軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

10-12 アインズヘイルで休息を 戦闘神アトロス

真っ白な世界。

一度来た覚えのある、現世ではないはずの世界。

そう。ここはレイディアナ様のいる……レイディアナ様の……あれ?

レイディアナ様のおっぱいが……ない?

「んん? おー。まじで来た。すげえなおい。人の身だろ? ここ一応神の世界だぜ? まあいい。ちょっとこっち来いよ。コタツ入ってけ」

コタツに入り、にやにやと笑いながら円形の煎餅を齧り割るエルフの女性。

まごう事無く美人で高身長のモデルみたいな金髪碧眼のエルフだ。

耳も尖っている。

そして……ちっぱいだ。

「ああ? 失礼な目をしてるなあおい。どこ見てる? ん? なあ、どこ見てんだおい」

胸がぺったんこ……ちっぱいとすら言っていいのだろうか。

いや、かろうじて怪しい気配を放ってはいるものの膨らみは若干ながらある気がする。

おそらく、これはちっぱいだ。

ちっぱいでいいはずだ。

「よし。やめねえとはいい度胸だ。ちょっとこっち来い。首をはねてやる」

楽しそうに青筋を立てて手招きするエルフのお姉さん。

ああ、なるほど。この人がアトロス様か。

神の世界にいるちっぱいのエルフなのだから、間違いなくアトロス様だろう。

「アトロスー? お茶とお菓子を持って来……ま……へ? あれ? あれあれ? なんで、どうしてここに?」

おっぱいが来た。

違う。レイディアナ様が来た。

レイディアナ様が円形のお盆に茶菓子とお茶を持ってご機嫌な様子で現れた。

「レイディアナ。マジで来んだな。前にお前の話を聞いた時、ついに欲求と妄想が爆発して幻覚でも見たのかと思ってたぜ」

「なっ、信じてなかったのですか!? あの時はしっかりと頷いてくれたじゃないですか!」

「いや、適当に受け流してただけだっての。当たり前だろ? 人の身で下界から自力でここに来るなんて、妄言としか思えないだろ」

「それはそうですが……。でも、これで事実だと証明できましたね! ……ではなくっ! なぜここにっ!?」

「女神が取り乱すなよ。まあいいじゃねえか。とりあえずこっち来てコタツ入れって。な?」

「そうですね……? そうですかね……? いいんでしょうか……? あ、湯のみとお菓子も用意しないと……」

親戚の家に行った際にお構いなくと言っても何かと面倒を見てくれるお母さんのように 忙(せわ) しなく動きだすレイディアナ様。

それとは対照的になにもせず、コタツ布団を持ち上げて手招きをするアトロス様。

……ん? 俺? 俺アトロス様の横に座るの?

長方形のこたつだから入れるところは4つあって、そのうち2つ空くはずなのにそこなの?

確かに広い方なんだけど……ま、まあわざわざ持ち上げているってことはそうなのだろう。

行かなかったら首を刎ねられそうだし、おとなしく従っておこう……。

「よしよし。よく来たな。よく来たから首は勘弁してやろう」

「おぉ……あ、ありがとうございます……」

やはりこだわっていたのか……。

いや、女性の身体的な特徴に対しての執着は、身内でよくわかってるしな。

ウェンディのお腹といい、ソルテのちっぱいやレンゲのぱいでよーくわかっている。

「……」

「えっと、何か……?」

「ん、いや別に。んだよ。緊張してんのか? まあ、この絶世の美女である私と、いい体したレイディアナを前にしたら当然だよな」

なにやら意味深な瞳を向けられた後にバンバンと背中を叩かれるのだが、過剰な言い回しでもなく死んでしまいそうなほどに痛い!

「ぐっ、ぶぁ……ちょ、痛い! 痛いですって!」

「ん? 悪い悪い。ひ弱だなおい。よしよし。ごめんな? お詫びにいいもん見せてやる。見ろよあのレイディアナの尻……。たまらねえだろう? んん?」

「確かにいい尻ですね……。でも、ちょっと遠いです」

「視力も悪いなあおい」

これでも両目とも1.0はあるはずなんだがな……。

……最近測っていないけど。

っていうか、この場所でレイディアナ様のお尻を見ることのどこがお詫びなのだろうか。

別にお詫びでなくとも見るんだけど……。

「仕方ねえな。ほら、『 視覚共有(シンクロアイズ) 』してやるよ。よく見えるだろ?」

「おおおっ!」

『視覚共有』ってなんだと思っていたら、俺の視力が一気に上がったのか離れて作業をしているレイディアナ様の尻がくっきりばっちり見えるようになった。

むっちりとしていて丸みがエロイ美しいお尻だ。

動くたびに極めて小さくだが揺れるのがまた素晴らしい……。

「へへっどうよ?」

「素晴らしいですね!」

「だろ? あいつの体は極上だ。よし。もっといいものを見せてやろう」

「もっと……っ!」

なんだろう。

アトロス様が言うもっとがとても気になる。

そして、アトロス様のノリがとても俺にあっている気がする。

これはまさか信奉を増やす必要があるかもしれない。

「いい目だな……。子供みてえな純粋な瞳だ。好きだぜ? そういう素直な瞳はよ。じゃあ行くぞ? 『 全てを見通す祖の神眼(シースルーアイ) 』」

「お……おお?」

なんだこれ、レイディアナ様の服がだんだん薄らと……ッ!

