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作品タイトル不明

第48話「朝倉さんへの報告」

#第48話「朝倉さんへの報告」

いつもと同じようにひよりと一緒にハンター協会本部ビルの朝倉さんのオフィスへ向かった。

まずはいつもの定期報告だ。

「何か新しいことはあったかな?」

「はい。そろそろ私と、使役モンスターのラムとリンがレベル3にレベルアップしそうです」

「ほう。それはめでたいな」

「レベルアップする前にも再度連絡させていただいた方がいいでしょうか?」

「レベルアップはいつ頃になる?」

「はい。前にも連絡させていただいた時期とほぼ変わらないです。早ければ2日後ぐらい、遅くても1週間以内にはすると思います」

「日程によってはエリナ君が同行すると思う。一緒に確認してもらえると助かる」

「分かりました」

「それと少し遅れましたが、1階層と2階層の討伐レポートを簡単にまとめました。目を通していただければ」

朝倉さんがレポートに目を通した途端、眉を上げた。

「……ストロングゴブリンの討伐方法はおもしろい。が、それよりこちらだ……ストロングスライムの核の場所の考察?なんだこれは?」

「はい。確証はありませんが、統計的に核は右下──討伐者側から見れば左下にあることが多いと思っています。一撃で倒せた場合や一気に弱った場合は、その位置に当たっていたことが多かったです」

「とは言っても核に当たったと思われる事例が少なく200程度しかないのであくまでも推測にすぎません。左側3割に対して右側が約7割、そして右下がそのうちの約7割になっており全体の半分近くが右下に核があったということになります」

「右利きの剣士が多いため相手の左側上部に攻撃が当たりやすく、スライム側が学習して核を右下にずらしたのでは……と推測しています。あくまで数少ないサンプルデータでの統計からの話ですけどね」

「……これはおもしろい発見だ。報酬を出したいくらいだよ。そうか君は討伐数が多いからこんなデータも出てくるんだな」

「自分の討伐を効率よくするためにまとめたレポートなので報酬は別にいらないですよ。あとこのレポートはクラン『暁の牙』にも出すつもりですが大丈夫ですか?使役モンスターは関係ない情報なので大丈夫だと思っていたのですが」

「構わない。ただ、暁の牙にも伝えて当面は非公開にするかもしれない。その間は他に漏らさないでほしい」

「わかりました」

「あと、君は『暁の牙』とは仲が良いのか?」

「特に仲が良いということはないのですが最初の頃から気にかけてくれているのでありがたいです。黒澤さんは見た目は怖いけどやさしい人なんで嬉しいですね」

「あと最近、クランへの勧誘が急に増えてきたのでその時はクラン『暁の牙』の名前を借りています。将来的にクラン入る時は『暁の牙』と決まっていると言うと去っていくので助かっています。なのでせめてレポートだけでも渡そうと思ってます」

「うん? 君はクラン『暁の牙』に入る予定があるのか?」

「いいえ、現状は全く予定はありません。仮に入るならばという話ですね。あくまでもクラン勧誘を断る言い訳に使わせてもらっています」

「もちろん、ひよりや朝倉さんにはそれ以上にお世話になっているので優先順位は違いますよ。どこかクランに入りたいと思ったら真っ先に相談させていただきます」

「なるほどな。了解した。何かあれば相談して欲しい」

「分かりました」

俺にとってはクラン『暁の牙』の黒澤さんや田島さんは軽口を聞いてくれる貴重な存在で相談にものってもらっている。それにクラン勧誘を断る口実に使わせてもらっている。

でもさすがにひよりと朝倉さんほどにお世話になっているわけでもない。優先順位は全く違う。ひよりと朝倉さんにはこの恩をしっかりと返していく必要がある。

そして話は次の議題に移った。