軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第10話

俺は腰に差した剣を握りしめる。

……まだアイアン魔鉱石が手に入っていないので、耐久値は回復していない。

それでも、何とかなるだろう。格闘術もあるんだしな。

もちろん、魔物との戦闘では奇襲が基本だ。

騎士学園にいたときは、そんなのは卑怯だと教わったが、ここではそんな常識は通用しない。

やるかやられるかの世界。俺はやられたくないので、あらゆる手段を用いる。

ホブ・ゴブリンの意識がこちらから別に移った瞬間……駆けだす。

「ゴア!?」

驚いたようにホブ・ゴブリンがこちらを見た。手に持っていたこん棒を振り下ろしてきたが、かわして剣を振りぬく。

ホブ・ゴブリンの足を斬りつける。かなり、深く斬れたな。

一撃で仕留められるか分からないため、まずは機動力を奪う。

ひるんだホブ・ゴブリンに蹴りを放つ。

これは格闘術の効果を確かめるためだ。

ホブ・ゴブリンの体が吹き飛ぶ。……想像以上に力が出たな。

やはり、銀色玉から出るスキルも優秀だな。

とりあえずすべてレベル1でいいから欲しいものだ。

ホブ・ゴブリンを仕留めるのに、そう時間はかからなかった。

討伐したあと、ポイントを確認する。

100、か。ポイントが入ったことを喜んでいたが、ゴブリンの上位種だったのでもっと入るのではとも期待していた。

……まあ、悪くはないんだ。

この調子で、ホブ・ゴブリンを狩っていこう。

……他の魔物も気になるところだ。

あと一種類発見できれば、5000ポイントまで稼げるだろう。

俺はちらとガチャの画面を確認する。

……今日が4月21日と表示されていて、残りは9日しかない。

その間に、少しでもガチャを回したい。

今俺は二つの予想をしている。

……一つは、この日付を過ぎた瞬間ガチャが消えるということ。

もう一つは、5月から新しいガチャが来るのではないかということ。

ただ、後者は俺の願望を多分に含んだものだ。正直いって、前者のほうがよっぽどありえそうだった。

俺は神への信頼があまりないからな。

だから、月が切り替わる前にたくさんガチャを回したい。せめて、虹色のスキルのレベルをもう少しでもいいからあげておきたかった。

そんなことを考えながら、歩いていると……新しい魔物がいた。

早速鑑定で調べる。

……ファングカウという魔物だ。見た目は牛のようだが、鋭い剣のような牙が二本、ついていた。

……あれに一突きされたら、たぶん死ぬ。

俺は警戒しながら……背後をとった瞬間に駆けだした。

剣でファングカウの体を斬った。

しかし……非常に堅かった。剣の耐久値は切れ味に相当するようなので、今の剣では厳しいのかもしれない。

ファングカウが振り返り、牙を振りぬいてきた。

剣で受けたが、キンッと金属音が響いた。

……マジかよ。

俺は慌てて側面にまわり、ファングカウを斬っていく。

斬る、というよりも殴るというのが正しいか。

ファングカウの体は比較的大きいため、とにかく足を使って翻弄していく。

奴が俺に一撃を当てる前に、ファングカウの側面をとる。その動きを繰り返していく。

……そうして、何とか倒した。

つ、強かった……これまでに戦ってきた魔物よりも苦労した。

そしてポイントを確認すると……200!?

ファングカウに苦戦したと思っていたが、やはり他の魔物よりも強いようだ。

……となると、魔物ごとにポイントは違うということで確定のようだな。

ただ、そのポイントの基準はいまいちわからないな。

別に、見極める必要もない。

魔物を見つけたらすべてポイント上限まで稼ぐだけなんだからな。

とにかく、ファングカウが良い相手になったのは確かだ。

……ファングカウは牛肉、か。非常にうまいと聞いたことがある。

俺はその場で調理を開始する。

料理術のおかげか、肉の焼くタイミングに関して完璧に理解できた。

……塩、胡椒、醤油等が欲しかったが、塩は海水が、胡椒は胡椒の実が、醤油は塩、大豆、小麦が必要なようだ。

この森は色々なものがあるので、いずれは手に入るかもしれない。

……とりあえずは、海水から塩を作るのが一番現実的ではあるだろう。

川を泳いでいけば、恐らく海に繋がっているだろうしな。

肉を焼き終えた俺は、それから口に運ぶ。

……じゅわっという肉汁は、これまでの肉とはまた違った味だった!

うまい、うますぎる! これで調味料が手に入ったらもう、中毒になるかもしれない。

料理術の効果もあるんだろうな!

俺はそれから、料理術を確認する。

……料理術も素材を用意して料理を作るという能力がある。

これで、ステーキを作ってみることにした。

一瞬で料理が出来上がり、任意の地点に置いてみた。

……それを次に口に運ぶ。

……しかし、先ほどよりも味が落ちてしまった。

……なるほど。

こうした短縮して作るものは、基本的に自分で作るよりも味が落ちてしまうようだ。

これなら、自分で肉を焼いたほうがいいな。

大した手間ではないし。

肉を焼いていると、ホブ・ゴブリンがやってきた。

俺の食事を狙っているようだ。数は二体。少し苦戦したが問題なく倒せた。

ポーションを飲んで喉を潤しながら、体の疲労を回復する。

……ふぅ、だいぶ安定してきたな。とりあえず、新しい拠点を探さないとだ。

食事を終えたあと、再び歩きだす。

魔物狩り、途中の薬草でポーション製造、木の実などで小腹を満たす……という感じで森を移動していく。

アイアン魔鉱石を発見したので、俺はさっそく剣と合わせようとして……そこで鍛冶の項目に気付いた。

ファングカウの牙、アイアン魔鉱石又は剣を組み合わせることで新しい武器が作れるようだ。

気になったので早速ファングカウを倒しにいく。苦戦はしたが、何とか倒せたので、剣で牙を斬る。

それから、ファングカウの牙と剣を組み合わせる。

……出来た。

牛牙剣 耐久値 200/200

……お、おお! 耐久値まで回復した。

これは想定外だった。おかげでアイアン魔鉱石が余ったな。

とりあえず、このアイアン魔鉱石で解体用のナイフでも作るか。

剣で解体すると、切れ味が悪くなるしな。

解体用のナイフを作製したあと、俺は近くのクモの巣と枝で釣竿を作る。

……なぜかいい糸になるので、その糸部分だけを使ってナイフを腰にくくりつけた。

鍛冶術も、短縮製作を使用せずに作る方法もある。

……ただ、工房なんてないしな。

たぶん、鍛冶術も同じように自分で作った方がより性能は高くなるんだろう。

今はこれでも十分足りているからいいか。

釣りに関しても、余裕が出たら楽しみたいものだな。

そんなことを考えながら歩いていると、大きな木を発見した。

思わず見上げてしまう。

木の根元には、小さな穴があり、人が一人くらいなら横になれるようなサイズだった。

……ここは、拠点としていいかもしれない。

周囲は比較的開けているのもあって、畑なども作りやすい。

俺はさっそく、モモンの実、オレンジイの実、チユチユ草の栽培をするために開墾術で耕していく。

クワも一緒に運んできていたが……今後拠点を移動することも考えると、あまり不必要にものを作らないほうがいいかもな。