軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

14-34 イグドラ大森林 新たなる精霊樹

俺達やエルフ達、そしてレアガイアが魔力と霊体の力を 世界に根付く精霊樹(スペリオルイグドラシル) へと注ぎ続けて数日が経過。

今日も今日とて俺は横たわるレアガイアと二人きり。

……レアガイア曰く、魔力球は食べていても力は吸われているので僅かながらに痩せていってはいるみたいなのだが視認できるほどではない。

もしかしたらまた一瞬だけでも……と、期待して目を離さないようにレアガイアを観察していたのだがそんな事は起こる訳もなく、ずっとメタボリックドラゴンのままだったんだよなあ……残念。

いやでも本当に凄かったんだよ……。

お姉さんっぽいカサンドラが更に大人っぽく艶やかになった感じ?

カサンドラだって素晴らしい体つきなのに、更に1ランク上だと思わざるを得ない程の『黙っていれば絶世の美女』だったんだよ。

やはりレアガイアには痩せてもらわねばならないと思わざるを得ないほどの衝撃だったんだよ。

……こそっと魔力球に込める魔力の量を少なくしておこう。

とか考えていると、ふと精霊樹の変化に気が付いた。

「あれ? 精霊樹が……なんか薄っすら発光していないか?」

「んんー? ああ、もう分体を生み出すだけの力が備わったみたいだねー」

と、魔力球を横になりながら食べているレアガイアが答えてくれた。

そしてそのすぐ後にイエロさんが慌てたようにやってきて、精霊樹が分体を生み出せるようになったと同じことを教えてくれた。

「いやあ良かった……本当に良かったよ……。ご主人様様達がいらしてくれなければ、この窮地を乗り越える事は出来なかったよ! レアガイア様もご協力ありがとうございますっ!」

と、イエロさんを筆頭にエルフの方々にとても感謝されている間にも精霊樹の発光が少しずつ強くなっていく。

それと同時にエルフの方々がどんどん精霊樹の周辺に集まってきているのだが……これ、もしかして村人全員来てないか?

「こんな機会は長命のエルフにとっても貴重な体験になるからね! 見逃さないように皆で暫くここで見守ろうという訳さ!」

なるほど。

精霊樹の寿命は数千年らしいし寿命の長いエルフであっても、一生のうちに体験できるかどうかも分からない出来事だもんな。

人族である俺達の寿命はもっと短いのだし、せっかくだから俺達も見守らせてもらおうという事で、野営用のテントを建てて精霊樹が輝くさまを皆で見ることに。

「はぁー……疲れたっすぅー……」

「レンゲもお疲れ様」

「ご主人もお疲れっすよー」

レンゲもずーっと魔力を注いでいたからなあ。

紅魔紋を体に浮かばせながら魔力を注ぎ続けてくれたおかげで、レンゲ一人で何人ものエルフ分の働きを見せてくれていたのだし、そりゃあ疲れただろう。

だからたっぷり休んでだらけていいのだが……レンゲ?

地面に尻をつけ、手を支えにして座るのは良いが足をガバッと開いて休むのはどうなんだ?

そんな事をされたら俺は当然見るぞ?

レンゲのむちっとしていて健康的な最高の太ももがこんなにも無防備なのだから当然見る。

触れば吸い付くような柔らかさと、中に潜む鍛えられた筋肉のしなやかさによる太ももが太ももたる太さのバランスの良い……あれ? レンゲの太ももは元々最高だったが、こんなにも輝かしく感じたっけかな?

「主君。主君もお疲れ様。果実水をいただいたから持ってきたぞ」

「ああ、アイナ。ありが……とう」

アイナが椅子に座る俺の前で前かがみになり目線を合わせて飲み物を渡し労ってくれたのだが、アイナの笑顔もどことなく素敵に思える。

鎧を外し、重力に従ってより大きくみえるおっぱいも普段以上に魅力的であり、俺の視線に気づくと少し顔を赤らめるアイナが余計に可愛く思えてしまう。

な、なんだ?

どうしたんだ俺は……。

「なに? まーた主様ったらアイナのおっぱいばかり見てるの?」

「ばかりって……そんなしょっちゅう――」

今度はソルテまでやってきたんだが、細くくびれた腰とその後ろから見えるふさふさの尻尾がなんとも愛らしい……。

きゅって、きゅって抱きしめたくなる衝動が抑えられず、ソルテを引き寄せてきゅっと抱きしめてしまう。

「ちょ、ちょっと何? なんなのよう!」

「んんー……もうちょっと」

腰を抱き顔を押し付けた結果ソルテのちっぱいに顔を当てるのだが落ち着く……。

更にはふわふわの尻尾にも手を添えると、癒し効果が倍増されて普段よりもずっと心が安らかになるのを感じるのだが、いや本当に自分でも分からないのだが心が求めているような……。

確かにエルフの村に来てからそういう事はアトロス様以外とは無く、色々溜まってはいるのだが俺は自制が効く方だと自覚がある。

それなのに欲が抑えられなくなるなんて一体どうして……はっ!

もしかしてここ最近はずっとレアガイアと一緒で、レアガイアばかり見ていたからか!

レアガイアの不健康な肉体を見つめていたせいで、レンゲやアイナ、ソルテ達の健康的で女性らしい肉体をより魅力的に感じる訳か!

