軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

Xmasチャレンジ3回目 5

あー……怖かった。

例えばアレがお嬢さんをください! っていうご挨拶の場なら、甘んじて受け入れなければいけない試練だという事はわかる。

でも今回は違った訳よ。

いや、次回はそうなのかと言われたらそういう訳もないのだけどさ。

双子がそっと寄ってきて、二人共俺の袖を取って珍しく大人しく上目遣いなのね。

そうしたら、その距離に応じてカラント侯爵の目尻がぐぐっと上がっていくのよ。

しかもカラント侯爵笑顔なの。

すんごい笑顔だけど、目尻だけ上がっていくのよ。

それがまた怖いのよ……。

とりあえず笑っておけの法則で、にこやかに微笑んでいたらグースお母様が諦めたのか助け船を出してくれて帰る事が出来たわけなんだけど……。

「どう思う?」

「知るかたわけが! なんだ貴様夜にいきなりやってきたと思えばそんな話を余にするために来たのか!? 余の限られた時間しかない妻達との癒しのおっぱいタイムを邪魔しおって覚悟は出来ているのだろうな!」

「まあまあ、落ち着けよガルシア。ほら、お土産のお菓子だ」

「菓子程度で絆される程子供ではないわ! ああもうさっさと早く帰れ!」

シッシッと追い払われてしまう。

随分な扱いだ……。

まあでも気持ちはわかる。

ガルシアにとっては一番大切な時間を邪魔されている訳だし、いわば俺がウェンディ達と聖なる夜を過ごそうかと思った時に真が家に来る……そんな感じなのだから不機嫌なのも頷けるというものだ。

「まあまあ、もう少し付き合ってくれよ……。お菓子以外のお土産もあるからさ。そっちは間違いなく喜んでくれるだろうしさ」

「ちっ……。カラント侯爵の双子という事は双星の美姫であろう? そんな者に惚れられるのであるなら、それくらいは当然ではないのか」

「あれ? ガルシアも知ってるのか」

不機嫌なのは変わらないが、どうやら付き合ってくれるらしい。

うんうん。割といいやつだよなこいつ。

「当然であろう……。王国の双星の美姫は有名だ。我が国にも嫁にもらい受けようとした貴族がいたが、結果はカラント侯爵に門前払いだ。まあ、年の差が20もあれば仕方ないとは思うが、それ以前に親ばかであったか」

「ほぉぉ……あいつらが随分とモテるんだねえ……」

確かに可愛いとは思う。

だが、騒がしいし落ち着きはなく、まだまだ子供といった感じだったんだがな……。

「あ、もしかしてお前、ラズの事狙ってるんじゃないだろうな? やめろよ? いくらおっぱいな上に将来性もあるからって俺の生徒だからな」

「狙っておらぬわ! 余にも節操はある!」

ええー……嘘だぁ……。

初めて会った時はウェンディとアイナをナンパしたくせに。

「……お主と出会い、妻達と接する時間を増やしたのだ。数が多ければ良いわけではない。余が愛し、余を愛する妻達を満足させられぬのに、他の女にかまけている暇など無いだろう」

「お、おお……」

「まあ? お主のようにとっかえひっかえ手あたり次第無遠慮に無作法に手を出そうとも何も言わぬがな? ……この後姉上の家にも行くのであろう?」

「あー……うん。一応……」

というか、転移のポイントはシシリアの家だし……。

先にシシリアに……とも思ったのだが、後からわかるとガルシアが五月蠅そうなので先にガルシアの元に来たのだ。

「なんだその反応は。止めはせんぞ……」

「え、意外だな」

「ああ、うむ。止めて良いのならばその首叩き落としてでも止めるがな。まあ、貴様がなかなか帝国に来ぬと姉上が寂しがって王国に出向いてしまうからな。息抜きにはちょうど良いだろう」

