軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第1442話 二つの別れ

その後もライト達は、目覚めの湖の湖底で様々なことをして楽しく過ごした。

レオニスはアクアに誘われて久しぶりに水中での追いかけっこをし、ラウルは湖底神殿周辺の湖底で貝採りに勤しんだ。

ライトとマキシはラウルとともに貝採りをし、クロエとラーデ、八咫烏母娘達はイードに乗って目覚めの湖の中を遊覧船よろしくゆったりと見て回っている。

皆が外で楽しく遊んでいる間、水の女王と闇の女王は引き続き湖底神殿の中で仲良く話をし続けていた。

お昼ご飯には、ライト達が採ったばかりの貝や小魚を湖底神殿の中で炭火焼きにして皆で食べた。

神殿の中で七輪を用いて魚介類を焼くとか、何と罰当たりな!と思うことなかれ。神殿の主であるアクアや水の女王が許可しているのだから、何も問題ないのである。

熱々の焼き魚の串を持ち、フー、フー、と息をかけて冷ましながら、時折齧り付いてはハフハフと舌鼓を打つクロエ。

その美味しさに、ご機嫌な様子で闇の女王に話しかけた。

『焼き立てのお魚って、すっごく美味しいのね!暗黒神殿のすぐ傍にある泉でも、お魚が捕れたらいいのになー。……ねぇ、ママ、あの泉でお魚を育てられるかしら?』

『ンーーー……あの泉は小さいので、魚や貝を住まわせるのは無理でしょうな』

『そっかー、残念ー』

クロエが暗黒の洞窟での魚の養殖計画?を闇の女王に相談するも、泉の小ささにより敢えなく却下されてしまった。

実際暗黒神殿横にある泉はとても小さいので、食用になるような魚や貝の住処にはできそうもない。

このことにクロエがしょんぼりするも、闇の女王の横で同じく焼き魚を食べている水の女王がクロエに声をかけた。

『ココ様、魚や貝ならいつでもこの目覚めの湖に食べに来てくださいな♪』

『え、いいの?』

『もッちろん!その時は、是非とも闇のお姉ちゃんといっしょに来てくださいね!』

『うん!水の女王ちゃん、ありがとう!』

『どういたしまして。ココ様と闇のお姉ちゃんなら、いつでも大歓迎よ!』

水の女王の誘いに、しょんぼりとしていたクロエの顔がパァッ!と明るくなる。

暗黒の洞窟で魚介類を獲れずとも、この目覚めの湖に来ればいつでもご馳走できるから大丈夫!という水の女王の提案は、実に魅力的なものだ。

しかしその計画は、一見完璧なようでいて実は落とし穴があった。

そしてこの落とし穴を指摘したのは、レオニスであった。

「水の女王、一つ聞いてもいいか?」

『ン? ナぁニ?』

「ここで採った貝や魚を、ココ達にご馳走してやるのはいいが……あんた達だけで調理できるんか?」

『『…………ぁ』』

レオニスの尤もな質問に、ちょうど焼き魚にパクッ☆と齧り付いていた水の女王とクロエが焼き魚を口に咥えたまま固まった。

魚介類は、果物のように採ってそのまま食べられるものではない。

いや、刺身という方法だってあるにはあるが、それとて包丁等の刃物を用いて捌いたりしなければならない。

レオニスはそれを危惧したのだ。

というか、そもそも属性の女王や神殿守護神に調理ができるなど期待してはいけない。

包丁捌きはもちろんのこと、水の女王に火を用いた加熱処理をしろと言う方が土台無理なのだから。

「まぁな、魚や貝をそのまま生で食って、ココが腹を壊しちゃいけんからな……焼き魚が食いたい時は、俺達にも一言声をかけてくれ。そうすりゃ俺かラウルが何とかしてやるから」

