軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

共犯(ルーク視点続き)

「孤立と言いますが、親しく付き合ってはいないというだけのことではないですか。レミントンはきちんと結界の仕事をしているし、政務も行っています。つまり、今までと何も変わらずにいるわけで、むしろ変わってきているのは私たち残り三家のほうです」

リアのことをきっかけに、魔力の在り方に疑問を抱いた三つの家が少し距離を縮めただけのこと。それに、孤立していたとしても、そのことをレミントン自身が問題にするとは思えない。なぜなら、私のお父様がもし孤立したとしても、何とも思わないだろうと思うからだ。

それほど、四侯は他者に興味がない。

「父上たちの世代はそれでいいだろう。というか、それ以上何か改善ができるかと言うと難しいかもしれない。今回、私の父上が動かなかったら、そもそも今までと何も変わらなかったわけだしね」

マークは私の言葉に軽くうなずいた。

「でも、私たちの世代もそれでいいのかな」

「私たちの、世代?」

私たちとひとくくりにされたことで、私はとても驚いた。オールバンスはお父様がまだ働き盛りだ。私は魔力の訓練を始めてまだ二年。成人するまであと六年ある。

「おいおい、ルークとは少し離れているだけだけれど、私は君の父上とは10歳以上離れているんだよ。しかし、フェリシアとは4歳、ギルとは5歳しか離れていない。私は自分や君たちをランバート様の世代と思っているよ」

「ランバート様の世代、ですか」

「そう。父上たちは現王の世代。そして、私から下の四侯は王子であるランバート殿下の世代だ。もしかしたらニコ殿下の世代も少し、支えることになるのかな」

マークは20歳。子供世代というより、私にとってはどちらかと言うとお父様の世代だったのだ。

「やれやれ。年寄り扱いしないでくれよ。結界の仕事だって、父上の手伝いをしているに過ぎないのだからね」

「すみません」

正直なところ、自分とは関係ない世代と思っていたので、私は素直に謝った。

「なかよしでいたい、とか子どもっぽいことを言うつもりはないよ。ただね、私や君たちのように、親から大事にされている家と、レミントンは違うように思われるからさ」

「なんとなくそんな気はしていました」

「だからさ」

マークはギルとフェリシア、そして楽しそうに遊んでいる殿下とクリスのほうを眺めた。

「仮に、親が支えにならなかったとして」

そう口にしたマークが何を想定していたのか。

「フェリシアが一人で立つのはものすごく難しいだろう。その時に、私たちが支えてやらないと、下手をすると四侯と王家に守られているこのキングダムのシステムそのものが崩壊してしまう」

「マーク?」

「父上たちの世代、そして私たちの世代と。結界を作る組み合わせが、一つではなく二つ。そうあったら安心だと思わないかい」

それは私が思いもしなかったことで。どう考えていいのかわからず、何も口に出てこなかった。

「だから、魔力の訓練をして、子供たち全員の力を全部上げるんだ。私たちの世代だけで結界が維持できるように。偶然かどうか、これだけ魔力の操作に巧みな者が集まったのだから、きっとできる」

「それは、後継ぎではない、リアもクリスもですか」

「そうだよ。後継ぎではないからと放っておくには、二人とも魔力量が多すぎるだろう」

「それが言いたくて、今日はわざわざ来たのですか?」

それなら、屋敷に来てもらったほうが細かいことを話せるだろうに。

マークはちょっと悪い顔をしてにやりと笑った。

「父上には知られたくないんだ。というか、ルークもオールバンスのご当主に言ってはいけないよ」

「なぜですか」

「止められるからだよ」

「確かに」

少なくともうちのお父様はリアがかかわることを嫌うだろうし、ギルのお父様は、小さい子どもにそのような負担を課すことを認めないだろう。

「だが、幸か不幸か私たちにはそれができる。私はリアがかわいらしいからと言って、あの子の力が特別なのを見誤るつもりはないよ。魔力操作だけなら、下手をするとルークより上だろう」

「それは」

リアは兄さまは何でもすぐできてすごいというが、実はリアのほうが魔力操作はうまい。集中力がなくすぐ寝てしまうのでばれていないだけである。

「フェリシアはまじめで秘密が持てないから、フェリシアとクリスには言ってはいけないよ。私とギルとルークだけ」

「まだ同意したつもりもないし、ギルだってなんというかわかりませんよ」

「ギルは同意するよ。きっとね」

自信ありげなマークに思わずカチンときた。

「それで、ランバート様はこのことは」

「知らないさ。知ってしまったら、この勉強会は解散だろうね」

とんでもないことの共犯にされようとしている気がした。