作品タイトル不明
第1600話 称号チェックと気分転換
ライトのために行われた盛大な歓迎会も無事終了した翌日。
ライトにとって二度目の夏休みの最終日を迎えていた。
いつものように朝の魔石回収他ルーティンワークを無事済ませて、昼前には明日から始まるラグーン学園二学期の支度を始める。
制服、夏休みの宿題他二学期初日に必要な持ち物、全て完璧に揃えた。
ライトは二年生の二学期から編入した時に、アイギスにて制服を大きめに仕立ててもらっていたため、それから一年が経過した今はちょうどぴったりのサイズとなっていた。
「さーて、明日の準備も完璧にできたことだし。午後は何をしよっかなー……って、夏休み最後の日くらい、ゆっくり休むかな!」
カタポレンの家の自室で、ベッドの上でゴロン、と寝そべるライト。
毎回毎度のことながら、ライトの長期休暇はほぼ毎日が何かしらの作業やお出かけで埋め尽くされ続ける。
冬休みで寝正月なんてできた試しがないし、春休みだって宿題がない分遠出し放題だから連日どこかに出かけまくる。
そう、ライトが長期休暇でのんびりゴロ寝をするのなんて、最終日くらいしかないのだ。
ベッドの上で寝転びながら、マイページを開く。
ここ最近の長期休暇最終日のお約束、称号チェックである。
新たに増えていた称号は、以下の通りである。
『青龍の名付け親』『鉄腕ライト』『遺跡の不法侵入容疑者』『笹魔人の天敵』『神寄の短冊集めの達人』『不思議の森を探訪せし者』『皇竜一族の知己』『砂の居城探検者』『冒険者の卵』『冒険者のイロハ講座修了者』
『青龍の名付け親』、これは字面そのままだな。愛称をバルト、真名をゼスにしたけど……風の女王様が俺まで指名したくれたおかげで、レオ兄一人で名付けすることにならなくて本当に良かった……
『鉄腕ライト』……何だ、こりゃ? ……あッ、朱雀のフラムの力を取り込んだ時に足裏からジェット噴射のイメージで飛んだせいか!?
『遺跡の不法侵入容疑者』、ぁー、ティファレト遺跡での件か。ぃゃぃゃ、あれを不法侵入とか言われても困るんだが?
『笹魔人の天敵』『神寄の短冊集めの達人』、七夕イベントのアレか。クエストイベントの合間に初めてやったけど、たまにはああいう季節限定イベントをこなすのもいいもんだよな!
『修験者の迷宮の入口に初めて立った人族』『不思議の森を探訪せし者』『皇竜一族の知己』、これは天空島のいざこざでラーデの子達と知り合った時のことか。修験者の迷宮の謎も気になるし、不思議の森もまた改めて行きたいな!
『砂の居城探検者』、ガベリーナさんの中を探検したアレか。外見は裁判所風なのに、中は刑務所風の拘置所と城の操作室?みたいなのがあるんだもんなー。ホンット不思議だ……
『冒険者の卵』、正式に冒険者登録できたことで出てきたんだな!ああ、こういうのを見ると、俺もようやく冒険者になれたんだなって実感が湧くわ……
『冒険者のイロハ講座修了者』……これ、クレアさんのアレだよな? あの講座、こんな称号になるくらいすげーもんなの?
様々な面白称号を見ては、春休み以降の自分の軌跡を振り返るライト。
これらの称号のほとんどはステータス補正が弱く、使い道もないなでお蔵入りするしかない。
だが、使い物にならないものばかりだからといって完全に無意味という訳でもない。
ライトが歩んできた歴史や思い出、そういったものを彷彿とさせる記念品的な意味合いがあるのだ。
一通り称号のチェックをし終えたライト。
ベッドからガバッ!と起き上がった。
「さーて、そしたらこれからプランターに新しい野菜を植えるかな!」
まだ昼前の明るい時間帯、ライトがしたいこと、しなければならないことは山ほどある。
しかし、今日くらいは魔物解体だの回復剤作りだののBCO関連からは完全に解放されたい。
残り半日をBCO以外のプライベートなことに使ったって、罰は当たらないはずだ。
動きやすい服に着替えてから家の外に出る。
玄関の反対側、裏手に回るとラウルが焼却炉で殻焼き作業をしたいた。
「あ、ラウル、殻焼きしてるの?」
「おう、ライトか。そうそう、こないだエンデアンで殻処理依頼を大量に引き受けてな。ジャイアントホタテの殻を二千枚近く仕入れてきたから、どんどん処理しなきゃならないんだ」
「ににに二千枚……」
真夏の暑い日差しが照りつける中、前もってラグナロッツァの屋敷で砕いておいたジャイアントホタテの殻を次々と焼いては取り出すラウル。
ラウルも火の女王や炎の女王、フラムの加護を得たので、出せる火魔法の威力が強くなって殻焼きの処理もかなり捗っているらしい。
「じゃあ、ぼくも手伝おうか?」
「おう、手伝ってくれるなら助かる。そしたらここで火の番をしててくれるか? 火の勢いが弱くなったら、焼却炉の中に火魔法を追加で入れてくれるとありがたい」
「分かった!そしたらぼくも、焼いた殻を少しだけもらってもいい?」
「少しだけと言わず、半分くらい分けてもいいぞ」
「ホント!? ヤッター!ありがとう、ラウル!」
特に深い意味もなく、ただラウルの手伝いを申し出たライト。
その報酬に焼いた殻の半分をもらえると聞き、飛び上がらんばかりに喜ぶ。
ライトもプランターで野菜栽培をしているので、肥料はいくらあってもいいのだ。
明日からのラグーン学園再開に向けて気分も新たにするために、ライトはカタポレンの家の畑でのんびりと過ごしたのだった。