『ホント!? パパにお願いしてもいいの!? てゆか、パパもお料理できるの!?』

「おう、任せとけ。ラウル程じゃねぇが、焼き魚くらいなら俺でもやってやれるぞ?」

『嬉しい!パパ、ありがとう!』

レオニスの頼もしい言葉に、クロエの顔がますます輝く。

レオニスも、今でこそ食事全般をラウルに一任しているが、これまで培ってきた冒険者としての技術、野営活動などで得た調理の腕までは鈍っていないつもりだ。

魚を釣って串を打ち、火を 熾(おこ) して焼くくらいのことは今でも普通にできる。

『そしたら、お魚食べたい時にはパパ達にお願いして、皆でいっしょにこの目覚めの湖に来るね!』

「だな。水の女王も、それでよろしくな」

『ええ、分かったわ!お料理は貴方達に任せて、私達は食べる側ね!ラウルもよろしくね!』

「了解ー」

クロエに負けず劣らず、ペカーッ☆と輝く顔でレオニスの言葉に頷く水の女王。

そして、料理のことならレオニスよりもっと頼りになるラウルにも早速頼んで承諾を得ている。

ラウルもこの目覚めの湖で穫れる魚介類を好んで調理に使うので、地主である水の女王の理解と協力を得られるのはラウルにとっても好ましいことだ。

こうして皆で楽しい昼食をともにし、その後も皆思い思いの過ごし方で目覚めの湖を引き続き堪能した。

マキシ含む五羽の八咫烏達は、アクアやウィカ、イードの指導のもと八咫烏の姿で水の中を泳ぐ練習をしていた。

八咫烏達が水の中を泳ぐことなど滅多にないが、それでもこの先何があるか分からない。

また、万が一の事態でなくともモクヨーク池で泳げるようになるのも楽しそうだよね!ということで、水のプロフェッショナル達から泳ぎの技術を学ぶことになったのだ。

烏の翼を使って平泳ぎのように懸命に水を掻く姿は、なかなかに愛嬌たっぷりである。

ラウルは引き続き、目覚めの湖の魚介類捕りに精を出す。

昼間に皆で食べた分を再び補充、という訳だ。

今回はクロエとラーデも貝採りに参戦し、生きた貝だけでなく中身が空っぽの貝殻なども手に取って拾ったりして、仲良くキャッキャウフフ☆している。

そしてライトはというと、これまでずっと思っていた疑問『水の中でもお昼寝とかできるのかな?』を検証すべく、湖底神殿入口のすぐ外でレオニスと水の女王、闇の女王の三者監視のもと昼寝をしてみた。

検証の結果は『十分可能』。

今のライト達は水の女王やアクアの加護を得て、水中での呼吸や会話は陸地にいるのと何ら遜色なくできる。

呼吸や会話ができて、寝ることができない道理などないのである。

「……ライト、完全に寝ちまったなぁ。普通なら溺れ死ぬところなんだが……」

『そうねー。でも、そもそも貴方達は私とアクア様の両方の加護を持っているんですもの。水の中で溺れるなんてこと、絶対にある訳ないし。それどころか、水中で寝るくらい朝飯前のちょちょいのちょいー、よねー』

