軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第306話「様々なルート」

#第306話「様々なルート」

俺たちのダンジョン攻略方法が正規ルートなのかもしれない。そして、黒澤さんは今のハンター業界での一般的なレベリング手法は王道とは言えないという可能性について言及した。

この辺りは以前にも何度か話したことがある。

そこでルナは頷き、さらに踏み込んだ。

「そして正規ルートが複数ある可能性もあります。更に言えば、裏ルートもいくつか存在するかもしれません」

そこで俺も補足した。

「そもそも俺のやり方が王道とか、正規ルートかどうかも断定できません。ただ、使役モンスターを育てることが攻略の本筋だと仮定すれば、従来のやり方は遠回りだった可能性はあります」

室内が静かになった。そこでルナが続けた。

「レンの言う通り使役モンスターを育てるのが本筋の攻略だとしても……使役モンスターを育てるFS遷移の考え方も、レンのやり方以外にいろいろな可能性が考えられるでしょう」

「どういうことだい?」と朝倉さん。

「断言はできないのですが、例えば高階層限定で何かがあるかもしれません。高層階で出る宝箱はいきなりFS6の使役モンスターが出現するなどの可能性ですね。もちろんこれは例えですよ」

「他にも、特定の攻略ルートや高層階にいきなり移動するトラップ。レンとは違う特別な宝箱の出現条件。ダンジョンの種類に応じた分岐ルートなどなどゲーム感覚で考えればきりがありません」

「よく思いつくな……」

朝倉さんが呆れた。

そこで俺は補足した。

「まあ俺とルナはもともと、ゲーム脳ですからね。俺が同一レベル以下で1万体倒したのもゲームの発想からでしたからね。そういう、普通ではやらないことを試すのが当たり前みたいなところもあるのです」

世界にはゲーム脳の人間が俺以外にも大量にいるのだ。あの手この手で様々な手法を検証している可能性は十分ある。

今はぱっと思いつくことを俺とルナで言ってみただけだが、じっくり考えれば他にも思い付くことは山ほど出てくることだろう。

俺はそこでふと思いついたことを語った。

「もしかしたら、使役モンスターが育ちやすい特別なダンジョンが存在する可能性もあるかもしれないですね。それならば特定の国だけで俺と同じような存在がいてもおかしくありません」

透子さんが頷いた。

「なるほどね。つまり、レンたちとは全く違うルートで使役モンスターが成長したということ?」

「はい。ただしそれは、違うかもしれませんし、全く同じかもしれません。その辺りは何とも言えないでしょうね」とルナ。

まあそりゃそうだ。実際に確認しないと分からない。断定できる話でもないのだ。あくまでも可能性の段階。

そこからは、まるで俺とルナが講師のようなゲーム談義となっていった。

そこに他の人たちが質問するという形で議論は思った以上に盛り上がった。まるで昔のゲームを攻略していた時のようだ。

ゲーム初心者にいろいろと教えてそれを実践してもらう。初心者ならではの発想ややり方もあるので馬鹿にはできない。

そして、とりあえずの最終的な結論が出た。

それは、まずはその特定の国について調べるというものだ。その辺りは朝倉さんが政府経由でいろいろ考えてみるらしい。もともと調べてみる予定だったらしいが、その幅を少し広げるとのこと。

例えば掲示板やSNSなどの書き込みなども細かくチェックする。ちょっとした言及からヒントがあるかもしれないからかなり細かい確認が必要だろう。

その他にもダンジョン別の特殊性などもないか、それぞれの怪しい国で探るとのことだった。

それに加えて怪しい国に限らず、ネット・SNS・掲示板で情報を洗うことも必要だろう。裏技や特殊ルートの噂がないか徹底的に探す必要がある。

何か思いつくことがあれば試す。失敗しても当然だ。それを繰り返すうちに発見するケースが稀にある。それがゲームの1つのだいご味だったよな。

その話をしているうちに、俺はそわそわしてきた。

やっぱり自分でいろいろと試したいのだよね。それがゲーム脳ってやつだ。自分で新しい攻略法を見つけた時の快感はすさまじいからね。

自分が見つけた方法を人に話するかどうか考える時間も楽しみの1つだった。

それを察したかのようにルナが即座に釘を刺してきた。

「そんな暇はないぞ」

ぐぬぬ。

そうだよね。今の俺にはそんな暇がないというのが正直なところ。俺たちは今のルートで、できる限り早く強くなる必要がある。いろいろな攻略法を探して試す余裕は全くないと言っていい。

その手の検証は時間のある人間に任せるしかないよな。俺がやりたいところだがどう考えても無理だ。

そして、その辺りは透子さんが研究枠の1つとして整理することになった。透子さんもやることがいろいろ増えて大変だけど頑張ってもらいたいところだね。

もしかしたら、とんでもないルートが見つかるかもしれない。新しい裏技があるかもしれない。そこから俺たちの成長に繋がるヒントも出てくるかもしれない。

そう考えると、少しだけ楽しみでもあった。

まあ、やっぱり自分でいろいろやってみたいというのが正直なところだけど今回は諦めよう。