軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第283話「緊急報告」

#第283話「緊急報告」

使役モンスターのラムが、とうとうレベル6にレベルアップした。そして――FSも遷移した。

レベルアップは想定通りながら、FSの変化はとんでもなかった。その内容がとにかく凄い。2つもの変化があったのだ。

まず一つ目の変化。

ダンジョン外でも念話が可能になった。これはまあそこまで驚かなかった。あれば便利という感じだ。しかし、もう一つが凄い、凄すぎた。

何と使役モンスターのラムと一緒に戦ってきた俺たち3人、すなわち俺、ひより、ルナはダンジョン外でも、ダンジョンの力の五分の一を保持できるというのだ。

そのことを朝倉さんに連絡するとすぐに来て報告して欲しいとのことで翌日に朝倉さんのオフィスに行くことに。

そうしてハンター協会ビルに向かった。ビルのエントランスに入るとやはり人が多く最近のいつもの賑わい。だが、今日は少し違うようにも感じる。やはり見え方が違うのが大きいのだろうか。

その後は8人(3人+使役モンスター5体)でエレベータに乗って朝倉さんのオフィスに向かった。

朝倉さんのオフィスに入るとやや違和感が。いつもより人が多いぞ?でも、少しして分かった。今日は自衛隊の人が何人かいるようだ。

まずはいつものメンバーの透子さん、そしてエリナさん。そして最近たまに俺たちの報告時に来るようになった黒澤さん。

更には俺たちがダンジョンの氾濫時に連携する自衛隊からはトップ幕僚長の高倉さん、そしてダンジョン特別部隊、隊長の佐伯さんも来ていた。自衛隊の人達とこのオフィスで会うのは初めてだ。

自衛隊の人達まで……緊急の連絡で、来てくれたようで少し申し訳ないところだ。

でも待てよ?前回の顔合わせで高倉さんや佐伯さんも性格も多少は分かる。この2人はかなり強さに憧れているところもある。

だから話を聞いたら居ても立ってもいられなくなって来たのかもしれないな。ともかく自衛隊の人が来ていたのは完全に予想外だったがありがたいことだ。

朝倉さんが話を始めた。

「レン君、今日は緊急の話ということで、いつもよりも多くの人に集まってもらっている。特別に自衛隊の人達にも来てもらった。びっくりさせたかもしれないが許して欲しい」

「いえ、むしろ助かります。何度も説明する手間が省けますから」

これは正直な感想だ。これで自衛隊の人に再び説明する必要もなくなるだろう。たとえ説明が必要だとしても予めある程度の概要を知っていてもらったら話が早い。

「では説明を始めてくれるかな?」と朝倉さん。

「分かりました。今回、使役モンスターのラムがレベルアップしました……」

俺は今回の使役モンスターのレベルアップについて説明を始めた。

まずは使役モンスターが順調にレベルアップしたこと。先に朝倉さんに報告していた計画よりもやや早い。そしてFS遷移についても続けた。

「変化が2つありました。そのうちの1つは念話です。ダンジョン外でも俺とラムは念話で通じることができます」

「ほう、おもしろいな、ちょっと試してもいいかな?」

そう言うと佐伯さんは、ラムだけを呼び寄せて何か耳打ちした。

直後、俺の頭にラムからの念話が飛んできた。

<<今日の馬券は1-5の大穴で決まり?って佐伯さんからです>>

「佐伯さん……今日、競馬があるんですか?馬券は1-5で決まりとかなんとか。当たりは大穴って言うのですかね。俺はまだ馬券とか買ったことがないので、その辺りの競馬用語はよく分からないのですが?」と俺は聞いてみた。

佐伯さんの目が見開かれた。

「間違いない。ダンジョン外でも、確実に通じているな。驚いたよ」

なるほどね。今のは念話のテストか。想定外の質問をして俺がどう答えるか確認したわけだ。

最初から俺とラムが言い合わせでもしていたら、ごまかすことも可能だったかもしれないが緊急のテストまではごまかせないと判断したのだろう。

佐伯さんもちょっと人が悪いな。でもその確認方法は間違ってはいないと思う。

そして佐伯さんは続けた。

「これはすぐにダンジョン特別部隊に共有する必要があるな。作戦の練り直しが必要。瞬時に念話で通じる使役モンスターが1体でもいるならば話は大きく変わる」

「それは分かるがもう1つの変化の方が大きいのだろう? 結論を出すのはまだ早い」と幕僚長の高倉さんが指摘した。

「確かにそうですね。もう1つの方が本題。それも確認したいところだ」と佐伯さん。

そうしたやり取りを経て朝倉さんはもう1つの変化について確認を求めてきた。そうなんだ。念話も凄いけど、今回はもう1つの変化の方が大きいのだ。

「ではレン君、報告を続けてくれるかな? もう1つの方が大きな話なんだよな」

「はい。正直なところもう1つの変化の方が話は大きいです。俺、ルナ、ひよりの3人は――ダンジョン内の力の五分の一を、外でも保持しています」

そうして俺はみんなの前で報告を続けた。そして、その場にいる誰もが俺たちの変化に驚いたのだった。