軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第十話 アイテム

ルナエールの出してくれたアイテムを、一つ一つ《アカシアの記憶書》で調べてみることにした。

まずは……赤い水晶の首飾りを手にしつつ、《アカシアの記憶書》を開いてみた。

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【魔導王の探究】《価値:神話級》

かつて魔法により戦乱の国を統一し、大国の王となった男の魂が封じられた首飾り。

魔法に全てを捧げた魔導王の探求心は、装飾品と成り果てた今なお衰えることを知らない。

装備者の魔法の素養、理解力を深める。

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……俺は首飾りの水晶を見直した。

何か……白い煙のようなものが中に漂っているのが見えた。

こ、これ、着けても大丈夫なんだろうか……?

意識が乗っ取られたりしないだろうか?

いや、ルナエールの出してくれたものなのだから、問題ないだろう。

ルナエールは魔法を教えてくれるという話だったが、これがあれば上手くいきそうだ。

俺は《魔導王の探究》を首に掛け、次に銀色に輝く指輪を手に取った。

両側に頭部のある不気味な蛇が蜷局を撒いている、不気味な形状の指輪であった。

なんとなく中二心を擽られるデザインだ。

指で頭部を突いてから《アカシアの記憶書》を開いた。

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【ウロボロスの輪】《価値:神話級》

古代に、大陸全土を黒き炎で焼き払った双頭の巨大蛇の成れの果て。

不死であったため、石化と縮小化の呪いを受けて、現在の姿となった。

今なお、石の内部では不死の大蛇の呪念に溢れている。

装備者が息絶えた際、魔力を消耗して蘇生する。

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「ひいっ! こ、これ、俺が持っていて大丈夫ですか!?」

俺は思わず悲鳴を上げ、助けを求めるようにルナエールの方を向いた。

「ええ、それがあれば大丈夫ですよ。消費魔力は本人のレベルに依存しますから、あなたでも命を繋ぐことができるでしょう。何度も発動するのは厳しいかもしれませんが」

そ、そういう意味ではなく、石化しているとはいえこんな化け物を俺が持っていても問題ないのかと聞きたかったのだが……。

い、いや、危ないものなら俺に渡すようなことはないはずだ。

これも着けさせてもらおう。

最後に、簡素な造りの剣を恐る恐ると手に取った。

……よかった、重くない。俺でもちゃんと持つことができる。

長くもなく、短くもない。使いやすそうだ。

一般的な剣といった調子だが、柄の部分に紫の水晶が埋め込まれていた。

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【愚者の魔法剣】《価値:神話級》

攻撃力:+300

魔法力:+300

かつて神より、勇者としてこの世界へ訪れた転移者へと渡された魔法剣。

埋め込まれた上位世界の水晶のため、高い性能を誇るが非常に軽く、低レベルの者にも装備することができる。

一人目の所有者は、この世界に来てからたった半年で暗殺によって命を落とした。

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おおっ! 初心者用のこういう性能の武器もあるんだな。

しかし、《愚者の魔法剣》……説明を見るに、俺と同じ経緯でこの世界に放り込まれた人間の所有物であったらしい。

名称からなんとなく察することもある。

ナイアロトプの見世物のためにこの武器を与えられ、調子づいて油断していたときに殺され、人生を神達の笑い話として消化されたのだろう。

……今も俺をあいつが観察しているのであれば、意図せず生き残った俺を見逃してくれるのだろうか?

「問題なく持つことができていますね」

ルナエールが安堵した様に言う。

彼女も、俺が一度武器を手にして死にかけたことを危惧していたようだ。

しかしまさか、この世界の武器の性能に重量が比例しているとは思わなかった。

……武器の攻撃力を際限なく上げられるゲームチックなシステムを再現するには、重量を引き上げるのが一番早いということはわかるが。

「その……装備できる武器の目安ってあるんですか?」

「目安、ですか。自身のパラメーターが武具の補正値より高ければ、扱うこと自体はできるはずですよ」

なるほど……前に見たとき、俺のパラメーターは1ばかりだったな……。

ルナエールのとっておきの剣なんて持ち歩けるわけがない。

俺は《魔導王の探究》を首に、《ウロボロスの輪》を指につけ、《愚者の魔法剣》を手に持った。

《ステータスチェック》で、自分の情報を一度確認してみることにした。

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『カナタ・カンバラ』

種族:ニンゲン

Lv :1

HP :3/3

MP :2/2

攻撃力:1+300

防御力:1

魔法力:1+300

素早さ:1

特性スキル:

《ロークロア言語[Lv:--]》

通常スキル:

《ステータスチェック[Lv:--]》

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装備品は記されないが、補正値は別枠で示してくれるようだ。

す、凄い装備頼りのステータス……。

しかし、これならば格上の相手にも、当たりさえすればダメージを通すことができそうだ。

「これで準備ができましたね。本格的な修行に入っていきましょうか」

「は、はい!」

ルナエールの言葉に応じたが、彼女は何か物足りなさそうにしており、俺の次の言葉を待つようにじっと沈黙していた。

な、何か期待されている……?

い、いや、でも、俺にできることなんて……。

「よ、よろしくお願いします、師匠!」

ルナエールは満足した様に頷き、小屋の外へと向かっていった。

……な、なるほど、師匠呼びされたかったのか。