軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第1197話 猛省するライトと闇の女王の依頼

時は少し遡る。

光の女王と雷の女王が、天空樹の島でユグドラエルに邪皇竜メシェ・イラーザ出現の話を伝えていた。

『何と……あの邪竜の島には、そのようなものまで潜んでいたのですか……』

『はい……ここで邪皇竜が成体化してしまったら、もはや取り返しがつかなくなります』

『ですので、ヴィーちゃんとグリンちゃんの浄化の力を邪竜の島にぶつけるつもりです』

風雲急を告げる事態に、ユグドラエルの枝葉がザワザワとざわめく。さすがのユグドラエルも、かなり動揺しているようだ。

そして二人の女王の話す計画に、ユグドラエルが心配そうに尋ねる。

『しかし、今はまだ夜明けからは程遠い時間……ヴィーちゃんもグリンちゃんも、その力を十全に発揮できないのではありませんか?』

『ええ……ですが、ここで迷っている時間はありません。一刻も早く邪竜の島を撃墜しなくては』

『そうです!邪皇竜は今も邪竜の島から涌き出ている邪竜の群れの魂を餌にして、着々と成長していってるんです!』

『確かに……あの邪竜の群れを栄養にして育っているとなると、もはや一刻の猶予もありませんね……』

ユグドラエルが神鶏達のことを心配するも、二人の女王の言い分にもまた納得せざるを得ない。

そして天空島の首脳陣達のこうした会話を、ライトとラウルもまたユグドラエルの根元で聞いていた。

「邪皇竜メシェ・イラーザ、か……俺はそいつがどんなもんか全く知らんが、女王達がここまで慌てているってことはきっと厄介な敵なんだろうな」

「…………」

「……ン? ライト、どうした?」

邪皇竜メシェ・イラーザのことを全く知らないラウルがぽつりと呟く横で、ライトは呆然と前を見つめている。

その顔は心ここに在らず、と言った感じで、そのことに気づいたラウルが心配そうにライトの顔を覗き込んでいる。

実はライトは、この『邪皇竜メシェ・イラーザ』を知っていた。

何故ならそれは、BCOにおけるレイドボスの一つだったからだ。

さすがに詳細なステータス値まではもう思い出せないが、それでも『邪皇竜メシェ・イラーザ』という名だけは今でも鮮明に覚えている。

邪皇竜メシェ・イラーザは任務レベル3と、比較的低いレベルのレイドボスだったが、それに反してHPが300万を超える超巨大な強敵。

何人もの勇者候補生が束になってかからなければ、まず倒すことなど不可能だった。ライト自身、何度『任務レベル3でこれは反則だろ!?』と叫んだか知れない。

しかし、見た目の格好良さとドロップ品の良さから、ライト達 勇者候補生(ユーザー) にとって人気が高いレイドボスでもあった。

『え、何ナニ、嘘、あの邪皇竜メシェ・イラーザが出たの!? てゆか、図書室の本で御伽噺や神話として出てきてたのは見たことあるけど……このサイサクス世界にも実在していたんだ!?』

『できるなら俺も、本物の邪皇竜メシェ・イラーザをこの目で間近で見たい!!』

BCOのレイドボスである邪皇竜メシェ・イラーザの存在を知り、一瞬だけ『見たい!』と思ったライト。

しかしそれは本当に一瞬のことで、ライトはすぐに思い直して邪念を払うように頭を横にブンブン!と振りながら猛省する。

『…………いや、絶対にダメだ。こんなこと、絶対に考えちゃいけない』

『これはBCOのようなゲームや遊びじゃない。今は天空島の危機というガチの戦なんだ。だから俺が前線に出ること自体、絶対に無理だし。そもそも物見遊山で見学したいなんて、不謹慎過ぎる……』

ライトは己の浅はかさを恥じ入るように、ギュッ!と目を瞑る。

ライトが反省したように、この戦いは天空島と邪竜の島が互いのの存亡を賭けた、正真正銘本物の戦争だ。いつものお出かけのような、冒険心くすぐられる気ままな楽しい観光や物見遊山とは訳が違う。

