軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

1-1 異世界生活 スキルの選択

俺はふと考えた。

どうして最近巷では異世界転生・転移系の話が増えてきているのか自分なりの考察を聞いて欲しい。

まず第一にチート能力のせいだと思う。

主人公にチート能力を持たせれば何でもできるからな。

今のご時勢平凡なレベル1の異世界産勇者が徐々に強くなっていくストーリーを書いても、ドラ〇エやF〇などの偉大なRPGや、ジャ〇プなどの少年誌やライトノベルで書きつくされているから、比べられてしまう事だろう。

その点主人公にチート能力を持たせればあら不思議、あっという間にモテモテ無敵最強不敵な主人公のできあがりだ。

次になぜ無双系が多いかだ。

これは簡単だ。

作者の好みである。

自己投影しているのかそれとも無双主人公が好きなのかは定かではないが、書いていて楽しいというのもあると思う。

特に素人が投稿できるサイトなどで顕著に多い異世界転生は作者が書くモチベーションを維持するのに誰にも邪魔されずに書き続けられるので好まれているように思える。

最後にハーレムだ。

よくぱっとしないなんでこんな男がもてるのかというラノベやギャルゲがあるが、強い=モテるという簡単にして分かりやすい定義がなりたつのでチート無双系にはほぼハーレムが付きまとう。

少年誌でいうエロ系のテコ入れがあるように男の子はエロが大好きだからというのもあるだろう。

ちなみにだが別に俺はチートハーレム無双異世界転生系を否定したいわけではない。

勿論どの作品にもアンチはいるし、特にこの系統はアンチが多いと思う。

それでも評価されており、書籍化やアニメ化などに乗り出しているので支持している層もたくさんいるのだろう。

もう一度言うがこれはあくまで自分の考察であって、特に専門的な講釈を垂れているわけではない。

だが一つ問いたい。

どうして異世界に転生・転移し、チート能力を貰ったからといって戦闘に自ら参加しなければならないのか。

はっきり言おう。俺は異世界に行けたとしても戦闘など真っ平ごめんだと。

自分の背丈ほどもある虫と戦うことを想像できるだろうか?

俺はチート能力があったとしても正直ごめんこうむりたい。

怖い、キモイ、気色悪い。

どう考えても体が縮こまり、もし倒せたとしても体液が体にかかれば一生モノのトラウマ確定である。

内臓系はどうか?

獣系や人型の魔物を切り裂いたら長~~い大腸なんかが出てくるんだ。

肉屋の倅でもない限り、生物から出たばかりの生々しい内臓など見たこともなければ見たくも無いだろう。

SAN値がガグガグと下がっていくと思う。

更に極めつきはゾンビやスケルトンなどのアンデッド系だ。

いやさ、怖すぎるでしょ。

死んでるんだぜ。

肉は腐ってただれ落ちて、目は落ちかけてたり、骨が丸見え。筋肉は無いはずなのに歩いてくる。

恐怖心を押し殺しても集団で四方八方から襲われれば待っているのは死しか想像できない。

決して俺が怖がりってわけじゃないと思う。

強がりじゃなくて誰だって今あげた例だけを見ても無理だと思う。

転生系には10代や20代の若者が多いと思うけど、尚更無理だろう。

「あの、本当にこれでいいんですか?」

「おう! 勿論だ!」

だから俺は決めていた。

もし、仮に、万が一にでも俺が転生系に巻き込まれるなんて夢のような話があったら。

「で、では 忍宮一樹(シノミヤイツキ) さんにユニークスキルを授けます。……あの、気をつけてくださいね」

「大丈夫何も問題ないよ」

俺は絶対に冒険者になんてならず、異世界スローライフを実現してみせる!

『ユニークスキル・〇〇づかいを獲得しました』

『空間魔法Lv1を獲得しました』

『錬金Lv1を獲得しました』

『農業Lv1を獲得しました』

『料理Lv1を獲得しました』

『鑑定Lv1を獲得しました』

『残っているエクストラポイントは0になります』

空間魔法はよくある便利な魔法の袋代わりだ。

それにこの手の魔法は基本的にチート性能を持っている場合が多い。

流石にスローライフとはいえチートの一つくらい持っていたい。

だが戦闘系のチートだと使いたくなる衝動を抑えられなくなりそうなので、あくまでサポート系でのチート性能を求めた結果だ。

これから行く世界には魔法の袋や魔法の鞄はあるそうなのだが、ダンジョンの秘宝であったり王様から下賜されたりと入手難度が高く、多分俺は手に入れられない。だが、重い荷物を背負いたくないのである。

さらに空間魔法はレベルが上がれば『転移』が使えるかもしれない。

これはネット小説知識だが『転移』は空間魔法に含まれていることが多いのだ。

もし、仮に『転移』を手に入れれば一生涯を魔物と遭遇せずに多種多様な刺激を求めて色々な街や国を行き来することが出来ると考えたものだ。

もし仮に強敵と遭遇しても瞬時に逃げ出せるというのもでかい。

錬金、農業、料理、鑑定は今まで読んだ異世界物語の中で役に立ちそうなものを選んでみた。

まあ異世界スローライフを行く俺の単なる暇つぶし兼、小金稼ぎ用である。

「で、ではこれより最初の街へお送りします。くれぐれもお気をつけて」

「はいはい。わかってるって」

俺の目標は決まっている。

片田舎に大き目の家と土地を買い、そこに従業員を住まわせ農業を中心とした生産性のある仕事を任せる。

最終的には従業員による自給自足を果たした後、毎日色々な街に転移して各街の名産品を食い、様々な女を抱き、ある種酒池肉林のごとくこの異世界を堪能すること。

何もせず、ただ遊び呆けながら老衰するまで面白おかしく生きることを胸に誓い、俺は異世界への第一歩を踏み出したのだった。