軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第68話「ルナとの再会」

#第68話「ルナとの再会」

俺とひよりは、ルナに会うために八王子の指定された住所へ車で向かった。

運転してくれている職員さんによると、ナビが示しているのは「かなり有名な道場」らしい。

「……本当にここで合っているのか?」

正直、俺はルナの素性など気にしていなかった。久しぶりに昔の仲間に会えることが嬉しかっただけだったが、やはり予想外の状況に困惑した。

住所の場所に着くとやはり立派な門構えの道場があったのだ。本当にここで間違いないのか?

何かの間違いかと思いつつも、念のためインターフォンを鳴らす。

「はい、どちら様でしょうか?」と女性の声。

「結城 蓮(ゆうき・れん) と言います。ルナさんに呼ばれて来ました」

「……レン様ですね。ルナお嬢様から伺っております。しばらくお待ちください」

「お嬢様……?」

俺とひよりは顔を見合わせる。やはりルナは只者ではないらしい。

ほどなくして玄関が開き、白い稽古着姿の女性が現れた。

「レンでいいのかな?久しぶり、いや初めましてというべきか。会いたかったよ」

「……ああ、ルナ。久しぶり。確かに実際に会うのは初めてだよな。よく知っている人なのに変な感覚だ」

2人はずっとゲームの中では親しくしていた。ゲームに関することはもちろんのこと様々なことに関して話をした仲だ。とは言えそれはネットの世界。バーチャル空間での話であった。実際に会うのは初めてのことでお互いに少し困惑していた。

でもそこで、ひよりが興奮気味に囁いた。

「レン、この人……あのルナだよ!有名人の!」

「え、ルナが有名人?そう言われても俺は全然知らないのだけど……」

「配信で知らない人はいないよ。4階層をソロで戦う女性剣士として、ハンターの憧れなんだから!」

「……配信?ルナはハンター、そして有名人なのか?」

俺は首をかしげるばかりだ。

「ああハンターやっているし、配信もやっているよ。少し有名らしいが私も詳しくはよく知らない。活動状況をドローン使って流しているだけだからな。それよりも中に入ってくれ」と促された。

そのまま道場の中に通され、大広間の畳の部屋に腰を下ろした。凄いところだ。ちょっと落ち着かない。

すると、ルナはいきなり深く土下座するかのように深く頭を下げた。

「レン、あの時はクランから追放してしまって……本当に申し訳なかった」

俺はたたただびっくりした。こんな綺麗な女性に土下座させる男って絵柄だけ見たら大変なことだ。ちょっとまずい。

「いや、ちょっと待て。まずは頭を上げてくれ。俺の方こそ何もできなかったから仕方がない。だから気にするなよ。他のみんなも賛同していた中でルナだけではどうしようもなかっただろう」

ルナは顔を上げ、真剣な瞳で続けた。

「ありがとう。でも、レンと一緒にやっていたあの頃が一番楽しかった。戦術を練って、工夫して、皆で挑むのが……。けど、新しいクランではただ武器を与えられるだけで何の工夫もない。そこには楽しさなんてなかった。気が付くのが遅すぎたよ」

「その後……君がゲーム内で立ち上げた新しいクランにも連絡したんだがすでに君は抜けていた。両親に不幸があってゲームを辞めたと聞いて、もうコンタクトが取れないのかと絶望したよ」

「だからずっと後悔してたんだ。そして世の中が変わり、私もハンターになったとき……君のことを思い出した。ずっと、君に謝りたいと思っていた。そんな時に『エクリプス』というクラン名を聞いてな、レンがいるかと思ってつい連絡したんだ」

「なるほどな。わざわざありがとう。ずっと探してくれてたんだな」

俺は少し照れながら答えた。

だが、ひよりは未だ納得いかない様子で俺を見つめる。

「ちょっと待ってよ、レン。本当に知らないの?ルナは本当にハンター業界の配信者としてトップクラスの有名人よ。何でレンはハンターやっているのに知らないのよ。ネットで研究とかしてないの?」

「……いや、俺はネットで攻略情報などの調べ物はするけど、配信なんて見たことがないしな」

まるで俺だけ取り残されているようで、少しばかり居心地が悪かった。

「レン、ということはやはり君もハンターをやっているのかい?」

「ああ、ここ1年ぐらいハンターをやっているよ。まだまだ実力は低いけどね」

「レンもハンターしているのであれば丁度良かった、私から君にいろいろと提案したいことがあるんだ。できれば君と一緒にもう一度戦いたいと思ってさ」そう言ってルナは話を続けた。