軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

047

硬直した身体をなんとか動かそうとするが目の前の異形のドラゴンから目を離すことができなくなってしまう。

そんな俺をめがけて飛んできたドラゴンゾンビの爪が目前に迫ってくる。

『キュアアアアアア!』

『グモォオオオオオ!』

レイとエースが間に入るようにその爪を弾いた。

「ありがとう!」

そのまま二匹の咆哮がドラゴンゾンビの咆哮を跳ね返す。

おかげでようやく身体が自由に動くようになった。

初撃を弾いた後もドラゴンゾンビの攻撃が襲いかかってきていたが、すぐに霧化をして攻撃を躱す。

「おお……!」

いきなりの実戦だったがうまくいってよかった。

自分の身体をすり抜けていくというのは不思議な感覚だが。

「今のスキルは【威圧】の上位互換ね。また来た時は気をつけて!」

「ありがとう」

それだけ言うとミルムは素早く羽を広げて飛び上がる。

同時にミルムの周囲を黒い魔力が覆い隠すほどに溢れ出した。

「宵闇の魔力が貴方だけのものではないこと、見せてあげるわ」

ドラゴンゾンビとミルムの視線が交わった瞬間。

「食らいなさい!」

ミルムの身体から黒い魔力がほとばしる。

そのままその黒い魔力の塊が、雷のようにドラゴンゾンビに降り注いだ。

「グルァアアアアアアアアアアアアアアアア」

「効いてるな」

「油断しないで」

「っ!?」

ミルムの声を受けてすぐに覚えたての霧化を行う。

危なかった……。霧になった俺の身体をドラゴンゾンビの尻尾が真っ二つに切り裂いていた。

「今のでようやくこちらにターゲットを移させた程度。倒そうと思わなくていいわ。30分、いえ、相手に魔力を消費させればもっと短く済むからそれを狙うわ」

俺より圧倒的に強いミルムが倒そうと思っていないことがドラゴンゾンビの強さを表していると言えるだろう……。

「ちなみに霧化って魔法攻撃には……」

「モノによるけどほとんど効かないわね!」

「まじか……」

そしてなぜかそれを告げたミルムは楽しそうだった。

ドラゴンゾンビに派手な魔法をぶつけ続けながら、満面の笑みを浮かべていた。

あれか……? 封印されてたって言ってたし、鬱憤が溜まってたんだろうか……?

そう思うと俺と戦ったときにこの勢いで来られなくて本当に良かったと思う……。

「グギャァオオオオオオ」

「うるさいわね!」

「ギャァアアアアアアア」

もちろんミルムの攻撃をドラゴンゾンビも黙って受け続けているわけではない。ちょこちょこ尻尾やら爪やら噛み付きと言った物理攻撃は繰り出すが、どれもミルムに届く前にミルムの魔法に撃ち落とされるように弾かれているのだ。

これ俺、要らなかったのでは……?

「口の中がガラ空きね」

「グギャルァアアアアアア」

今もまた噛み付こうとしてきたドラゴンゾンビの口の中にミルムの魔法が打ち込まれていた。