「あー……」

なんか、他の国のお偉いさんでも似た感じがあったな。

まあ流石にあれとは違うだろうけど。

あの子は今……お仕事をきっと頑張っていることだろうな。

「という訳だ。余は妻達を愛しに行く。貴様も姉上に会いに行け。無論! 手を出したら許さぬがなぁぁぁ!!」

「オーケーオーケー手は出さない」

「ふん……ではな」

「あーちょい待ち」

「なんだ……まだ何かあるのか?」

そんな嫌そうな顔するなっての。

すぐ終わるよ。

「言ったろ? 喜ぶものをプレゼントするってさ」

「なんだ。それは本当であったのか」

「おう。それじゃあ、ほい」

取り出したガラスの入れものをガルシアに向かって下から放る。

まあ、ガルシアが喜ぶと言ったらこれだろうな。

「投げるな! 貴様、ガラス製品を投げるなど……む

? なんだこれは。液体?」

「おう。アルティメットナイトの原液だ」

「なっ……!」

「そのまま一滴飲んでもいいし、水で薄めて複数回分けてもいいが……前者は試してみる価値はあると思う」

「き、貴様……何故こんなものを……! というか余にくれるだと……?」

「メリークリスマス!」

「意味が解らぬ!!!」

そりゃそうだ。

こっちの世界にクリスマスはないもんな。

「シロ発案でプレゼント渡して回ってるんだよ。今度シロにあったらお礼を言えよな」

「む……あのぺたんこな白猫か……。ああ、わかった。必ず言おう」

「素直……!」

「これだけのものを試せる機会に恵まれたのだ。当然である。余は頭を下げられる皇帝であるからな!」

るんるんと軽い足取りで去っていく皇帝ガルシア。

……今更なんだが、パジャマ派なんだな。

それに、俺初めて寝る時に海外ドラマで子供が寝る時に被っているような帽子をかぶっている人を見たな……。

……。

…………。

「んん……はぁ……」

「ぉぉぅ……」

「ぁむ……あむ、ん……」

「ふゎぁ……」

「ぴちゃ……ちゅ……ぅ……」

「ぉほぉぅ……」

耳が!!

息を吹きかけられ唇と唇で挟まれ、唇や舌で蹂躙されて体がびくびくする! びくんびくんしちゃう!

「んん……逃がさぬぞ……」

しかも!

何かを捕まえた夢なのか俺、捕まって逃げられない!!

あっ、あっ、首筋ちゅっちゅは……っ!

「んぅ……ちゅぅぅ……」

やばい、これ絶対首にキスマークついた。

後で絆創膏のようなものを張っておかないと不味い。

ウェンディ達に……尋問される……!

そのついでにきっと他の家で何をしたかなども尋問されてしまうだろう。

なんとか……なんとかこの拘束から逃げ出さないと色々と! 色々とまずいですよ!

シシリアの元へ伺ったらメイドさんが部屋に通してくれたんだけど、シシリア寝ていたんだよ。

あー……それじゃあ、枕元に置いてサンタらしく帰ろうかな? と思ったら、枕元にプレゼントを置いた瞬間に扉の鍵が締まる音がしたんだよ。

へ? と一瞬呆気に取られたと思ったら寝ているはずのシシリアの手が伸びてきてあっという間に組み伏せられたんだ。

不審者だと間違えられた!? それとも罠!? と混乱していたんだけど、どうやら寝相というか、寝てても危険回避していたというか……敵とはみなされなかったのか抱き着かれて……現状なのだ。

つまりこれ、今起きられたら俺が夜這いをかけたと間違いなく間違われる状況。

そうなると責任を取れだとか取るしかないというか、絶対にまずい!

まずいのだが!

「ん……あ……」

抱きしめられているせいで胸元に当たるおっぱいがとても柔らかい……。

見えない粘着性のある何かが付いているかのように、俺の胸板とシシリアのおっぱいが離れない。

シシリアや俺が多少動こうともそこだけは離れないのである。

しかも、シシリアは寝る時は薄着なんだよ……。

スケスケのネグリジェのような服なんだよ。

肌が薄らと見えてるの。

この薄い布の下は素肌だって一瞬でわかるの。

寒くないのかな? と、思う前にエッロエロですよ。

下は履いているのに上は……な、状況な訳です。

擦れるたびに小さく「ぁ……」と、声が漏れるのが普段の凛々しさを知っていると可愛らしくてドキドキが止まらないのっ!

