軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

白神祭昼①

展示エリアから外に出て、カミリアさんとロズミエルさんとはここで別れることになった。

元々ロズミエルさんが神域の花を見たいと言って誘ったのが切っ掛けだったらしく、メインの目的は達したので……まぁ、傍目に見てもわかるほど人が多いのが苦手なロズミエルさんはこれ以上白神祭に居る理由が無い。

カミリアさんもロズミエルさんの付き添いできた部分が大きいので、ロズミエルさんと一緒に帰るらしい。

ロズミエルさんは俺に何度もお礼を言って、また後日俺の家に遊びに来るという約束をして去っていった。永久の花のお礼に観賞用の花をいくつか持ってきてくれるとのことなので、楽しみである。

「……さて、スカイさん。次はどこに行くんでしょうか?」

「あちこち動き回って、そろそろお腹が空いてきたころではないかと思いますので、食事などはいかがでしょうか?」

「あっ、いいですね。たしかに少しお腹が空いてきましたね」

たしかに下層で少し出店で食べたので、そこまで強烈な空腹というわけではないが、昼時ではあるし食事のタイミングとしては丁度いいかもしれない。

いちおう、他の皆にも確認したが、皆昼食を食べに行くというのに異論はないようだ。そして場所に関しても、スカイさんにお任せである。

ここまでの案内でスカイさんの有能っぷりは十分伝わってきてるし、安心して任せられる。

「スカイさん! 昼食はやっぱり、神界独自の料理とかなんですか?」

「そうですと言いたいところなのですが、神族は食事をしないものが多いので神界独自の料理といったものは無いんですよ。ただ、これから行くレストランに関しては、神界で作った食材のみを使った料理を食べることができます」

「へぇ、どんな感じなんでしょうね。楽しみです」

「最高神様を始めとして、多くの神族が人族や魔族の食文化に合わせて企画した店なので、大丈夫だとは思いますが……私も礼によって食事はしないので、皆様のお口に会うかどうか、少し不安だったりもします」

「スカイさんが選んだんなら、きっと大丈夫だと思います!」

「ふふふ、ありがとうございます」

陽菜ちゃんは本当に短時間でスカイさんにかなり懐いたみたいで、楽しげに会話している姿はとても微笑ましい。

性格的な相性なのだろうか? スカイさんと話している時の陽菜ちゃんは、なんだか優しい姉に甘えている妹みたいな感じがある。

「楽しみですけど、六王祭での豚足みたいに少し変わった料理が出ることもあるので、ちょっとドキドキしますね」

「あ~葵ちゃんの気持ちは俺もわかるなぁ。さすがに、六日目のベビーカステラ料理みたいな、完全悪ふざけの産物みたいな料理ではないと思うけど……」

「え? 快人さん、あの店に入ったんですか? 私たちも見かけましたけど、あんまりにあんまりだったので……」

歩きながら近くにいた葵ちゃんと言葉を交わす。六王祭での豚足もたしかに驚きはしたが、個人的にはベビーカステラ料理のインパクトが強すぎて、少し忘れていた。

あれはもう、正直いって……酷かったし、葵ちゃんの言う通り見えている地雷だと思う。ただ、残念ながらあの場面に至って、あの店を避ける方法はなかった。

「……俺は、クロと一緒だったから」

「あぁ、なるほど……けど、クロム様のあのベビーカステラへの熱意は一体どこから来るんでしょうね?」

「それは俺も知りたい。まぁ、普通に好きなだけっぽいけど……」

クロは本当に、普段は頼り甲斐や包容力もあって、幼い見た目とは裏腹にしっかりした雰囲気がある。気配りも上手いし、相手の気持ちを察するのも得意だ。

ただ、なぜかベビーカステラが関わると、とたんにIQが激烈に低くなるというか、傍目には悪ふざけとしか思えないようなことをノリノリで行うようになる。

「そういえば、話は変わるけど……実際に冒険者として活動して見て、どう?」

「楽しいですよ。最初にハプティさんにいろいろ教えてもらえたおかげで、あまり苦戦することなくいけてますし……やっぱり冒険者ギルドって組織自体が凄くよくできてますね。順当にステップアップしながら依頼をこなしていけるように、いろいろ考えられてる感じがします」

「ゲームや漫画の知識だと、荒くれ者が多いみたいなイメージがあったけど、かなり綺麗だったし管理とかもしっかりしてたね」

「ええ、それに保障とかも多いですし、申請すれば必要な知識を学べる制度とかもしっかり整えられてましたね」

「そっか、けど、楽しんでやれてるならよかったよ。それでも、あんまり無理はしないようにね」

「はい。また機会があれば、快人さんも一緒に行きましょう。魔物討伐とかじゃなくて、散策を兼ねた調査依頼とかで」

「そうだね、機会があればぜひ」

そのまま葵ちゃんから、いままで受けた依頼の話などを聞きつつ楽しく会話しながら足を進めた。