誰もが命がけで敵と戦っている最中に、ライトだけ『本物の邪皇竜を見たい!』などと浮かれ気分でいること自体が不謹慎極まりない。

突然頭を横にブンブン!と大きく振るライトを見て、ラウルがさらに心配しながらライトに声をかけた。

「おーい、ライト? 本当にどうした、大丈夫か?」

「……ン? ぁ、ぃゃ、ごめんねラウル。ちょっと考え事してて、よく聞いてなかった……どしたの?」

「いや、女王達が話していた邪皇竜ってやつ。ライトは知っているか?」

「えーとねぇ、ラグーン学園の図書室の本で何度か読んだことはあるよ。ものすごく大きくて強くて、邪龍の残穢の何十倍も何百倍も濃い瘴気を出す伝説の怪物なんだって」

「何ッ!? ツェリザークの邪龍の残穢より何百倍も強いやつってことか!?」

「うん、多分ね。でも、どの本にも伝説と書かれていたから、実物を見た人はいないと思うけどね」

ライトがラグーン学園の書籍で読んだ、御伽噺レベルの伝説。

それを聞いたラウルの顔が、途端に青褪める。

ラウルも邪龍の残穢のことなら知っている。ツェリザークの真っ白な氷雪を黒く穢す、ラウルにとって心底憎き怨敵である。

そして、本来なら厄介なはずの邪龍の残穢自体はラウルの敵ではない。何ならラウル自らが撃破したことだってある。

しかし、その邪龍の残穢の何十倍何百倍も強いとなると、さすがに洒落にならない。

そんな恐ろしい怪物が、ただの御伽噺や伝説ではなく本当に邪竜の島の中に実在している―――これがどれだけ危険なことか、邪皇竜メシェ・イラーザのことを知らないラウルでも十分に理解できた。

そして、ライトとラウルが小声でゴニョゴニョと話している間、二人の女王がユグドラエルにその決意と胸の内を語っていた。

『エルちゃん様、私達もグリンちゃんやヴィーちゃんとともに邪竜の島、そして邪皇竜メシェ・イラーザと戦います』

『この島まで影響が出るようなことにはならないと思いますが……もしかしたら、若干爆風など起きるかもしれません』

『エルちゃん様、どうかドライアド達と他の島々をお守りください』

『私達は必ず勝利して、エルちゃん様達のもとに凱旋しますから!』

真剣な眼差しで語る光の女王と、努めて明るく振る舞う雷の女王。

双方ともに天空島を守るために戦う覚悟を決めていた。

そんな二人の女王に、ユグドラエルも心からエールを送る。

『光の女王に雷の女王……貴女達と神殿守護神達の秘めたる力は、この私が一番よく存じています。貴女達が力を合わせて戦えば、どれ程強大な敵であろうとも……必ずや打ち勝つことができるでしょう』