「まぁな、溺死する心配がないってのはありがたいことだがな」

湖底に寝そべりスヤスヤと眠るライト。

そのライトの横で、レオニスも肘枕で寝そべりライトの頬をちょん、ちょん、と突つく。

水の中でもライトのほっぺたはぷにぷにしていて、実に手触りが良い。

そしてレオニスの反対側で、水の女王もレオニス同様肘枕で寝そべりライトの頬をぷにぷにと突ついている。

左右両方から、頬をぷにぷにぷにぷにと突つかれまくるライト。

普通なら起きそうなものだが、ライトは全く起きることなくスヤスヤと眠っている。

そうしているうちに、レオニスと水の女王、どちらからともなくふわぁぁぁぁ……という大きな欠伸が連続で出てきた。

気持ち良さそうに眠るライトの寝顔を見ているうちに、どうやら二人にもその眠気が移っていったようだ。

そしていつの間にか、レオニスと水の女王もライトといっしょに寝てしまっていた。

ライトの横で監視をしていたはずなのに、これには一人取り残された闇の女王も苦笑いである。

ライトを真ん中にした三人が、川の字で寝ているのを一番最初に発見したのはラウル。

一頻り貝や魚を捕まえて満足したところで湖底神殿に戻ってきたら、大小二人のご主人様と水の女王が揃って仲良く寝入っているではないか。

ラウルがライトの頭のすぐ近くにしゃがみ込み、クロエはレオニスの横、ラーデは水の女王の横にそれぞれしゃがんで三人の寝顔を覗き込む。

「おぉおぉ、皆気持ち良さそうに寝てんじゃねぇか」

『うん、パパもとっても気持ち良さそうに寝てるー。さっきのアクア君との追いかけっこで疲れちゃったのかな?』

「このご主人様が、あの程度でへばるとは思えんが……でもまぁな、こう見えて二人とも一応人族なんだよな」

『そうさな。如何に普段から規格外とはいえ、種族的には一応人族の範疇であろう。……多分?』

今度はラウルがライトの頬をぷにぷにと、そしてクロエがレオニスの頬をちょん、ちょん、と突ついている。

二人の人族が気持ち良さそうに寝ている横で、ラウルとラーデが何気に失敬なことを呟いているが。当人達の耳には入らないので不問としよう。

するとここで、泳ぎの練習をしていたマキシ達八咫烏親子とアクア、ウィカ、イードが帰ってきた。

湖底神殿入口前で皆がたむろしているのを、アクアが不思議そうな顔をしながら長い首で覗き込んだ。

『皆、こんなところでどうしたの?』

「いやな、うちの大小ご主人様達と水の女王が、三人揃ってここで昼寝してんだ」

『そうなんだ。こんなところで寝たら風邪引くよ?』

「うちのご主人様達に限って言えば、それは天地がひっくり返ってもないだろうから心配要らんな」

『まぁね、ライト君はともかくレオニス君は超頑丈だもんねー』

「そゆこと」

ライト達の身体を心配するアクアに、ラウルがシレッとそれを無用と言い放つ。

ここでも何気に超失敬なラウルだが、実際この人外ブラザーズがこの程度のことで風邪を引くとは思えないので、ラウルの見解はある意味正解である。

『でも、そろそろライト君達にも起きてもらわないとね』

「ン? 起こさなきゃならん理由でもあるのか?」

『うん。マキシ君のお母さん達が、そろそろ八咫烏の里に帰るって』

「ああ、そうか。そりゃご主人様達にも起きてもらわなきゃならんな」

『そゆこと』

アクアの話に、ラウルもはたとした顔で得心する。

アラエル達八咫烏母娘がライト達のもとに来てから、早五日。

こんなに長く八咫烏の里を離れたのは、四羽とも生まれて初めてのことだろう。

五日間の滞在中、『人族の女性の身体の作りを完璧に理解する』『人族の女性が着る普通の服装を学ぶ』『人化した姿で食事を摂る』といった主な目的はほぼ達成できた。

そろそろ八咫烏の里に帰ってもいい頃だし、八咫烏の里で留守番をしているウルス達男衆もきっと彼女達の帰りを今か今かと待ち侘びているに違いない。

『おーい、ご主人様よ、そろそろ起きろー』

『パパー、ライトお兄ちゃーん、八咫烏ちゃん達がおうち帰るってー』

