軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

127 フェイド幼少期視点

「すげー! またランドだ!」

「これで何連勝だよあいつ……」

「才能あるやつってやっぱちげえよなあ……」

くそっ……。

地べたに転がる俺は息も絶え絶えだというのに、あいつは、ランドは息ひとつ切らさずに皆にもてはやされていた。

「あっちはダメだな……」

「フェイドだっけ? 全然才能がないよなぁ……」

「何回もランドにやられてんのに、だっせー」

好き勝手言ってくれる……。

そこまでいうなら自分たちで一度、ランドに勝ってみて欲しい。

天才神童、ランドを相手に。

だが……。

「勝てない……」

知識でも剣でも、ランドは同世代を圧倒していた。

街の誇りとすら言われたランドに、俺は何ひとつ、勝つことができなかった。

そんな俺にランドが近づいてくる。

「フェイド? いつもありがとね」

「は?」

「いや……フェイドが本気でぶつかってきてくれるから、俺は強くなってるんだと思う」

こいつ……。

差し出された手を取って立ち上がる。

「もう一回やる?」

「勘弁してくれ……」

けろっとした表情で言ってくるが、こっちはさっきので満身創痍なんだ。

なんでこいつはこんなに……。

そう思ったとき、何故か不思議と、こんな言葉が口をついて出てきていた。

「なぁ」

「うん?」

「お前がいつも何してるのか、どうやって強くなったのか、俺にも教えてくれ」

ランドは少し驚いた顔をして、ポリポリと頰をかいてこう言った。

「いいよ」

「はぁ……はぁ……嘘、だろ?」

「あはは……でも付いてきてくれるの、フェイドが初めてだよ」

次の日、ランドに言われて街外れの森の入り口で落ち合い、ここまで半日ランドの日課に付き合った。

「これを……お前は、まだ倍やるのか?」

「うん。これで三分の一かな?」

「なっ……」

走り込み、素振りに始まり、様々な訓練に付き合った結果、すでに俺は身体が持ち上がらず地面に倒れている。

森の一画はいつのまにかランドのトレーニングスペースに改造されていたようだ。

「フェイドはちょっと休んでてよ。もう少しやってくるから」

「くっ……」

待てと言おうとも思った。

必死で食らいつこうとも考えた。

だが俺は……。

「頑張れよ」

「うん! ありがとう」

そう言って送り出してしまった。

もしこの時俺が死ぬ気であいつについていっていたら……。

もしこの時俺があいつを引き止めてでも追いつこうとしていたら……。

何かが、変わっていたかもしれない。