『エルちゃん様……』

『信じてくださって、ありがとうございます!』

ユグドラエル直々の激励の言葉に、二人の女王は感激の面持ちになる。

そして二人の女王の視線は、自然とユグドラエルを支えるドライアド達やライト、ラウルの方に向けられた。

『ドライアド達、もうしばらくエルちゃん様をお支えしてあげてね』

『『『はーーーい♪』』』

『ライトもラウルも、エルちゃん様のこと、よろしくね』

「もちろんです!女王様達も、どうかお気をつけて!」

「おう、任せとけ。この戦いが終わったら、また皆でお茶会しような」

『…………ええ!そうしましょう!』

『是非とも楽しみにしながら頑張るわね!』

ドライアド達の可愛らしい返事、ライトの気遣いの言葉、そしてラウルの未来を確信した約束の言葉。

二人の女王にとって、そのどれもが全て愛おしく思えた。

用件を伝え終えた二人の女王は、ふわりと宙に浮き戦場に戻っていった。

ライトやラウル、ドライアド達に向けて手を振りながら帰る彼女達の顔に悲壮感はなく、ずっと嫋かな微笑みを浮かべていた。

二人の女王の背中を見送った後、ライトはラウルに話しかけた。

「ねぇ、ラウル……エルちゃんの上に飛んで邪竜の島を見たいんだけど、いいかな?」

「ン? 何で邪竜の島を見たいんだ?」

「女王様達やヴィーちゃん、グリンちゃんが戦っているところを見守りたいんだ。そっちの方向には、レオ兄ちゃんやパラスさん、白銀さん達もいるだろうし」

ラウルの目を真っ直ぐに見つめながらお願いするライト。

その眼差しはとても真剣で、決して興味本位で言っている訳ではないことがラウルにも伝わる。

自分は何もできないけど、せめて遠くからでもレオニス達の健闘を祈りたい―――ライトの切なる気持ちを察したラウルは、ふむ……と呟いた後に頷いた。

「……そうだな。ご主人様には『この島から絶対に出るな』とは言われたが……エルちゃんの上で見る分には問題ないだろ。要はエルちゃんが張っている結界内にいりゃいい訳だし」

「ありがとう、ラウル!」

自身の願いを快く聞き入れてくれたラウルに、ライトが思いっきりお礼のハグをする。

そして間を置かずに、今度はユグドラエルに対しても樹上に上る許可を願い出た。

「エルちゃん、頭の天辺にお邪魔してもいいですか?」

『ええ、いいですよ。でもライト、貴方は飛べないでしょう? ラウル、ライトが下に落っこちないようしっかり気をつけてやってくださいね?』

ユグドラエルもまたライトの願いを快諾するが、ユグドラエルは『ラウルがライトを抱き抱えるか、おんぶでもして上に連れていってやるのだろう』と思っているようだ。

ラウルに気をつけるよう注意するユグドラエルに、ライトが満面の笑みで話しかける。

「大丈夫です!ぼく、一人でも飛べるようになったので!」

「そうそう、うちの小さなご主人様はな、ついに一人で空を飛べるようになったんだ」

ユグドラエルを心配させまいとして、単身で空を飛べるようになったことを教えるライト。

百聞は一見に如かずよろしく、ライトが実際にユグドラエルの前でふわり……と宙に浮いて見せる。

それを見たユグドラエルが、思わず驚きの声を上げる。

『あらまぁ、何てこと……ライトってば、いつの間にそんな力を身に着けたのですか? ……というか、最近の人族は本当に空を飛べるようになったのですねぇ……』

「いや、それはうちのご主人様達だけに限った話だがな?」

本当に空を飛べるようになったライトを見て、ユグドラエルが心底感嘆しているが、それは凄まじく大きな勘違いというものである。

そう、ラウルの独り言にも近い呟きは『人外ブラザーズを人族の基準に据えてはいけない』という、勘違いしかけたユグドラエルへのささやかな忠告である。

「じゃ、ラウルもいっしょに上に行こっか!」

「おう、遠くからでもご主人様達を応援してやらんとな」

「うん!」

こうして二人は、早速ユグドラエルの天辺に飛んでいった。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆

ユグドラエルの根元から、一気にその天辺に飛んだライトとラウル。

周囲を見回すと、とある方向で赤と黄色に輝く何かが見える。

「あ、あれがヴィーちゃんとグリンちゃんがいるところかな?」

「そのようだな。邪竜の島は……ちと見え難いが、あの赤と黄色の光の向こうに島が浮いてるのが薄っすらと見えるな」

「ホントだ、あれが多分邪竜の島だね」

早速神鶏達の居場所を見つけたライトとラウル。

この二人もまた闇の女王とクロエの加護を得ているので、夜でも視界を失うことなくよく見えている。

さすがに邪竜の島の内部、邪皇竜メシェ・イラーザの魔法陣や邪竜召喚のための魔法陣などは見えないが、それでも邪竜の島の遠影を見るだけでも二人の中に緊張感が走る。

あの島の前で、レオニスやパラス達天使、援軍に呼んだシュマルリの竜達や竜騎士の皆が懸命に戦っているんだ―――そう思うと、ライトもラウルも皆の無事を願わずにはいられない。

