軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

181 神竜殺し③

「ほう……これは……」

神竜の雰囲気が変わる。

届くということだろう、これなら。

「いや、ミルムがここまでしたのに失敗するわけにはいかない……!」

「良かろう……よく狙うのだぞ……」

「うおおぉおおおおお!」

極大の黒の刃が神竜の首に向けて真っ直ぐ伸びていく。

「いけぇえええええええ」

「ふむ……確かに、届いた」

突きの要領で繰り出した剣が何かを捉えた感触を得る。

剣身が巨大だったからだろう。突きだけで首を落とせたらしい。

──ドシン

空間全体を震わせながら神竜の首が落ちる。

それと同時に、支えを失った巨躯が地面に倒れ同じく空間を震わせた。

「【ネクロマンス】」

右手をかざす。

──大地の覇者ベリモラスのネクロマンスに成功しました

──ベリモラスが使役可能になりました

──ベリモラスの能力を吸収しました

──ユニークスキル【大地の覇者】を取得しました

──ユニークスキル【神竜の加護】を取得しました

──能力吸収によりステータスが大幅に上昇しました

──使い魔強化により使い魔のステータスが大幅に上昇しました

「流石は神竜……ここまで一気に強化されるのか……」

『ほう……これがお主の力というわけか』

「ああ……ってなんか随分小さくなってないか……?」

そこにはほとんど肩乗りサイズと言っていいほど小さくなった竜がいた。

全長はそこそこあるが身体の半分以上が細く伸びた尻尾だ。

随分身軽になったものだった。

『ふふ。器など大きくても不便なだけよ。大きさなどいくらでも変えられるからな』

「それはすごいな……」

『さて、我は自由にして良いのだな?』

「ああ。俺の意に反する行動……人間に被害を出したりしない限り問題ない」

『良かろう。我は見たいだけだ。外をな』

「なら自由に見てきてくれ。何かあれば教えてくれるとありがたい」

『うむ……』

「あ、そうだ。身体はもらうけど、いいか?」

『良かろう。そんな器に今さら意味などない。さて、我は行くぞ。この姿ならばあの結界も意味をなさぬからな!』

言うが早いか、ベリモラスはダンジョンへ向かって飛んで行った。

まあ何かあれば呼べるし良いだろう。

「さて……あ、起きてたのか。ミルム」

「ええ。あの神竜の力が身体に流れ込んできて回復したようね」

「なるほど……っていきなり立たないほうが……」

「大丈夫よ。それより急ぎたいわ」

「急ぎたい……?」

まだ本調子ではないことはわかる。

だがミルムはすぐに動き出したい様子だった。

「このダンジョン、帰りも同じようにやるしかないのよ。出来ればあの神竜が行手を阻む障害を無理やり跳ね除けてくれている間についていきたい」

「そんな状態で大丈夫なのか?」

「私を誰だと思ってるのかしら? それにほら、貴方がくれた髪飾りもまだあるわ」

それにどれだけの意味があるかは分からないが、止めても仕方ないことだけはわかった。

「気をつけてな」

「ええ」

「レイ、エース、アール、頼んだぞ」

『キュオオオン』

『グモォオオオ』

『きゅるー!』

それぞれ元気よく返事をしてくれる。

「貴方は……」

「ここにあるものを回収しながら待ってるさ」

「ええ。じゃあまた……」

「ああ」

ミルムたちにはまた苦労をかけてしまうのかという思いもあるがやむを得ない。

俺は俺でやることを済ませよう。

「すごい量だな……」

まず視界に入らないほどのベリモラスの骸を回収する。

するとそれまで隠れていたあらゆる財宝が姿を見せたのだ。

金銀などの貴金属、宝石や、当時のものと思われる豪華な布や宝具、武具など。

後ほど鑑定を行うとして、素人目に見てもとんでもないお宝であることは簡単に見抜けるものだった。

「急がないとすぐに喚び出されるからな」

ミルムたちの無事を祈りながら、部屋にあった財宝たちの回収に向かった。