『水の女王、八咫烏さん達をお見送りするよー』

ラウルやクロエ、アクアの呼びかけに、まず水の女王が一番先に起きた。

『ふぇぇ……何か、私まで、お昼寝しちゃったぁ……ふゎぁぁぁぁ……』

のそりと起きて、大欠伸をしながら腕を上に上げて背伸びする水の女王。

その次に起きたのはライト。ライトも同じく寝ぼけ眼のまま、むくりと起きて大欠伸をした。

「ふゎぁぁぁぁ……えーと……アラエルさん達、おうちに帰るの?」

「ええ、私達もだいぶ長居してしまいました。そろそろ里に帰らないと、シア様やウルス達が心配しますので」

「そうですねー……マキシ君のお父さん達も、皆心配しちゃいますもんねー……」

ライトが背伸びしている横で、未だ寝ているレオニス。

そんなレオニスの身体を、クロエが麺棒のようにゴロゴロと左右に転がしながら懸命に起こそうとしている。

『パパー、起きてー。水の女王ちゃんもライトお兄ちゃんも、もう皆起きたよー?』

「…………ンぁ?」

ゴロゴロと身体を転がされまくったおかげで、ようやくレオニスも目覚めた。

普段のレオニスなら、野営地でこんなに深く寝入ることなどまずないのだが。

ここは目覚めの湖で、完全オフのプライベート休暇。ほんの少しだけ、レオニスの気も緩んでいたのだろう。

上半身を起こし、腕を上に上げて背伸びするレオニス。

ようやく目覚めたレオニスに、アラエルが改めて声をかけた。

「レオニス殿、長らくお世話になりました。そろそろ私達は八咫烏の里に帰ろうと思います」

「ン? ……ああ、そうだな。うちに来てからもう五日も経つもんな。お母ちゃん達を返してやらんと、シアちゃんやウルス達にどやされちまう」

「フフフ、シア様もウルスもそんなことしませんよ」

アラエル達の帰宅宣言に、レオニスがしゃんとした顔で応じる。

数秒前まで寝こけていたとは到底思えない覚醒ぶりだ。

それまで胡座で座っていたレオニス、すくっと立ち上がりアラエル達に話しかけた。

「そしたら、ウィカに送ってもらうのか?」

「ええ。ありがたいことに、ウィカ殿とアクア様にお送りいただけることになりました」

「そっか。また人里に来たくなったら、いつでも遊びに来いよ。シアちゃんやウルス達にも、よろしく伝えておいてくれ」

「ありがとうございます。皆様方のご厚恩、決して忘れません」

五日間世話になったレオニスに対し、深々と頭を下げるアラエル。

アラエルの後ろで、三羽の娘達も同じく深々と頭を下げてレオニスに感謝の意を表している。

「レオニス殿達も、いつでも我が里にお越しください!皆様方ならいつでも歓迎いたします!」

「ラウル殿もライト殿も、本当にお世話になりました。ありがとうございました!」

「マキシ兄ちゃんのことも、今後ともどうぞよろしくお願いいたします!」

皆大真面目に礼を言う八咫烏三姉妹。

レオニス達への挨拶の後に、マキシとも別れの挨拶を交わす。

「マキシ、これからも人里で頑張るのよ」

「はい……母様達も、どうかお元気で……」

「次に会う時には、私達もマキシといっしょに人里を歩けるように頑張るからね」

「ムニン姉様達なら、絶対にできます!」

「人化の術を完璧に覚えたら、また貴方がお勤めしているアイギスにも行くわ」

「カイさん達がそれを聞いたら、絶対に喜んでくれますね!」

「マキシ兄ちゃん、今度はミサキにお料理を教えてね!」

「うん、僕といっしょにラウルにお料理を習おうね」

母と姉と妹に囲まれて、マキシがもみくちゃになりながら応えている。

その瞳にはうっすらと滲むものがあったが、ここは水の中。滲んだものは瞬時に湖の水に溶け込んでいく。

そうして別れの挨拶を済ませた八咫烏母娘。

最後に水の女王や闇の女王、イードにもそれぞれきちんと別れの挨拶を交わし、おそるおそるアクアの背に乗り込んでからウィカとともにモクヨーク池に移動していった。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆

