軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

205 戦闘開始

「来たっ!」

見張りからの連絡を受けてアイルが動く。

『敵影およそ二〇〇〇……なかなか数を揃えてこられましたな』

「二〇〇〇もっ!?」

王都騎士団は総勢三〇〇〇とされる大組織。

常駐するのは半数だが、その常駐部隊が全て出てきた形であることと、カイエンが手当り次第に冒険者たちを集めた結果でもあった。

『しかもそれぞれが未知の魔道具を所有しているとか……』

「……」

思い描いたシナリオ通りではある。

最悪のシナリオではあるが。

「これではまるで……スタンピードと同じ……」

『あのときも確かに、未知の相手がうじゃうじゃと現れたものですな』

「じぃや……」

『あのときとは違うのです。こちらにも戦力が整っているのですから』

前回を知っているからこそ、ロバートから出る言葉にアイルは勇気づけられる。

気持ちを持ち直したアイルが改めて戦況を確認した。

「数は良いとして、単独で厄介な敵は……」

『先頭をいく団長、副団長は言わずもがな、それぞれの隊長はAランク上位相当からSランク。副長格も皆Aランク相当……つまりうちの上位種と単騎でやりあえますな』

「団長、副団長で二、隊長が七、副長二〇……そして冒険者が……」

『単独で行動する冒険者はもはや索敵が追いつきませんが、最上位種を当てたほうが良い相手が少なくとも五はおりますな』

対する領地の戦力は最上位種がロバートを含め二十五体。

上位種は百以上が揃っている。

「質の上では、我々が勝っている、と」

とはいえ油断できる状況ではもちろんない。

アイルが指揮するこの騎士団は、最上位種はすべて遊撃部隊になっている。

歩兵を束ねるのは知能が高い上位種のアンデッドに任せ、力が高く知能が低いアンデッドなどは個としての活躍を期待したスタンスを取っている。

言うことを聞かないわけではないが知能が低い。ということは、アイルがしっかりと知の部分を補った采配を見せれば問題がないということになるのだ。

「まずはセラさんから頂いたゴーレムで足止めと様子見を! 歩兵は上位種の指揮のもと待機。最上位種のうち動きが遅いものは予定通り各拠点に待機して、機動力のあるものは索敵した冒険者の相手を!」

アイルの元に集まる情報も、アイルが伝達する情報も、すべてロバートの指揮下にあるゴーストメイド部隊が伝えていく。

ロバートはまだアイルの側についていた。

程なくして、両者が激突した報告が入る。

いよいよ、戦争が始まった。