作品タイトル不明
第1519話 ツェリザークでの予定
ライト達のプロステス滞在三日目。
別荘で二泊過ごした後、ラグナロッツァに帰る予定の日である。
朝早くに起きて、四人で朝食を摂るライト達。
朝食を食べながら、様々な会話を交わす。
「はー、プロステスの二泊三日の旅行も今日で終わりだねぇ」
「思った以上に楽しめて、いい息抜きになったよな」
「俺もパイア肉をたくさん確保できて満足だ」
「僕もウォーベック侯爵家の方々と仲良く交流できて、とても楽しかったです!」
予想以上に楽しく過ごせたプロステス旅行。
この別荘の購入は、今年の黄金週間での 鑑競祭り(オークション) で得た大金とアレクシスの熱心な勧誘により実現したものだった。
しかし、話の流れでこうなったとはいえ予想以上に快適に過ごせたことに、レオニスはますます気を良くしていた。
「また来年も……いや、ライトのラグーン学園が冬休みになったらまた皆で泊まりにくるか」
「「「賛成ー!」」」
「そしたらラウル、月一くらいの頻度でいいからこの別荘の手入れも頼むぞ」
「任せとけ。人食いパイア狩りのついでに、別荘の手入れもしておくわ」
「お前ね、そこは順序が逆でしょうよ? お前の本業は執事なんだからさぁ……」
今後もこのプロステスの別荘を活用する気満々のレオニスに、ライト達も諸手を上げて賛成している。
ラウルに至っては、レオニスに頼まれた別荘の手入れは魔物狩りのついでに請け負う始末だ。
そこは万能執事として、別荘の手入れを優先してほしいところなのだが。何事も料理優先のラウルには、食材の仕入れの方がまず先にくるらしい。
さすがはラウル、料理バカを隠そうともしない一貫した姿勢は 天晴(あっぱれ) としか言いようがない。
そう、今日も彼は雇い主の苦言などキニシナイ!のである。
「ところで、レオ兄ちゃんは今日はツェリザークの領主様に会いに行くんだよね?」
「ああ、前にアレクシスにそう頼まれたからな」
「ぼくやラウルもいっしょに行く必要はあるかな? 多分氷の洞窟や氷の女王様のことをお話しするんでしょ?」
「そうだなぁ……ライトはともかく、ラウルには付き合ってもらった方がいいかもしれんが……」
話題は変わり、今日の予定の話に移行した。
プロステス旅行の三日目は、ラグナロッツァに帰還する前にツェリザークに立ち寄る予定になっている。
それは以前アレクシスから依頼された、ツェリザークの領主であるジョシュア・スペンサーと面会するためだ。
ツェリザーク領主と対談するとなれば、その話題は必然的に氷の洞窟や氷の女王の話になるだろう。
となると、氷の女王の思い人であるラウルもともに話に付き合っておいた方が何かと得策ではあるのだが。
ラウルの顔をちろり、と見遣るレオニスに対し、ラウルが即座に首を横に振る。
「すまんが俺は、今日はツェリザークでは氷蟹の殻処理依頼をこなしたい」
「だよなー……お前のことだから、そう言うだろうと思ってたわ」
速攻でラウルに断られたことに、レオニスががっくりと項垂れている。
とはいえレオニスもラウルの性格を熟知しているので、ラウルの答えは完全に予想の範疇内であり怒る気もしないようだ。
「そしたら、俺とラウルがそれぞれ仕事をしている間、ライトとマキシはどうする?」
「ンーとねぇ、ぼくはルティエンス商会に行きたいなー」
「お前、ホンットその店好きだね……」
「うん!だってあのお店、いつ行っても面白いものがあるんだもん!見てて飽きないよー」
「でしたら僕も、そのルティエンス商会というお店に行ってみたいです!」
「そっか、そしたらライトのお守りはマキシに頼むか」
「はい!任せてください!」
ライトの希望はルティエンス商会に行くこと。
一方マキシは、ライトがこよなく愛するルティエンス商会を一目見てみたい!という思いに駆られたようだ。
マキシはライト達と違い、ツェリザークに行くことなど滅多にないだけに、あちこち見て回るのもいいだろう。
四人の行き先が決まったところで、朝食を終えて片付けを始めたライト達。
その後三十分後に玄関ホールに集合し、プロステスの別荘を後にした。