固唾を飲みながら、レオニス達のいる方向を見つめるライトとラウル。

するとその時、二人の背後から突如声をかけられた。

『ライト、ラウル、ちょっといいか?』

「「???」」

突如自分の名を呼ばれたことに、二人が思わずクルッ!と後ろを振り返る。

するとそこには、闇の女王がいた。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆

「え? 闇の女王様?」

「何で闇の女王がここに?」

突如現れた闇の女王に、ライトもラウルも思いっきりびっくりしている。

闇の女王がライト達の所在を掴むこと自体は、然程難しいことではない。彼女がライト達に与えた加護や闇の勲章の在り処を辿れば、自ずとライト達のいるところに辿り着く、という寸法だ。

しかし、今の闇の女王にそれをゆっくり説明している暇などない。

驚愕に染まるライト達に、闇の女王が早速要件を伝え始めた。

『二人とも、驚かせてすまんな。時間が惜しいのでさっさと要件を伝えるが、二人に折り入って頼みがある』

「??? 闇の女王様が、ぼく達に頼み……ですか?」

『ああ。二人には、暗黒の洞窟におられるココ様を迎えに行ってもらいたいのだ』

「え!? それってまさか……ココちゃんをここに連れて来いってことですか!?」

『早い話がそういうことだ』

闇の女王の頼みを聞いたライト、目をまん丸にして驚いている。

もちろんライトの横にいるラウルも同じように驚いている。

闇の女王は、普段は過保護なくらいにクロエの身を守ることに腐心している。

その闇の女王が、よりによって邪竜達との戦いの真っ只中であるこの天空島に、よもやクロエを連れて来いと言うとは思いもしなかった。

完全に予想外の頼みごとに、今度はラウルが闇の女王に問うた。

「こんな危険な場所に、わざわざココを連れて来いという理由は何だ?」

『それはもちろん。あの邪皇竜メシェ・イラーザを封じるためだ』

「「…………」」

闇の女王の思いがけない答えに、ライトもラウルも思わず言葉に詰まる。

そんな二人の戸惑いを他所に、闇の女王がその詳細を語り続ける。

『本当は吾としても、できる限りココ様の御身を危険に晒すような真似は避けたいのだがな……今回ばかりは、そうも言っていられん。あれは何としてもここで食い止めねばならん』

「……ココがいれば、邪皇竜を封じることが可能なんだな?」

『ああ。というか、ココ様の御力なくしてあれを封じることはできん。もっとも、必要な力はココ様だけではないのだがな』

ラウルの確認めいた問いかけに、闇の女王は即時肯定する。

普段過保護な闇の女王が、クロエの身を危険に晒してまでもなさねばならないこと。それは、今まさに天空島が直面している危機、邪皇竜メシェ・イラーザを封じること以外にない。

闇の女王の口から直接理由を聞いたラウル。

意を決したように、闇の女王の依頼を引き受けることにした。

「……分かった、俺が暗黒の洞窟に迎えに行こう」

『おお、そうしてくれるか!』

ラウルが出した答えに、闇の女王が破顔する。

邪皇竜メシェ・イラーザを封じ込める、その具体的な方策はまだ何も聞いていない。だがしかし、闇の女王が何の迷いもなく『クロエの力が必要だ』と言い切るからには、間違いなくそうするべきなんだろう―――ラウルはそう考えたのだ。

しかしラウルには、もう一つ闇の女王に聞きたいことがあった。

ラウルは迷うことなくその質問を闇の女王に投げかけた。

「闇の女王よ、ココを迎えに行くのは俺一人でもいいか?」

『いや、できればライトにも同行してもらいたい。ココ様は日々成長しており、身体も大きいのでな。其の方一人でココ様を連れて来るのは、さすがに厳しかろう』

「……ぁー、うん、まぁ、確かに、な……」

本当はラウルとしても、自分一人で迎えに行けるならそうしたいと思っていた。ラウルもまた闇の女王同様、ライトに対して保護者であるという自負があるためだ。

しかも今は、ライトの本当の保護者であるレオニスがここにいない。レオニス不在の今、ライトを守るのは俺の役目だ!という思いがラウルにはあった。

故に、なるべくならばライトを危険な目に遭わせたくない。そう思ってラウルは自分一人での迎えを申し出たのだが。それは闇の女王に暗に却下され、しかもその理由を聞いてラウルも納得してしまう。

