軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

281.レア量産

屋敷の地下室。

次のテストのために、一人でここに来た。

特殊弾。

ドラゴンゾンビ、器用の種で孵ったハグレモノはどんな特殊弾をドロップするのかを知りたかった。

種から特殊弾がドロップするのは間違いない。

今までの法則で考えたら99.99%そうなる。

後はどんな特殊弾になるかだけの話だ。

ニホニウム地下九階で、ポーチを使って集めておいた器用の種を地下室の隅っこにおいて、距離を取って孵るのを待つ。

ちなみに最近、リヴァイヴを使えるレイアと別行動している。

レイアの方から言い出したことだ。

何か理由があって、彼女は今、毎日のようにセレンの所に通っている。

精霊付き、レイア・セレン。それが精霊セレンのところに通ってる。

レイアが何の理由もなくそれを言い出すとは思えないから、彼女の好きにさせた。

そのため、今、俺は昔のように時間経過によるハグレモノ待ちをしている。

通常通りの時間で、器用の種からドラゴンゾンビのハグレモノが孵った。

「リペティション」

ダンジョン周回は出来るだけ横着しないで倒し方を探してテストするが、屋敷の地下室は一番安全なリペティションで倒すようにしてる。

この上には仲間達が暮らしている、下手な事は出来ない。

常に最速最安全のリペティションで倒してる。

ドラゴンゾンビのハグレモノがリペティションに倒されて、新しい銃弾がドロップされた。

近づき、拾い上げ、マジマジと観察してみる。

外見は今までの銃弾とはっきり違っているが、その見た目から効果は推測出来ない事を知っている。

撃ってみるまで分からない、のがモンスターからドロップした弾丸だ。

その特殊弾を銃に込める。

テスト用の相手に、あらかじめ用意してきたもやしを孵す場所にばらまく。

距離を取って、ハグレモノ待ち。

もやしがスライムに孵った瞬間、新しい弾丸で狙いをつけ、しっかりど真ん中を撃ち抜いた。

撃ち抜かれたスライムははじけ飛び、ポン、と通常弾をドロップした。

「ん? ……普段の倍、ってことか?」

地面におちている通常弾は二発、普段の倍だ。

念の為もう一度もやしでスライムを孵らせて、今度は成長弾で撃ち抜く。

ドロップした通常弾は一発だけだった。

結果がはっきりと出ている、そもそも今まで通常弾が二発ドロップした事はなかった。

ドラゴンゾンビのそれは、ドロップが倍になる特殊弾か?

加速弾や回復弾と違って、敵に撃って効果が出るタイプなのは分かった。

より詳しく検証しようと、残った種を全部、リペティションで特殊弾に変えた。

今度は転送部屋を使ってダンジョンに行った。

テルル地下一階、ほぼ俺のホームグラウンド。

大勢の冒険者達にまじって、新しい特殊弾で体当たりしてくるスライムを撃ち抜く。

もやしがドロップした、普段の倍だ。

「すげえ、何今の?」

「スライムってこんなにドロップするのか?」

「いやあ、リョータさんってやっぱりすげえな」

その現場を目撃した周りの冒険者が声を揃えて驚嘆する。

ドロップSで大量にドロップする、その更に倍のドロップだ。

この階層にいる平均的なドロップCに比べて、一回当たりざっと10倍のドロップになる。

冒険者達が驚嘆するのも無理からぬ事だ。

ここで試したい事が終わった。

転送してきたゲートでいったん屋敷に戻って、そこから行ったことのあるいろんなダンジョンに行ってみた。

新しい特殊弾でモンスターを倒す。

野菜も、肉も、鉱物も。

ありとあらゆるドロップが2倍になった。

ちなみにエミリーのおかげで常時月殖――ドロップ倍になってるアルセニックは四倍になった。

ドロップが倍になる弾丸、どうやらそれで間違いないようだ。

ちなみに火力そのものは弱い。通常弾とどっこいどっこいだ。

ほかで削って、トドメに使ってドロップを倍にする。

うーん、強い事は強いけど、微妙なんじゃないか?

なんて、思っていると。

牛乳も倍でドロップしたプルンブムダンジョンの中、空気がいきなり変わる。

ダンジョンマスターのいる空気に――。

「――ッ!」

とっさに横っ飛びした、それまで立っていた所に銃弾が撃ち込まれた。

間髪いれずに、殺気が更に俺に迫る。

躱しつつ相手を視認した。

ダンジョンマスター・リョー様。

相変わらず、このダンジョンは他のダンジョンに比べてダンジョンマスターの出現率が高い。

数日に一回は出てる、ほかの十倍以上の頻度だ。

そんな少女マンガ風イケメン(モデル俺)の猛撃をよけて、反射的に銃口を向けてトリガーを引く。

「いけね」

すぐに失敗に気づいた。

銃に込められているのは新しい特殊弾。

ドロップが倍増するが、威力は通常弾とどっこいどっこいなヤツ。

ダンジョンマスター・リョー様を倒すにははっきりと力不足な弾だ。

案の定、銃弾は命中したが、たいしたダメージにはならなかった。

リョー様はピンピンして、次の攻撃のための体勢に入ってる。

もったいないな――って思っていると。

「えっ? ドロップした!?」

驚く俺。びっくりしすぎて声に出してしまった。

それもそのはず。

銃弾が当った瞬間、リョー様は生き残っているのにもかかわらず、例の錆びた鍵がドロップしたのだ。

「……もしや」

脳みそが高速で回転して、ある可能性に辿り着いた。

残った新しい特殊弾を全部込めて、リョー様を撃った。

残り四発、連射した結果全弾命中した、そして。

鍵が四本ドロップした。

リョー様はたいしたダメージはなく、俺に攻撃をしかけ続けてくる。

それをいなしながら、鍵を拾う。

「ドロップ倍じゃなくて? 強制ドロップか……『盗み』みたいな効果だった?」

もしそうなら。

出現自体レアなモンスターからも、アイテムを量産出来るとんでもなく強力なものになるぞ。