軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

159 王都騎士団

「これはこれは、よくぞお越しいただきました。本来であればこちらからお伺いせねばならなかったところを……」

王都騎士団。

団長ベリウスは腰の低い男だった。

「いやいや、こちらこそすまないねえ、突然お邪魔してしまって」

「そんなことはございません。お忙しい中すみません……それにまさかあのドラゴンゾンビ討伐の英雄が直々に来られるとは……」

セシルム卿の言葉に答えてすぐ俺とミルムの方に視線をよこすベリウス団長。

同席する副団長のガルムはこちらを見て何故か顔色を悪くしていた。

団長のベリウスは体格こそ大柄なもののその表情にはしわも走る程度には老けている。

同じ団長だったはずのロイグのことを考えるとかなり年齢差を感じる。

一方ガルム副団長はどちらかといえばロイグの雰囲気に近かった。

切れ込みの目立つ坊主頭をはじめ、見える範囲だけであちこちに傷が着いている一見してわかる猛者だ。

「さて、お互い忙しい身だ。早速だが本題に入らせてもらおうかね」

セシルム卿がそう促したことで話が始まった。

ほとんど同時にお茶菓子が運ばれてくる。

まんじゅうか、ミルムの目が輝いているが今日の目的を考えるとあまりバクバクいってほしくはないんだが……言うだけ無駄か。

「まずは君たちの力を王都騎士団に見せつけようじゃあないか」

「実力……?」

セシルム卿の話はこうだった。

「そうさ。実力のあるものは相手の立ち姿だけでも力量を見極めると言う。私もこう見えて一応の鍛錬は受けてきている身でねえ。君たちはもちろんアイルにも及びもしないが……それでも君たちから溢れる強者の風格は感じ取れる」

その言葉にすかさずミルムが突っ込んだ。

「目の当たりにしたからではなくて?」

「まあそれもあるだろうねえ。とはいえ相手は王都騎士団。その程度の品定めをする眼は持っていると信じたいが……そうじゃなくても今回も同じさ。同じことをやる」

「同じこと……?」

「ああ、模擬戦さ。こちらからの提案を向こうは断るすべなどないのだからねえ」

「なるほど」

まあそれが一番わかりやすくて良いだろう。

「えっ⁉ 私もですか⁉」

「当たり前じゃあないか。私にも見せてくれたまえ。二人についていったことでどこまで強くなったかをねえ」

戸惑うアイルに対してセシルム卿は楽しそうに笑みを浮かべるだけだった。