「ふふふ。ソルテ。困っているのなら私が代ろうか?」

「別に困ってなんかないわよ。なんか素直に甘えられると照れるっていうか調子が狂うっていうか……」

「そういうのは自分が受けるべきじゃないっすかねえ? 自分、功労者っすよー」

「あら? 私達だってダンジョンに行って来たんだから功労者でしょ?」

頭の上からそんな声が聞こえ、ぎゅっとちっぱいをより押し付けられたので俺もぎゅっとする。

ついでに俺が座る椅子の上にソルテも乗ってきたので、尻尾もたっぷりともふらせてもらった。

順番こでくっつかせてもらった後は、向かい合って俺の上に乗っていたらせっかくの精霊樹が見えないだろうという事でいったん止めに。

本来であればウェンディやシロ、ミゼラともくっつきたかったのだが、隼人達のテントも近くエルフの方々も周囲には大勢いるので自重した俺は偉いと思うの。

「いやあしかし、綺麗だなあ……」

発光しだした精霊樹は元々の神秘性も相まって更に神秘的な光景になっている。

くわえて精霊達まで大量に集まっているので、それらも含めて美しい光景だ。

ここで待機しだしてそれなりの時間は経っているのだが、飽きる気配はない。

シロ達は小腹が空いたらしく、ピクニックのようにお茶会も始まってはいるが分体を生み出す瞬間を見逃す事は無いだろう。

他のエルフ達もお茶は飲んでいるようだが、流石にお酒を飲むなんて事はないようだった。

「この後どうなるんだろう……」

「んー? この後はあの発光が強くなって一層まばゆい光を放った後に精霊樹は分体を残して消えるんだよ」

「そうなのか。レアガイアは見たことあるんだな」

「そりゃあ長い事生きているからねえ。今回は限界も近かったし、1つしか残らないだろうけど複数の分体を残す事もあるんだよ」

今回は魔力と生命力が足りなかったが、本来であればどちらも問題なく寿命が尽きて分体を残すんだもんなあ。

余力があれば数を増やせたようだが、今回は緊急事態だったし1つでも残せるのだからいいよね。

「へええ。じゃあ村に2つの精霊樹があることもあるのか?」

「ううん。分体が複数の場合は1つだけが残って空をぴゅーんって飛んで別の場所に精霊樹が立つんだよ。そこにエルフは移住して新たな村を作るのさ」

「ほぉー……って事は、ここ以外にも精霊樹はあってエルフも住んでるって事か」

「そういうこと。まあ、基本的にはかなり離れたところにあるし、ここ程大きくはないのが普通だけどねえ」

おおーという事は、この村以外にもエルフの村があるんだなあ。

もしかして、ウェンディが許さなかったら他の村から攻められたり……いや、無事に済んだのだから考えるのはやめておこう。

「お。いよいよかな?」

と、レアガイアが言うので精霊樹へと目を向ける。

すると、まさしく輝きを強め始め、精霊達も多くが集まっており歓喜するように空を飛び回っているようだ。

「うおお……凄……」

「本当に……これは凄いわね……」

周りからはわあああ! と歓喜の声が響く中でもエミリーの呟きが聞こえたのだが、この光景自体は俺とエミリーとウェンディ、そして一部の精霊が見えるエルフの方々しか見られない光景なんだよな。

普通であれば、精霊樹が光を放つ光景だけが目に映るのだろう。

だが精霊を見る事が出来る俺達は輝く精霊樹と空を嬉しそうに飛ぶ精霊達の色とりどりの光が見えるのだから、なんとなく特別感を感じてしまう。

そして今、この光景を瞳に焼き付けるように目を見開いていたのだが、精霊樹がひときわ輝いてその眩しさに思わず目を瞑ってしまった。

目を瞑っていても光り輝いているのがわかる程の眩しさで、手で覆いつつ決定的瞬間を逃さないようにしたいのだが、光が強すぎて見えやしない。

それでもなんとか頑張って見ようと思ったのだが、精霊? か何か小さな光が俺の方へと向かって来ており、それがまたなんとも眩しすぎて目を瞑ってしまった。

「痛っ……」

何かが手に思いきりぶつかったようなのだが、精霊か?

精霊が勢いよくぶつかってきたのだろうか?

大丈夫かなと心配していると、徐々に光が収まっていき、目をゆっくりと開いていくと精霊樹のあった場所に大きめの樹がぽつんと立っており、光は残滓を残して消えていった。

「あれが……新しい精霊樹?」

大きい樹ではあるけれど今までの大きさを考えると大分こじんまりとしているのだが……あ、まさかあのサイズで幼木なのか?

それだとしたら、確かに元々のサイズまで成長してもおかしくはないか。

エルフの方々も新しい精霊樹が無事に誕生した事に感動し、精霊樹に向かって祈りを捧げているようだし、この先あの幼木である精霊樹の成長を村全体で見守っていくのだろう。

結局、分体を生み出す瞬間は眩しくて見る事は出来なかったが、これでピンチは乗り越えられたという事で、めでたしめでたし――。

「ああああー!!!」

耳がキーン! となる程の大声で叫ぶレアガイア。

なに? なんなの?

何か問題でもあったの!?

「ちょ、どういうつもりだよ! それは私のだぞ!」

「へ?」

俺に向かって言ってる……? 何がお前のなんだ?

魔力球ならそばにあるだろう? あと、魔力球でも俺は盗らないぞ!?

「やられた……あー……そうか。そう言うことかあ……」

「えっと、レアガイア?」

「君、左手を見た方がいいよ」

「へ?」

左手……?

えっと……さっき何かがぶつかった方だよ……なっ!?

「なにこれ!?」

何時の間にか左の手のひらに収まっていたのは小さな……木?

木刀のような長さと形で、随分と硬そうな木製の武器のようになっている木が俺の手の中に……あれ? 離れないんだけどぉ……なにこれ!?

「……それは精霊樹の分体だよ。どうやら、君に懐いたらしい」

「……へ?」

精霊樹の……分体?

この小さな木が……?

ちょ、え、あの……エルフの方々も驚愕の眼差しでこちらを見つめたまま動かないんですけど、ど、どういうことなんですかねえ!?

レアガイア! 説明! はよう!