作品タイトル不明
第266話「俺もレベル6へ――新たな段階」
#第266話「俺もレベル6へ――新たな段階」
ルナのレベル6到達からおよそ1か月。いよいよ――俺のレベルアップの番が近づいていた。
胸が高鳴る。やばい、本当に嬉しい。
レベル6なんて、かつては想像すらしていなかった。もしレベル6になれたら日本のトップおよそ300人のうちの1人になれる。
日本のハンターのトップレベル、ほんの一握りと言っても差し支えないだろう。日本には100万人以上のハンターがいるとされているから0.03%ってことになるのか?本当にとんでもないところまでやってきたと思う。
最初の頃に1人でレベル1でやっていたころから考えたらとんでもない話だ。
あの頃は時給数十円という中で、しかもいつレベルが上がるかもしれないという中で修行僧のように延々とやっていたからな。
本当にここまで諦めずに頑張ってきて良かったよ。過去の俺を本当に褒めてやりたいと思う。
そして今日は“おそらく上がる”と踏んで慎重に戦闘を進めていた。その後、何体か倒したところで、突然、体の奥に違和感が走った。
――おそらく来た。
俺は動きを止めて深呼吸した。今はまだ体の異変が起きている段階のように思う。少し落ち着こう。
するとすぐそばにいたルフが首をかしげ声をかけてきた。
「レンさん、レベルアップしましたの?」
「ああ、間違いない。レベルが上がったよ。これで俺もレベル6の仲間入りだ!」
体が軽い。そしてスピードも力も跳ね上がっている。ちょっと動くだけでも少し戸惑いを覚えるほどの変化だが……これから慣れていけばいいだろう。
本当に嬉しい。
仲間たちが一斉に駆け寄ってきた。
「これでレンもレベル6、すごいね! ずっと頑張ったものね」とひより。
「レンさん、さすがです。レベルアップが早いです」ラム。
「私たちもすぐ追いつくですです!」リン。
「僕も頑張るからね! 負けないよ!」ロア。
「レンさん、これからもずっと頼りにしますからね」ルフ。
「おれも頑張る! すぐに追いつく!」クー。
本当に、いい仲間に恵まれた。みんなが自分のことのように喜んでくれる。本当に良い仲間だと思う。
……レベルアップしたことも嬉しいが、こうやって一緒に喜んでくれるのが何よりも嬉しくて仕方がない。今後もずっとこの仲間でやっていきたいと思う。
レベルアップが嬉しくて、みんなでしばらく話し込んでしまった。これまで頑張ってきたことや苦労してきたことなど様々だ。
しかし、感傷ばかりに浸っているわけにもいかない。その後は自然と“運用の話”になった。まず根本的な問題として、俺はまだレベル6の性能に慣れていない。だからしばらくは慎重な運用が必要だろう。
話によるとルナは1人でオーク3体でも牽制できるらしいが、俺の場合はよくてもオーク2体が限界だろうと思う。
レベル6に慣れつつあるルナはやはりそれを言ってきた――
「私はおそらく3体までは問題ない。オーク3体近くの雑魚の一掃と最初の引きつけも任せておけ」
さすがだ。そこでみんなで意見を出し合って、現時点での最適な運用を考えた。使役モンスターのみんなも頭がいいから意見交換は活発になっている。
しばらく意見を出し合って作ったのが以下の仮運用だ。
● ルナ側:3人チーム
・ルナが最初にオーク3体を引きつけ
・残り2人が雑魚とオーク1体を処理してからルナに合流
・残り2人がルナ側オーク3体のうち1体を担当する
・倒したら再び合流しても討伐の繰り返し
● 俺側:5人チーム
・俺がオーク2体
・残り4人が2チームに分かれてオーク1体ずつ担当
・残り4人がオークを倒したら俺の方に合流し倒す
やはり今のように1チームだけだとどうしても効率が悪い。だからできれば2チームに分けたいというベースの元に作られた形になる。
これで敵モンスターが最大20体(オーク4体)が出現するケースでも、2チームでぎりぎり対応できる計算になっている。
2チームになればレベルアップが格段に早くなる。ちょっと無理をすることになるがやはり2チーム運用にしたいのだよね。
ということで、この運用がまずは最適だろうと思う。
ただ――問題もある。俺はルナに聞いた。
「どうしても最初はルナに負担がかかるけど、大丈夫か?」
「問題ない。前から何度か試しているからな。当面は任せておけ。それよりもレン、オーク2体で行けるのか?そっちの方が心配だ」とルナ。
逆に心配されてしまったよ。ルナは本当に頼りになる。俺よりも断然に男前だ。凄すぎる。
こうして2チーム体制にしたことで、レベルアップ効率もさらに上がるはずだが、運用次第だろう。
まずはこれから試してみよう。おそらくは、やってみたらいろいろな問題が出てくる。帰ってから今後の運用面について更なる意見交換をすればいいだろう。
ともかく俺はレベル6になった。そしてみんなもすぐにレベル6に上がってくるだろう。ワクワクが止まらない。
このまま全員がレベル6に上がる。
そうなれば、日本のダンジョン氾濫への備えは桁違いに強固になる。多少のことではびくともしないはずだ。
――さあ、ここからがもう一段階上の本番だ。頑張っていこう!