クロエはノワール・メデューサというメデューサ族で、下半身が大蛇の姿をしている。その全長は、上半身の人族の部分を含めると優に5メートルを超える。

これをラウル一人で抱き抱えて連れてくるというのは、物理的にもかなりキツいだろうことはラウル自身容易に想像がついた。

もしこれが、今よりさらに月日を経てクロエ自身もっと成長していたなら。例えばアクアのように、身体の大きさもある程度自由に変えられるのだろう。

しかし、クロエはまだ生後一年も経っていない。今のクロエには、自身の身体の大きさを自在に変えることはまだできなかった。

そしてそれ以外の理由も、闇の女王の口から語られた。

『それに……ライトはココ様が心より兄と慕う家族。ライトがいっしょに行ってくれれば、きっとココ様も安心して暗黒の洞窟を出て、この天空島に来てくださるだろう』

「そうか……ま、そういうことなら仕方ないな」

闇の女王の話に、ついにはラウルの方が折れた。

確かにクロエは、生まれてこの方一度も暗黒の洞窟の外に出たことがない。

いや、暗黒の洞窟どころか普段暮らす最奥の間からすら出たことがない。正真正銘の箱入り娘である。

そんなクロエが、闇の女王も伴わず生まれて初めて外の世界に出るのだ。きっと心細く思うこともあるだろう。

そんな時にライトが傍にいれば、クロエは大いに励まされるに違いない。

闇の女王が、ラウル一人でクロエを迎えに行くことに難を示したのは、まさにこれが理由だった。

そして、ラウルの方もしばし考え込み思い直す。

今のライトなら、ラウルが飛ぶのと同じ速さで飛ぶことができるし、決して足手まといにはならないだろう。

何ならラウルがクロエの上半身をお姫様抱っこして、ライトが下半身の大蛇の尻尾の方を持てば、移動もかなり楽になるに違いない。

そしてライトの方も、ただここでじっとしている訳にはいかない。

この戦いで、ユグドラエルを支援する以外にも何か役に立つことができるなら、それこそ本望というものだ。

ライトもラウルとともに天空島の戦いに貢献するべく、ラウルに声をかけた。

「ラウル、ぼくもラウルといっしょに行く!」

「ライト……ここにいる方が安全だぞ?」

「安全か安全じゃないかなんて、そんなの関係ない!この戦いにココちゃんの力が必要で、ココちゃんも皆といっしょに戦うってんなら、ココちゃんのお兄ちゃんであるぼくだって戦う!」

ライトの懸命な姿に、ラウルはしばしの沈黙の後徐に口を開いた。

「……そっか。兄ちゃんなら妹を守らなきゃならんな」

「うん!」

「じゃ、俺といっしょにココを迎えに行くか」

「うん!!」

闇の女王が最初に言ったように、ラウルもライトがともに暗黒の洞窟にクロエを迎えに行くことに同意した。

二人の間で同意がなされたことを見届けた闇の女王が、小さく微笑みながら二人に声をかけた。

『話はまとまったようだな。早速だが、暗黒の洞窟におられるココ様を迎えに行ってくれるか?』

「分かりました!」

『おそらくは、時間の猶予はもう幾許も残されてはおらん。一刻も早くココ様をここに連れて来ておくれ』

「おう、任せとけ」

ライト達が闇の女王に託された任務。それは間違いなく、世界の命運がかかったこの決戦の行方を大きく左右する。

この重大な任務を遂行するべく、二人はすぐに天空島内にある転移門に向かって下りていった。