「はっはっは! すげえだろう?」

「これは、こいつはっ!」

なんてスキルだ。

なんて羨ましいスキルだ!!

レイディアナ様が、レイディアナ様が下着姿で作業を行っていらっしゃる!

つまり、つまりこのスキルは『透視』だ!!

っていうか、レイディアナ様下着派手!

「エッロいだろー? あいつ、真面目そうに見えて目に見えない部分はエッロエロなんだよ。Tバックとかも普通に穿くからな。っていうか、Tバックなんざ朝飯前のレベルだぜ?」

「ま……まじすか?」

「おう……。あいつの下着コレクションはレベルが5段階ある。今日のはレベル1だな。そして、Tバックはレベル2だ」

なん……だと……っ?

い、今だって普通の下着よりもレベルの高い紐だぞ?

薄らと透け感すらあるのにレベル1……?

Tバックでも……レベル2だと?

更に上に3段階もあるのか……?

それは、それはいったいどんな下着なんだ!

それは一体下着なんだろうか!?

「はっはっは。どうよ。いいスキルだろう? 羨ましいか?」

「羨まじいでず!!」

「泣くほどかよ。いい反応だ。はっはっは!」

なぜこのスキルがユニークスキルになかったのだろう……。

あればもしかしたらお小遣いではなく、こちらを選んでいたかもしれない。

いや、お小遣いが駄目な訳じゃない。

何度となくお世話になっているお小遣いが駄目な訳がない。

駄目な訳じゃないが……透視能力なんて、男の憧れの能力の一つであることは間違いないだろう……。

ああ……でも今、選べるとしたら俺はどちらを選ぶだろうか。

……人生ってやつは、どちらを選んでも後悔を生む選択を迫られるんだな。

俺ぁ、レイディアナ様の下着姿を見て、強くそう思っちまったよ。

……だが今は、今はただアトロス様に感謝をしよう……。

ありがとうアトロス様!

「これ以上も出来るけどな……全裸は有料だぜ? まあ、下着姿でも十分だろ?」

「なっ! 全裸も見ようと思えばできるんですか!?」

「当然だ……。全てを見通す祖の神眼だぜ? この瞳には、隠し事なんざ出来ねえのさ」

「す、凄い……」

っていうか、有料ってお金で解決できる問題ならだしますよ?

おいくら万ノールですか?

ん? いやでも神の世界でお金をもらっても使い道はあるのだろうか?

「はっはっは! っとと、煎餅がこぼれちまった」

アトロス様が食べていた煎餅を噛み砕き、その破片が胸元へと入っていったよう……だ。

あー……これはこれは……。

……えっと、その……なんだ。

視覚共有してしまっている訳で……アトロス様が視線を変えて自分の胸元を見た……と。

そして、現在は『全てを見通す祖の神眼』という透視能力も加わっているので……アトロス様のブラをしていないお胸もばっちり見えてしまっている。

……というか、ブラの代わりにヌーブラのようなものが2枚重なっている。

重なっ……2枚……。2枚も重ねてそれなのか……。

俺は、俺は思わず瞼を下ろして目を瞑った。

見ないであげようと……。

だが、俺の気遣いとは関係なく見えてしまう。

というか、頭の中に入ってくるので否応なく見えてしまう。

「んー? あっ、てめえ見やがったな! 首刎ねるぞ!」

「見てないです……見ないようにしたけど頭の中に入ってくるんです……。首は刎ねないでください……」

「はっ! 私のちっぱいは見る価値もねえってか? んん?」

「どっちですか……。見てもいいならじっくりばっちり見ますけど……」

「見んのかよ……!? お前、本当好き者だよな……。胸はおっぱいのほうが絶対いいだろ。揉みがいもあるし」

「ちっぱいはちっぱいでいいものです……。好みはあれど、どちらが上という訳ではないと思います……」

「……本当、お前ってやつは……」

「ん? どうしたんですか? お茶お持ちしましたよ? それで、どうしてアトロスの隣に……?」

「えーっと、その……成り行きで?」

さっきまで下着姿を見ていたのでなんか気恥ずかしい!

直視すると申し訳なさが! っていうか、さっきまでの下着姿が頭に浮かんでしまう!

「? お顔が少し赤いようですが、何をなさっていたのですか?」

「いやあ……ちょっと遊んでただけだよ。なあ?」

「……うす」

正直になんて絶対言えない!

ア、アトロス様も隠してくれるようだし、ここはそのノリに乗っておこう。

首を傾げて不思議そうな眼差しを向ける仕草も美しいレイディアナ様。

こればっかりは、懺悔室でも懺悔できないよな……。