軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第1372話 春休み最後の冒険

転職神殿にて午前中ギリギリまで魔物の解体作業をしていたライト。

キリのいいところで一旦手を止め、【解体千本刀】をマイページに仕舞ってから腕を上に上げて背伸びをした。

「はーーー、今日はたくさん解体したー!」

『主様、お疲れさまです!』

『パパ様、たくさんの魔物を狩ってきたんですねぇ』

「うん、何しろあの『砂漠蟹の大鋏』を手に入れないことにはね、クエストイベントが進められないからねー」

『砂漠蟹というのは、サンドキャンサーでしたっけ……それが全部で何匹要るんですか?』

「千五百匹」

『『せせせ千五百……』』

腰を手でトントン、と軽く叩き身体の凝りを解すライトに、ルディが何気なく尋ねた質問の答えにミーナとルディが呆然とする。

軽く一口に千五百匹と言うが、現代日本で言うところのミニバン自動車くらいはある巨大なサンドキャンサーを千五百匹も狩らねばならないというのは、何気にとんでもない無茶振りだ。

しかもその理由が、クエストイベントのたった一つのお題のために要るというのだから驚愕する他ない。

しかし、ライトに言わせればサンドキャンサー千五百匹などまだまだ序の口で可愛らしいものだ。

クエストイベントで指定されたお題や素材毎に獲得できる素材の量が違うので、どれが楽でどれがキツいとは一概には言えないのだが、それでも魔物本体が万単位で必要になる『地虫の大顎』や『単眼蝙蝠の羽』、『暗黒茸の柄』に比べたらだいぶマシである。

「さて、ではぼくは一旦カタポレンの家に帰ってお昼ご飯を食べてくるね。その後また午後に来るけど、よろしくね!」

『はーい、主様、いってらっしゃーい!』

『また午後にお会いしましょう』

『パパ、またねー』

転職神殿の皆に見送られながら、ライトは一旦カタポレンの家に戻っていった。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆

カタポレンの家でラウルやラーデとともに昼食を食べたライト。

その後再び転職神殿を訪ねる前にとある場所に寄り道し、そこから転職神殿に向かった。

「皆、ただいまー」

『おかえりなさい、ライトさん』

『パパ、おかえりー』

『主様、先程ぶりですー!』

『パパ様、午後はどこにお出かけするんですか?』

再び転職神殿に現れたライトを、レアを抱っこしたミーアやミーナ、ルディが快く迎え入れる。

特にミーナとルディは、ライトから「午後にいっしょに出かけたいところがある」と聞いていたので、一体どこに出かけるのか楽しみで仕方がないようだ。

そんなワクテカ顔のミーナとルディに、ライトが種明かしをする。

「今日は、センチネルという街の海辺から行けるブリーキー島に行こうと思ってるんだ!」

『ブリーキー島、ですか?』

『初めて聞く地名ですね……そこには何をしに行くんですか?』

「ブリーキー島には『呪われた聖廟』という場所があって、そこでしか採取できない特殊な素材があるんだよね。だからぼくは、いつかは必ずそこに行かなきゃならないんだ」

『それはやはり、BCOにまつわることなのですか?』

「もちろん!」

春休み最後の日のお出かけ先、それはセンチネルの街の海辺から見えるブリーキー島にある『呪われた聖廟』。

そこには『身代わりの実追加レシピA』の材料の一つである神威鋼、その原材料となる魔物達がいるのだ。

ライトが前日にコヨルシャウキのもとでビースリー対戦をしてレベルアップしたのも、実はこの『呪われた聖廟』に挑むための下準備だった。

クエストイベントのエクストラクエスト、その52番目のお題である濃縮マキシマスポーション10個の報酬『身代わりの実追加レシピA』。

そこには神威鋼の他にも、咆哮樹の実などいくつかの材料が記されている。

実際に身代わりの実を作るには、54番目のお題である濃縮ギャラクシーエーテル10個の報酬『身代わりの実追加レシピB』を入手しなければならない。

だが、濃縮ギャラクシーエーテル10個を作る合間に身代わりの実の材料を先に取り揃えておくのもいい手だ。

そうすることで、追加レシピBを入手できたらすぐに身代わりの実の作成に取り掛かることができるのだから。

ライトはミーナとルディとともに出かける前に、レアとミーアにも声をかける。

「レアは、ミーアさんといっしょにここでお留守番しててね。レアにはミーアさんと転職神殿を守るという、とっても大事な役割があるからね」

『分かりました!パパ、ミーナ姉様、ルディ兄様、お気をつけていってらっしゃい!』

「ミーアさん、レアのことをよろしくお願いしますね」

『お任せください。ライトさんも、ミーナとルディのことをよろしくお願いいたします。そして、どうぞお気をつけて……』

「ありがとうございます!」

転職神殿で留守番をするレアとミーアに、力強い見送りの言葉をもらったライト。

今度はミーナとルディに向かって、気合いの入った言葉をかける。

「よーし、そしたらミーナ、ルディ、今からブリーキー島に行くよ!」

『『はいッ!』』

ライトはミーナとルディとともに瞬間移動用の魔法陣の上に乗り、ライトがマイページを開いて移動欄を出す。

そしてライト達はブリーキー島目指して瞬間移動していった。