軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第1779話 午後のメインイベントともう一つの予定

竜騎士団の飛竜専用飼育場を後にしたライト達。

正午の三十分前と早めだが、皆でお昼ご飯を公園で摂ることにした。

何故かと言うと、午後はライトの級友達と『レインボースライムショーのスター達が贈る!魅惑のファッション&アクションショー』を観に行く予定が入っているからだ。

中心街からそこそこ離れた公園なので、公国生誕祭中であってもそこまで混雑はしていない。

ライト達は空いている芝生の上に敷物を敷いて、ラーデを取り囲むようにして座った。

今のラーデは【秘匿の指輪】の効果で他者の目に映らないが、食べ物は別だ。

一見何もないところでラーデが食事をしようとしたら、食べ物がふよふよと浮いているようにしか見えない。

そのためライトとラウル、マキシとシャーリィの四人でラーデを囲んで、なるべく公園にいる人々の目につきにくいようにする!という策である。

皆で敷物の上に座ってから、ラウルが先程買ったお祭りフードを次々と取り出す。

皆で「いッただッきまーーーす!」と食事の挨拶をしてから、それぞれに好きなものを食べ始めた。

「ンーーーッ、やーっぱお祭りの食べ物って美味しーい!」

「シャルさん達は、全国各地のお祭りにも呼ばれるんじゃないんですか?」

「そうねー、あちこちを旅して回るから大抵の主だった大きな祭りは呼ばれたことあるわねー。でも……夜に酒場で一座の仲間と飲み食いすることはあっても、こうしてお友達と外で気軽に飲み食いすることはないから。だから今日のお出かけもすっごく特別に感じるの」

「ああ、そういうのもあるんですねー」

「そゆこと」

ほっぺたに手を当てながら、熱々のお祭りフードを全力で堪能するシャーリィ。

全国津々浦々を旅して回る彼女なら、この程度のお祭りフードはいくらでも食べ慣れているもんじゃないの?とライトは思ったのだが。そんなことはないらしい。

味の美味しさ云々以前に、気心の知れた友人達とピクニック気分を味わう。これこそがシャーリィにとって何よりのプライスレスなのだ。

「でもその分、ラグナロッツァでは絶対に食べられないご当地ならではのグルメもいろいろと知ってるわよ?」

「わー、聞きたいです!今までで一番美味しかったものとか、逆にすっごく微妙なものとかありますか?」

「すーっごく微妙だったのはねぇ、節分の時期に訪れたとある街の恵方巻き? 味はまぁ悪くなかったんだけど、海苔が青、白、赤の三色に着色されててね……料理は見た目も大事なんだってことを、改めて思い知ったわ」

「「「………………」」」

シャーリィの『トリコロール恵方巻き』話に、ライト達は思わずそれを頭の中で想像してしまい絶句する。

ラウルとマキシは苦虫を噛み潰したような顔をしているが、ライトだけは何故か微笑んでいる。

というのも、実はそのトリコロール恵方巻きはBCOの節分イベントに出てきた限定アイテムの一つだった。

あー、そういやそんな奇天烈なアイテムもあったな……

当時皆で『何だこの歯磨き粉みてぇなヤツは?』『え、ウッソ、何これ、恵方巻きなの?』『どこの世界にこんな寿司作るヤツがいるってんだ?』『ここにいるじゃねぇか!』とか、皆で大笑いしたっけ。

プププ、懐かしいなぁ……

そんな懐かしい思い出に浸るライト。

その横で、ラウルとマキシが「ラウル、その海苔を取り寄せてみる?」「ぐぬぬ……一目見てみたい気はするが、それを買ってどうこうしようとまでは思わん」などと会話をしている。

そうして楽しい昼食を摂った後、ライト達は中心街に戻った。

本日の午後のメインイベント、『レインボースライムショーのスター達が贈る!魅惑のファッション&アクションショー』の午後の部は二時半からの開始となっている。

だが、ライトだけはもう一件、別の用事が入っていた。

それは、イヴリン達が行く!と言っていた『薬師ギルド主催!家庭菜園で薬草を育てよう!』に参加することだった。

薬草育成セミナーが行われるという薬師ギルド前に着いたライト達。

そこには既にイヴリンとリリィ、ジョゼの三人が立っていた。

「あッ、ライト君が来たー!」

「ライトくーん、やっほー!ここだよ、ここー!」

イヴリンとリリィが大きく手を振りながら、ライトに向かって『ここにいるよ!』アピールをする。

集合場所に既に到着していた級友達を見て、ライトが慌てて駆け出した。

イヴリン達が行く!と決めていた、薬師ギルドの薬草育成セミナー。

まずイヴリンとリリィが行きたい!と言い、ジョゼもそれにほぼ強制参加となっていた。

しかしこのイベントは、ライトにとっても見逃せない。

ライトは冒険者を引退した後、第二の就職先として薬師になることを視野に入れている。

それはまだ確定ではないが、もし将来薬師になるとしたら薬草育成の知識は絶対に必要だ。

それが今のうちから勉強できるのだ、何が何でも参加して薬草知識を得る!とライトが張り切るのも当然である。

そしてこの薬師ギルド主催のイベントは、公国生誕祭の三日間の各日午前と午後三回づつ、一日六回計十八回開催される。

午後の一回目は午後一時からで、四十分間の予定だ。

メインイベントのスライムショーを観る前に、お小遣い稼ぎの勉強もサクッとこなしちゃおう!という訳である。

ちなみにその間ラウル達は、大通りの露店で買い物をすることになっている。

ライト達は薬師ギルドでセミナー参加、ラウル達は露店で買い物を楽しんだ後、スライムショーが開催される広場に午後二時に集合!という手筈になっていた。

「じゃ、ぼくはイヴリンちゃん達との約束に行ってくるねー!」

「おう、いっぱい勉強して、後で俺にも薬草育成のコツを教えてくれよ」

「うん!ラウル達もお買い物を楽しんできてね!じゃ、また後でねー」

「「いってらっしゃーい!」」

級友達のもとに走っていくライトを、ラウル達が温かい言葉と眼差しとともに送り出す。

家族と過ごす祭りもいいが、級友達とともに出かけて親交を深めるのも大事なことだ。

明るい未来のために、今から勉学に励むライト達。

彼ら彼女らの明るい笑顔は眩しく輝く。

「……さ、俺達も買い物を楽しみに行くか」

「うん!」

ライトを無事薬師ギルド出店前に届けたラウル達。

踵を返し、再び大通りの露店が集まる人混みの中に紛れていった。