軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

493.1とF

「確認するか。アリス、それとマーガレットに協力してもらおう。アリスはレベル、マーガレットは能力をチェックするのにむいてる」

俺はむいている仲間達の事を思い浮かべながら、テストのための組み合わせを脳内で組み上げていく。

さくらとの推測が正しかったらアリスとマーガレットを加えたテストに切り分ける事ができるはずだ、出来なくても推測が間違ってたって事で、次の推測をするだけの事。

ならば一旦戻って、アリス、そしてマーガレットを探してくるか。

「おじさんってさ」

「ん?」

「クリアするまで攻略サイト見ないタイプ?」

「なんでわかった」

「だって、ここは普通にあのフィギュアおじさんが管理してるダンジョンでしょ。聞けばわかるのに自分で調べようとしてるんだもん」

「フィギュアおじさんて」

ちょっとクスッときた。

「まあ、その通りだ。でも、無意味なこだわりって訳でもないぞ?」

「どういうこと?」

「この世界の冒険者は周回前提、最適化前提でダンジョンを回ってる。みんなの消費を支える生産者だからな、とにかくみんな無心に生産してる。余計な事はほとんどしないんだ」

「みんな流れ作業ってこと?」

「そう、みんなほぼほぼ最適解で動いてるから、話をきくとものすごく先入観の入ったアドバイスをされるんだ」

「そっか、それじゃ聞かない方がいいよね」

「普通に仕事する分には聞いた方がいいけどね。なんてったって数千数万人というレベルで最適化してるんだから」

「なるほど」

世間話気味で、さくらにもうすこしこっちの世界の事を説明する。

俺自身先入観がはいった意見をなるべく避けてる事もあって、できるだけ客観的に、事実だけを羅列で伝える事にした。

俺はこういうスタイルになった。

それはいくつかの大きなイベントがあって、何かがおきると頼られるという立場になったから、こうするようになった。

さくらは俺とはまったく違う冒険者になるかもしれない。

同じかもしれないし、違うかもしれない。

ステータスはパワーレベリングを続ける、ベースになる能力はあって損はない。

それ以外のことでは、なるべく口は出さない。

リョータファミリーも、最初、俺とエミリーが一緒に暮らし始めた時は一緒にダンジョンに行ってたけど、互いの能力があがって、装備も整ってきた段階でそれぞれ一番得意なスタイルでソロになった。

さくらじゃないが、せっかくの異世界。

彼女にも自分がいいと思うような異世界生活を送って欲しい。

カリホルニウムダンジョンの表、街の中。

待ち合わせしたマーガレットが到着して、俺とさくら、アリス、そしてマーガレットの四人がそろった。

「わるいな、いきなり呼び出したりして。そっちの仕事は大丈夫なのか?」

「大丈夫ですわ」

「ありがとう」

「で、どうするのおじさん」

「一緒にダンジョンに入ればいいの?」

さくら、そしてアリス。

女性達は俺を見つめて、指示をまった。

「簡単に説明すると、このダンジョンのモンスターのターゲットがすこし特殊かもしれない。レベルでねらってるのか、能力で狙ってるのか。そのどっちなのかを確認したいから、二人一組で入ってもらう」

「わかりましたわ。でしたら、みんなは連れて行かない方がいいですわね」

「みんな?」

さくらが小首を傾げる。

「ええ。ラト、ソシャ、プレイ、ビルダー」

マーガレットが呼ぶと、四人の忍者騎士が音もなく彼女の背後に出現した。

「わっ! なに今の! どっから現われたの?」

「みなさん、ずっとわたくしのそばにいましたわよ?」

「すっごいね! 姫様とそれに影のように付き従う騎士。薄い本が厚くなるね!」

「厚くするなするな。それむきの題材じゃないだろ」

「そんなことないよ。洗脳か薬でニャンニャン状態になった姫様を助けるために、心で血涙をながしながらニャンニャンに応じる忠実な僕達とか最高――」

「オーケーそこまでだ。本人の前はさすがに失礼だ」

「おっと、そだね。ごめんね」

「え、ええ。かまいませんわ」

内容を理解していないマーガレットは戸惑いながらも微笑んでみせた。

四人の騎士はどうやらバッチリ理解しているようで、さくらに氷よりも冷たい視線を向けている。

話を逸らそう。

「それじゃ順番は……まずアリスとマーガレット。ここでレベルをみよう。その次にマーガレットとさくら。超高レベルコンビだ。その後に俺とアリス、超低レベルコンビ。この順番でひとまず試してみよう」

俺の提案に、三人は頷いて了承した。

こうして一通りテストと分析をして、更に追加で仲間達を召喚して条件を増やして試してみた結果、二つの事がわかった。

一つは、カリホルニウムのモンスターは弱いと思われる相手を集中的に狙う。

そしてもう一つ。

レベル1か、Fファイナル(戦闘・ドロップ問わず)。

どっちかがいないと、そもそもダンジョンに入れないということだった。