軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第35話「御影司のちょっかい」

#第35話「御影司のちょっかい」

「おい、結城」「レン!」

また御影司が話しかけてきた。傍らにはこの前と同じように紗月がいて俺の名を呼んでいる。他にも彼のクランメンバーと思われる人間が付き添っている。

こっちは使役モンスターのレベル上げで1秒でも時間が惜しいというのに、うっとおしいったらない。

俺は無視して通り過ぎようとしたが、彼らは俺の進行方向を塞ぐように動きやがった。

「はぁ、見ての通り俺は忙しいんだけど?」

「お前、何やってるんだ? もう半年以上、1階層にいるだろ。馬鹿なのか?普通に考えておかしいだろう。しかも本当に使役モンスターを2体連れてやがるとはな。ほんと謎すぎる」

誰に聞いたのか知らないけど御影は使役モンスターの情報を知っていた。わざわざ噂する人間がいるのがうっとおしい。

しかも御影は使役モンスターを見ようと俺の背後をのぞき見しようとしてきた。2体の使役モンスター、ラムとリンは俺の背中に隠れるように身を寄せた。

「ふん、主人の陰に隠れるとか、使役モンスターらしくねぇな。そんなんじゃ盾にも使えねぇだろ」

「別に盾にするつもりはない」

「馬鹿か。使役モンスターは盾で使い捨てだろ」

くだらない。会話を終わらせようとしたその時、御影が続けた。

「それにしても……お前、どうやって使役モンスター出したんだ?しかも2体も」

「銅箱を何個も買って、運良く引いただけだよ。文句あるか?」

「いや文句っていうか……貧乏人のくせに銅箱買うとか、けなげだな。しかもようやく引いたのが使役モンスター2体って哀れだな。悲しすぎるぞ」

「きゃははっ!」

「運が悪すぎる!ツキなさすぎ!」

御影は俺を馬鹿にしに来ただけなのか?周りの人間は同調して笑ってやがる。揃いも揃って暇人かこいつら。

「ほっとけ、俺にとっては当たりだ。それだけだ」

「はー、お前はほんと何も知らねぇんだな。使役モンスターって、完全な外れ枠だぞ? 二つも中身ありを引いて両方外れって、もはや呪われてるレベルじゃねーのか?」

「それで? 用件はそれだけか? 俺は先に進みたいんだが?」

俺は相手にする気もなく、そっけなく返す。

「ふん。面白くねぇ奴だな……親切に教えてやるよ。お前、“謎のゴミ漁り”って呼ばれてるらしいぜ? やっていることがおかしすぎるぞ」

「知らん。他人が何を言ってようと俺には関係ない。ともかく俺は暇じゃないんだ。いちいち茶々入れないでくれ」

「……ふん。せっかく親切に教えてやってんのによ。おい、行くぞ!」

そう言って御影は踵を返し、紗月や他のクランメンバーを連れて立ち去っていった。紗月は何か言いたそうにしていたような気がするが、もうどうでもいいだろう。ほんとうっとおしい。何がしたいのか良く分からない奴だ。

できればもう会いたくもないんだがな。向こうからやってくる分にはどうしようもない。困ったものだ。