顔も近いし、当然整っているし、寝ている無防備で無垢な寝顔と、ぷるんとした唇なんて、何度重ねてしまおうかと衝動にかられたことか!

何度はっとして頭を振ろうとしたら谷間に押さえつけられた事かと!

普通こんなになったら起きるんじゃ? と思ったのだが、何故か安心したように落ち着いた寝息をたてて寝ているし!

そのくせ力が強いから抜け出しにくいったらありゃしない!

仕方ない、ここは一歩一歩堅実にゆっくりとだ。

ゆっくりと指を一本一本外していき、そろりそろりと下からくぐっていく。

おっぱいの前を通る際に、思わず生唾を飲み込んでしまうが、意識の無い相手に何を考えているんだと、その後の事や帰ったらの事を考えてなんとか這いずるようにしてシシリアから離れると、何時から息を止めていたのか覚えていないが深い安堵の息を吐いた……。

さて、それじゃあ帰るか……と思ったのだが……。

「んんん……」

と、悪い夢でも見ているかのように表情がわずかに歪み、寂しそうな声を上げるシシリアに気づいてしまった。

気付いてしまった以上はとシシリアの手を握ると、安心したように寝息が整うのでなかなか帰りづらかった……。

結局、上着であるサンタ服を脱いでシシリアの上にかけると安心した寝顔を見せてくれたので上着を置いて帰る事に。

まあ……いきなりあんな赤い服があると怪しいと思うが、メイドさんには来たことは伝わっているし大丈夫だろう。

……上着を脱いで帰る事に意味はないので、興味津々な顔で送らないでくださいね。

「はぁぁぁ……疲れた……」

「ん。おかえり」

「おー……皆も終わったんだな……」

アイリス、アヤメさん、隼人達など王都に固まっている相手は、一緒に転移で飛んで配り、アインズヘイル内が一番多いので手分けしたのだが、皆の方が早く終わっていたようだ。

……まあ、俺は色々と時間食ったしな……。

「皆喜んでいたな。サプライズという奴か」

「冒険者ギルドも凄かったわよ」

「そうね……なんで私からの手渡しで列が出来たのかしら……」

「あーあれね……。今日は隊の連中も一部いなかったし、明日は、争いが起きそうね。行くのやめようかしら」

「アイリス様も隼人さん達も皆喜んでいらしましたよ」

「ご主人コレンはどうだったっすか? 元気してたっすか?」

「あー……元気になったと思う」

「そっすか! ……なった?」

「で、シロは満足か?」

「ん。大満足。シロの幸せお裾分け計画、完了」

「お裾分けね……まあ、悪くない気分だけどな」

幸せを感じると、誰かに優しくしたくなるもんだ。

シロはそれでふと幸せを感じ、今まで出会った友人知人にもお裾分けとして会いに行こうと提示したのだ。

今年はパーティーをやる気もなかったし、イベントごともなかったからな……。

人を集めるにも呼びにくい立場の相手もいるし、こういうのでもなきゃ会う事も難しいし、シロの言う通り相手は喜んでくれたし悪くない……どころか、いい気分になった。

疲れたけど……。

「それじゃあ、今度は俺達で労いあうか」

「ん。じゃあまずシロ――」

「はいはいはーい! まずは私です! 私だけお願いを聞いてもらっていませんし、こたつでいちゃいちゃしていませんからね! 私が一番です!」

片手を真っすぐぴんと上げて、小さくジャンプしておっぱいをゆらすウェンディさん。

「……ウェンディ、空気を読むべき」

「お断りします! という訳で……皆で、お風呂に入りましょうか」

「ん。それなら賛成」

「そうだな……外は寒かったし、入るか」

という訳で、この後何をするにも全員でお風呂に入る事に。

勿論、広い露天のある温泉の方だ。

あっちもきっと雪が積もって雪見風呂が出来る事だろう。

ああ……いいな。

寒い日は温泉だよな……今日はまったり――。

「主? 首筋赤くなってる」

「どれですか? これは……」

「これって……」

「あれっすよね?」

「ふむ……ミゼラわかるか?」

「流石にわかるわよ……」

まったり……は、難しいようです。

我慢したんだよ! と、力説しようと思います。

きっと、きっと信じてくれると信じています……それでは。