軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第16話 アルのご飯

「ねぇ、レオ兄ちゃん。銀碧狼の子って、何食べるの?やっぱ、まもののお肉?」

「んー、そうだと思うけどなぁ。見たところちゃんとした牙も生えてるし、魔物の肉も柔らかめのものなら普通に食っていいだろうとは思うが」

「ぎゅうにゅうは、飲めるのかなぁ?まだ小さい子のようだし、お母さんのおっぱいとか、本当はひつようじゃない?」

「牛乳、ねぇ……うーん、どうだろう?そもそも銀碧狼のような格の高い神狼が、母乳で育児するのかどうかすらもよく分からんが……ま、別に腹壊したりもしないだろうから、試しに飲ませてみるかぁ」

1ヶ月という期間限定ではあるが、家族の一員となった銀碧狼の子の面倒を見るために、ライトとレオニスは一生懸命に試行錯誤していた。

「んもー、ごはんは何を食べるかくらい、お母さん狼からきちんと聞いといてよねー」

「いやーすまんすまん、あん時はそこまで頭が回らんかったわー」

「この子の名前も聞いてないしさー。ていうか、レオ兄ちゃんだけじゃなくて、お母さん狼もけっこうなおっちょこちょいさんだよねー」

「ハハハッ、そりゃ違いねえwww」

遠くにお出かけ中の銀碧狼母、今頃くしゃみしてるかもしれない。狼ってくしゃみするもんかどうか分からんけど。

魔物の肉はレオニスが森で獲ってくるとして、他に何を食べさせるかが問題だ。

木の実やキノコ、山菜などは森で採取して、食べられそうな果物も見つけたら確保。森で採取できなさそうな野菜や果物類、牛乳や卵なんかはレオニスが街に買い出しに出るなどして、試行錯誤していた。

牛乳や卵、肉に野菜に果物などを大量に買い漁る、世界的有名人な金剛級冒険者……市場の人達、さぞびっくりしているだろうなぁ。その図を想像すると、ちょっと笑える。

レオニスが街に買い出しに出ている間、ライトはアルを連れて散歩がてら家の周辺を散策する。魔物に出くわさないよう、魔石の結界領域から大きく離れないように気をつけながら、アルが食べられそうなものがあるか探すのだ。

まだまだ外の世界のもの、その目に映る全てが珍しいアル。木々やところどころに見えるキノコなど、目についたものを片っ端からクンクンと臭いを嗅ぐ仕草が、何とも可愛らしい。

時折、目にしたキノコや草花をいきなりパクッ!と齧っては、ペッペッと吐き出すのも非常に愛嬌があって可愛らしい。だが、もしそれが毒キノコだったりしたら非常に困る。

「ちょ、アル、キノコとか雑草とか、毒があるかもしれないから!気をつけてね?まずは、なめてみるくらいから始めよう?」

「クゥン……キャウン!」

少し項垂れてしょげたかと思ったら、すぐに明るく元気に吠えるアル。何ともまぁメンタルの強い子だ。

ん?どこからか「キニシナイ!」という、神々しくもありがたいお告げのような音声が何やら頭上から聞こえてくる気がする。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆

レオニスが街でいろんな食材を買い込んできた結果、牛乳や果物はアルの口に合っていたようだ。

レオニスが狩りで獲ってきた、魔物の肉の山はもちろんのこと牛乳や果物をたらふく飲み食いして、大きく膨れたお腹を満足そうにさすりながら、ケプーと小さなげっぷを漏らす仰向け状態のアル。

君、中の人でもいるのか?もしかして、背中にファスナーついてたりしないだろうね?……ないか。

ちなみに、野菜類は殆ど口にしなかった。卵もそのままでは何の興味も示さなかった。うーん、狼だけあってやはり肉食系なのか。

でもね?アル君。お母さん、アナタをそんな我儘な子に育てた覚えはありませんよ!お残しや好き嫌いは、許しまへんえー!

俺もレオ兄も、君の本当のお母さんじゃないけどね!

さて、今日は肉と果物と牛乳が合格だったけど、そういや魚はまだ試してないな。狼って、魚も食べるんかね?

魚と動物ってーと、どうしてもクマの木彫りの置物を彷彿としてしまう。アルは銀碧狼であって、 灰闘牙熊(グレイファングベア) じゃないんだから何の参考にもならんのだが。

とりあえず、アルに魚介類全般を一通り食べさせてみたいけど、さすがに海産物はこの森じゃ入手困難っつか実質不可だ。てな訳で、まずは川魚かな?

よし、明日はレオ兄に頼んで川魚を獲りに行こう!シャケとかアユ、ヤマメ、イワナ、ニジマスとか獲れるかな?

あ、湖もいいな!コイ、フナ、ヒメマス、ブラックバスとかいるかな?いるといいな!魚の旬の季節なんざ全ッ然分からんけど!

いや、それ以前にこの世界の水棲生物の生態系からして全ッ然知らんけど!

つーか、川でも湖でも魚を釣るとなると、まずは釣り竿要るよな?魚獲りに行く前に、釣り竿作りをせねばならんか。

釣り竿の原材料ってーと……竹?竹ってここら辺っつかこの森の中にあったっけ?うーん、これもレオ兄に要確認だな。

竿の他には……糸?釣り糸って、一体何を使えばいいんだ……縄はさすがに極太過ぎる?竹製フィラメント?……あれはエジソンの白熱電球の発明開発秘話か……

毛糸や縫い糸じゃさすがに強度の問題が……いや、縫い糸を何らかの魔法で強度を爆上げして仕立てりゃイケる?

さてそうするとなると次は、糸の強度を爆上げ加工するにはどの魔法を使えばいい?

……

………

…………

………………分からん!!

あああ、もう後でまとめてレオ兄に相談だぁ!!

……などとあれこれ考えているうちに、いつの間にか眠りについてしまったライトであった。