軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

197 クーデター【騎士団視点】

ミレオロの真意が明かされたとき、その場にいたのはクエラだけだった。

同行していた騎士団の人間たちは、別働隊として森の別の場所に向かっていたのだ。

「団長……本当にエルフを……」

「くどいぞガルム。これはもう国としての決定事項だ」

「ですが……」

団長ベリウスに食い下がるのは騎士団ナンバーツー、副団長ガルムだった。

以前からミレオロに対して否定的だった彼だが、今回の作戦はそれにとどめを刺す形になっていた。

「罪のないエルフたちを……」

その時だった。

――ドゴン

ミレオロたちが準備を進めているはずの場所で、巨大な爆発が起きていた。

「急げ! 向こうは俺たちを待ってはくれん。間に合わなければ俺たちごと焼き払うつもりだ!」

「うげぇ……あんなバケモンにやられるくらいなら罪がなかろうがなんだろうがエルフと遊んだほうがよっぽどましだな」

団長の言葉に続いたのは実質上騎士団のエースであるヴェイ。

素行の問題から隊長格ではないものの、実力はもう誰もが認めるところだった。

「くそ……」

「ガルム副団長……あの地に、あの人間たちに私は悪意を感じませんでした」

ガルムに賛同したのは若手のジルだ。

あの地の視察に行った人間の反応は二極化していた。

団長ベリウスとヴェイは、あの地を危険なものであると断定し、徹底抗戦のためにミレオロとの協力に前向きだった。

一方このガルムとジル、そしてベテラン騎士であるビンドは……。

「ジル。やめろ、お前はまだ若い」

「ですが!」

「気持ちはわかる。だがここで何かできるわけではなかろう……」

「ぐ……では、黙ってこのまま、罪のないエルフが焼き殺されていくのに協力しなければいけないのですか……」

「いや……」

ビンドが笑う。

「ガルム副団長と俺に任せろ」

「え……?」

不敵に笑うビンド。

その言葉に驚いたのはジルだけではない。

「お前……」

「お供します。副団長」

副団長ガルムがこの作戦で離反することを、ビンドは悟っていたのだ。

――ドン

森には再びメイルの大魔法が炸裂していた。