軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第14話

夜になったところで、すべての家とベッド程度の家具をそろえることができた。

「まさか……こんな一瞬で生活が改善するとは思わなかったな」

「オレたち、戦うことしかできねぇからな! クレストがいてくれたおかげで隙間風に震えることのない家ができるとは思わなかったぜ!」

村中央に集まったワーウルフたちが嬉しそうな声で話していた。

みんな満足してくれているようで良かったな。

俺は村中央に置かれた巨大なたき火を見ながらそんなことを考えていると、ワーウルフキングとゴブリンクイーンがやってきた。

これで、主役は全員揃ったな。

「これより、ワーウルフ種と」

「ゴブリン種による同盟の宴を開こうと思います」

ワーウルフキングとゴブリンクイーンが大きく宣言すると、皆が一斉に盛り上がった。

……よしよし、順調に二人に権力が集まりつつあるな。

「それでは、挨拶はクレスト。お願いしたい」

俺か。まあ、今回の同盟に関しては俺が提案した部分も強いからな。

仕方ない。

「……まず、ここに集まってもらった理由をみんなは理解しているはずだ」

俺の言葉に、期待するようにワーウルフたちがこちらを見てきた。

「まず、すべての者たちに、名前を与える!!」

「「「おお!!」」」

「全員一列になって、こちらへと並んでくれ」

俺の宣言に合わせ、ワーウルフたちが続々とやってきた。

そして、一人ひとりに名前を与えていく。

……基本的には、ワーウルフたちに名前は決めてもらっていたので、その名前を与えていく。

稀に、「クレスト様に名付けてもらいたい」というものもいたので、多少は困ったが、全員の名づけが終わった。

次は――ゴブリンクイーンとワーウルフキングだ。

「二人とも、良いな?」

「ああ、もちろんだ」

「はい……お願いします」

まずは……ワーウルフキングからだ。

「……つけたい名前はあるのか?」

「わが父は……オルフェルと名乗っていた。そこから、名前を拝借し、オルフェ、とお願いできるか?」

ワーウルフキングのまっすぐな目に、こくりと頷く。

彼にオルフェの名前を与えると、オルフェは目にじっとりと涙を浮かべ、それから深く頭を下げてきた。

「感謝する、クレスト! ……オレはおまえの剣となり、おまえの敵を退けよう!」

「おお!!」とワーウルフたちが一斉に盛り上がる。

……あまり、俺をたてるような発言はしないでもらいたいのだが。

そう思いながら、ゴブリンクイーンを見る。

「……何か、つけたい名前は?」

「リビア、でお願いします。ゴブリンたちにとって、大切な言葉なんです」

「……そうか」

名前を与える直前、ゴブリンクイーンが目を閉じる。そして、名前を与えると同時、彼女は目を開きそれから、こちらに満面の笑顔を浮かべた。

「ありがとうございます、我が主」

リビアが嬉しそうに微笑む。

俺は全員の名づけが終わったところで、二人のステータスを確認してみた。

リビア(ゴブリンクイーン)+1

主:クレスト

力133

耐久力114

器用182

俊敏145

魔力209

賢さ198

オルフェ(ワ―ウルフキング)+1

主:クレスト

力201

耐久力163

器用99

俊敏188

魔力54

賢さ147

中々の高ステータスだな。

名づけによって跳ね上がった部分もあるだろうが、俺とほぼ同格だ。

これで、 名授(めいじゅ) の儀は終わりだ。

……それでもまだ、俺に注目が集まっていた。

……ここから、宴の開会の言葉も俺が言うのか?

リビア、オルフェの二人を見る。どっちもめっちゃ期待しているようだったので、俺は仕方なく続けた。

「みんな、これで我々は友で、仲間だ」

「「「おお!!」」」

「これから先、様々な試練が我々に襲い掛かってくるかもしれない。だが――! みんなで団結すれば、必ず突破できるはずだ!!」

「「「おお!!」」」

「それじゃあ、宴を始めよう!」

俺が宣言すると同時、全員がひときわ大きな声をあげた。

……まったく。

俺は皆の笑顔を眺めながら、苦笑する。

ちらと見ると、ゴブリンとワーウルフが、用意されていた鍋料理からスープを皿に移しては、テーブルへと置いていく。

テーブルに並べられた食事を次々ととっていき、それぞれが一気に食事をしていた。

こういう席では酒などを用意して皆で楽しむものだが、今はないからな。

果物はあるので、料理術を使えば……ああ、できそうだな。

ワインやら果実酒やら……色々と。

魔物というのはアルコールは好むものなのだろうか? ……飲んだことがないのなら、今すぐに用意しなくても良いとも言える。

……アルコール依存になられても困るしな。

あとで、リビア、オルフェと相談しつつ、考えていこうか。

皆での宴はそれから一時間ほどで終わった。

あちこちで声をかけられた俺は久しぶりにしゃべりすぎて少し疲れてしまった。

自宅に戻った俺は、それからガチャの画面を開いた。

「……よし、溜まってるな」

名づけをした魔物……つまり、使役した魔物が魔物を倒しても、ポイントは回収できる。

15000ポイントあったので、どうやらジャイアントシザースとマウンテンコングを倒しきってくれたようだ。

これで、またガチャを回せるぞ。とりあえず、召喚士系スキルもコンプリートしたいからな。

俺がそう考えていると、玄関がノックされた。

「開いてるぞ」

そう返事をすると、リビアが入ってきた。

美しい寝間着姿とともに、控えめに手を振った彼女がこちらへとやってきた。