――といっても、現時点で魔導師のトップはエンプレス――つまりカオルコなのだが。

夕方、サナからメッセージが入る。

『ポーションありがとうございました』

「なにかあったら大変だから、遠慮なく使ってな」

『はい』

怪我などしなければいいが。

まぁ、オッサンとしては、サナに嫌われてなかった――ということだけが救いだな。

別になにか下心があるとかそういうのではない。

オッサンは若いヤツに嫌われると、大変堪えるのだ。

そんなわけで、親睦を深めようとあれこれすると、それが逆効果になってしまうことが多々ある。

悲しいけど、これって現実なのよね。

――ミオが泊まりにきた、次の日。

トップギルド共同による深層アタックが決まったので、各ギルドに挨拶に向かう。

参加するギルドは4つ。

他にもギルドはあったのだが、リーダーや主要のランカーが先の事件で行方不明のまま、規模を縮小してしまった所もある。

復讐に燃えている者もいるとはいえ、レベルが下がってしまったギルドは連れていけない。

ついでに、俺のアイテムBOXに各ギルドの荷物を収納することになった。

事前に、各ギルドの荷物は、大きな箱か、パレットに載せてくれるようにお願いしてある。

そうしないと、俺のアイテムBOXの中がぐちゃぐちゃになってしまうからな。

「○○ギルドの○○を、アイテムBOXから出して」とか、そんなの不可能だし。

「ちわ~」

「よぉ、オッサン、久しぶり!」

小さなビルの前で、ゴツい男が挨拶をしてきた。

ギルドの面々だろうが、たくさんの冒険者がいる。

もちろん、アタックするのは高レベルの冒険者だけ。

俺に挨拶してきたちょっと無礼な男は、みんなからゴリラと呼ばれている男だ。

ギルド、「黄金の道」のリーダー。

ここが、ギルドの本部なのだろう。

彼からは喧嘩を売られたし、少々礼儀的に問題あるが、悪い男ではないようだ。

そもそも、問題ある人間がリーダーでずっとやっていくというのは、中々難しい。

ダンジョン内では、命がけのことも多いし。

頼れる人間でなくては、他の冒険者たちがついてこない。

「これがウチの荷物です」

以前、ホテルでの話し合いをしたが、そのときにやって来た、副リーダーの女性が荷物の説明をしてくれた。

たくさんの荷物が、2つのパレットに山積みになっている。

「解りました、収納」

「「「おおお~」」」

消えた荷物に、冒険者たちが驚いている。

「深層にアタックするとなると、いつも困るのが荷物だからな」

「本当に助かります」

ここの副リーダーの話によると、深層にアタック基地を作って、荷物を運び込み備蓄。

そこから、アタックを繰り返すらしい。

「全部、俺に預けていいのかい? 俺がやられたら、物資ゼロで深層に放り出されることになるけど……」

「そもそも、丹羽さんが駄目なら、ウチのメンバーは全員やられていると思いますので」

「言ってくれるじゃねぇか、マリア」

「事実でしょ!」

マリアってのは、ここの副リーダーさんの名前らしい。

彼女も冒険者ではあるが、高レベルではないみたいだな。

完全に実務系の副リーダーだ。

以前、彼に同行していた魔導師の女性がいたが、彼女は副リーダーではなかったんだな。

ゴリラがアタックしている間、ギルドの運営を任されているのだろう。

それにしても仲がよさそうだ。

気心がしれているというか、なんというか。

「よぉ~っ! 集まってるな~!」

そこにデカい身体と、デカい声の女性がやってきた。

オガさんだ。