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作品タイトル不明

第60話「FSの謎に迫る」

#第60話「FSの謎に迫る」

今日も恩方ダンジョンの三階層での討伐を進めている。休憩がてら、ふと思い立って使役モンスターの二体に念話で問いかけてみることにした。周りに人はいないはずだが、念のため念話で確認する。

――<<なあ、ラム。ステータスにある<FS>って、何か心当たりはあるか?>>

<<といいますと?>>と、念話ながらいつもの落ち着いた声が返ってくる。

――<<他の使役モンスターは<FS1>らしいんだ。でも、ラムは最初から<FS2>だったよな?>>

<<ちょっとよく分からないですね。私の一番古い記憶は、ご主人様に撫でてもらって、名前を呼んでもらったことです。そしてその時に、期待してくれるこの人のために頑張ろうって思ったんです。……あとは、レベルアップの時に<FS>の数字が増えたのですよね。最初は念話ができて、次に会話できるようになった……そういう流れですね>>

なるほど。だとすると、他の使役モンスターが<FS1>のままというのが逆に謎だ。単純にレベルアップさせるだけでは駄目なのか?

――<<リンはどうだ?>>

<<はい、ご主人様。私もラムと同じだと思いますです。最初の記憶は、ご主人様に撫でてもらって、名前を呼んでもらったのが一番古い記憶です。とても嬉しかったことを覚えていますです。ご主人様のために頑張ろうって思いましたです>>

ラムもリンも同じか……となると、ほぼ最初から<FS2>になっていたのかもしれないな。

あとレベルアップの度に<FS>の数字が増えるのは確かで間違いなさそうだな。

となると……その前に名前を付けたことで<FS>が2から始まる? そう仮定すれば説明はつく。だが、俺は名前を付けないパターンを他の使役モンスターに試した例がないから現時点では断定はできない。

<<ご主人様。ロアはまだFS2のままと思いますです>>とリンが付け加える。

……そうだな。ロアのことも気になる。やはり名前を付けた時点で<FS2>になって、以降レベルアップで数字が増えていくのか、凄く単純だけどそんな可能性が高い。今はまだロアはレベルアップしていないから<FS2>であることは整合性が取れている。

「とりあえず、それぐらいしか分からないな。次の報告で朝倉さんに伝えてみるか」

――<<ありがとう。まだよく分からないことばかりだから、また<FS>について聞くかもしれないがその時は宜しく頼むよ>>

<<とんでもないです。何でも聞いてください。分かる範囲で回答しますので>>

<<私もですです。何でも聞いてくださいです>>

その夜、自宅に戻ってからひよりにも話をした。

「名前を付けると<FS2>になる、って仮説ね。でも他で使役モンスターに名前を付けているとか聞かないから……そうかもしれないし、そうでないかもしれないけど、他に思いつかないわね」

「うん。これが正解だったらかなり拍子抜けだな。かなり単純。でも他に思いつかないから、とりあえずそんな感じで朝倉さんに報告してみようと思う。ラムとリンからの話を含め伝えるよ」

「ならば実験は簡単よね。使役モンスター出している人がその使役モンスターに名前つけるだけでいいし。もしくはレベルアップさせるだけでも何かが分かる」

「そうだな。あとは朝倉さんに任せよう。名前つけるだけで<FS2>になるならば実験は簡単だ。それで<FS2>になれば、あとはレベルアップさせるだけだ」

結論はまだ出ないが、小さな糸口を掴めた気がした。後は朝倉さんがいろいろと調べてくれるだろう。これだけで<FS>が増えていくならば凄いこと、大きな進歩になるだろう。

本来は俺に次の使役モンスターが出た時に名前を付ける前後で状況を確認すればいいのだけどかなり先になりそうだから仕方がないよな。