軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

025

「どうだ……?」

白炎も爆発で発生した煙も徐々に晴れてくる。

「嘘だろ……」

その中から、全く無傷のヴァンパイアが姿を現した。

なんなら放った本人のほうが魔力切れに加えて余波で吹き飛ばされてダメージを負う始末だった。

これも道中で身につけた「魔力強化」とかがなかったらそもそも撃てすらしなかっただろうな……。

「面白いじゃない。少し興味が出たわ」

現れたヴァンパイアから少しだけ敵意がなくなったように見えた。

なんでだ? 戦うと興味が出るのか?

もしかすると本気なのはこっちだけで向こうは遊びのつもりだったからだろうか。ありうるな……。

「で、あなたは何をしにここに来たのかしら?」

一瞬の猶予。

頭の中に高速に様々な事象が飛び交う感覚を得る。

返答を間違えれば殺される。そう本能が告げていた。

元々はギルドの調査を受けたから……。いや違う、俺のネクロマンサーとしての情報収集のためだ。ここで得られることはないかという思いと、さらに希望的観測に基けば何か知っていそうな人物がいないかということになる。

そう考えると目の前のあまりに強すぎる美少女は、それに該当するように感じ始めた。

結果、口から飛び出したのは自分でも驚く台詞だった。

「君に会うため?」

「……へっ!?」

ボンっと火が出るかと思うほど急激に顔を赤くされてしまった。

「なななななにを言っているのかしら!?」

「いやほんと、自分でもそう思う」

「突然過ぎるわよ! そういうのはもっと時間をかけてお互いを知って、ロマンチックな雰囲気で……って何を言わすのよ!」

あからさまにテンパっていた。

でもそのおかげでようやく目の前の存在を落ち着いてみることができた。

改めて確認する。

「ヴァンパイア……だよな?」

「それを知ってこうして普通に話しているところは本当に、面白いわね、あなた」

スッと彼女の瞳から完全に戦意が消えたように思えた。

羽がなくなり、金に輝く瞳はブルーに変化し、少し落ち着いた顔つきになったように見える。

「ただ、一緒にしないでもらえるかしら? ただのヴァンパイアではないわ」

そう言って一回転すると、黒い霧が体を包み衣装が変わった。

先程までの動きやすそうな格好ではなく、豪華なドレス姿だった。

「ヴァンパイアロード。この地のヴァンパイアたちを統べる存在よ」

「おお……他にもヴァンパイアがいるのか」

「えっ!? えっと……そうね? 多分いるわ? いると思うの……いるもん……部下……ぐす……」

なんでだろう。泣かせてしまった。

「えっと……悪かったよ……?」

「うう……」

雰囲気の変わった少女は、先程までの強者のオーラをすっかり潜めさせていた。