八咫烏母娘の帰還を無事見送ったライト達。

しばしの静寂の後に口を開いたのは、闇の女王だった。

『……さあ、ココ様。吾らもそろそろ帰りましょうか』

『……うん……すっごく寂しいけど、お泊まりは一日だけって約束だったもんね……』

『ええ。あまり長く暗黒の洞窟から離れるのは、まだ幼いココ様にとってよろしくありませんからな』

『……うん……』

闇の女王の言葉に、それまで元気に手を振りながら八咫烏母娘達の帰還を見送っていたクロエが途端にしょんぼりとする。

もともとクロエの初めてのお泊まりは一泊二日と決まっていて、今日は二日目。クロエ達が暗黒の洞窟に帰る時が来たのだ。

楽しい時間というのは、どうしてこうもあっという間に終わってしまうのだろう。

過ごした時間が楽しければ楽しいほど、その分別れの時が寂しくて悲しいものとなる。

クロエが口をへの字にして、必死に涙を堪えているのが分かる。

そんなクロエの頭を、横にいたレオニスがそっと撫でる。

「ココ、そんな悲しそうな顔をするな。俺達は住む家が近いんだから、会おうと思えばいつだって会えるだろう?」

『うん……それはそうなんだけど……』

「それに、ココがもっと大きくなって、もっと力をつけたら、洞窟の外に出かけられる時間も長くなるだろ? なぁ、闇の女王よ?」

『ああ。レオニスの言う通りだ。今よりココ様がもっと成長なさって、さらに知識を蓄えることで外出も自由にできるようになりましょう』

『……うん!ココ、もっともっと頑張る!』

レオニスや闇の女王の励ましに、それまで俯いていたクロエが少しづつ顔を上げていく。

神殿守護神も基本的に属性の女王と同じで、普段は己の神殿にいるのが常ではあるが、必ずしも絶対に神殿にいなければならないというものでもない。

それは海底神殿の守護神ディープシーサーペントを見ても分かる。

しかし、クロエはまだ生後間もない故に、身体の成長はもちろんのこと外の世界に対する知識が圧倒的に足りない。

今回はクロエの懇願と先日の天空島襲撃事件の働きのご褒美ということで、特別に一泊二日のお泊まり会が決まったが。これ以上未熟なまま、外の世界に出続けさせる訳にはいかない。

万が一にもクロエの身に危険が及んではいけないのだ。

そのために、レオニスも闇の女王もクロエに優しく諭す。

そしてクロエの方も、父母のそうした思い遣りを十分に理解していた。

『じゃあ、ココはこれでおうちに帰るね。パパ、ライトお兄ちゃん、ラウルお兄ちゃん、マキシお兄ちゃん、ラーデ君、さようなら。いっぱいお世話になりました、本当にありがとう』

「礼なんか要らんさ。ココは俺の大事な娘だからな」

「そうだよ!ココちゃんはぼくの妹だもん!お兄ちゃんが妹のお世話をするのは当然のことだよ!」

「そうだとも。ココちゃん、またいつでも遊びに来な。ご主人様達が不在の時でも、俺はいつでもあの家にいけるから」

「僕だって、ココちゃんのお兄ちゃんです!ココちゃんが遊びに来てくれるなら、いつだって大歓迎です!」

『うむ。何なら今度は我が単独で、暗黒の洞窟に赴こうではないか』

『皆、本当に本当にありがとう……』

ペコリ、と頭を下げて礼を言うクロエに、ラウル達がそれぞれ声をかける。

レオニス、ライト、ラウル、マキシ、ラーデ、皆の言葉のどれもがクロエにとってとても嬉しく心に響くものだった。

そしてクロエは、目覚めの湖の仲間達にも挨拶をした。

『アクアお兄ちゃん、水の女王ちゃん、ウィカちゃん、イードちゃん、今日はとっても楽しかったです。ココといっしょに遊んでくれて、ありがとう』

『どういたしまして。僕もココちゃんのお兄ちゃんで、家族になったんだからね。遠慮せずにいつでも遊びに来てね』

『そうよそうよ!ココ様はもう私達の家族も同然よ!闇のお姉ちゃんといっしょに、また皆で美味しいものを食べましょうね!』

『ボクも見た目黒猫だから、ココちゃんや闇の女王様と似てるもんね☆』

『ココちゃんって、すーっごく可愛い女のコなんだもの。ワタシも女のコのお友達ができて、とーっても嬉しいわぁー♪』

クロエの礼儀正しい挨拶に、目覚めの湖の仲間達も嬉しそうにニコニコ笑顔で応える。

アクアが右前肢でクロエの頭を優しく撫で、水の女王がクロエの手を両手で包み込むように握手をし、ウィカがクロエの足元でうなぁーん♪と頬ずりし、イードが触腕の先端でクロエの頬をちょん、ちょん、と優しく突つく。

目覚めの湖の仲間達の優しさに、クロエも終始頬が緩みっ放しだ。

そうして一頻り挨拶を済ませたところで、クロエが闇の女王とともに皆から少し離れた位置に移動する。

そして闇の女王とクロエが手を繋ぎ、空いている左手を大きく降った。

『皆、さようならー!また会おうねー!』

改めて大きな声で挨拶をするクロエに、ライト達全員が同じく大きく手を降って応える。

その数瞬後、クロエは闇の女王とともに暗黒の洞窟に向けて瞬間移動していった。