作品タイトル不明
第14話「クラン勧誘」
#第14話「クラン勧誘」
俺はまず、1日のスケジュールを決めた。
12時頃~18時頃:ダンジョン
18時頃~20時頃:夕食(ひよりが来ない日は準備含む)
21時~翌朝5時過ぎ頃:深夜バイト
6時~8時:弟と妹の朝食、学校への送り出し
8時過ぎ~11時半頃:睡眠
睡眠時間は3~4時間ぐらいだ。
正直、体力的にも精神的にもギリギリだ。だが、今の俺にはこれしかない。当面はこのサイクルでやっていく。
そうして……なんとか1週間もった。
効率はまだ上がっていないが、少し体力的には慣れてきて、1日のモンスター討伐数は50匹にまで伸びた。
最初の1週間で倒したモンスターの合計は280匹。魔石換算で2800円。1週間で2800円?ぐっ、お金のことは考えないようにしよう。悲しくなるだけだ。お金はバイトで稼ぐ。
そしてこのペースだとようやく月に1000匹超すぐらいか。1年で1万匹討伐はぎりぎりだな。まだまだ気が遠くなる話だ。
はぁ、まずは1か月頑張ろう。
そんなある日、ダンジョンを出たところで男2人に声をかけられた。
「お前、1人でやっても限界って分かっただろう?うちのクランに入れ」
初対面の俺に命令口調とはなんだ?
「興味ない」と答えると、男は不機嫌そうに睨みつけてきた。
「せっかく声かけてやったのになんだその態度は!」
ヤバい、絡まれるか? そう思っていると、背後から低い声が聞こえた。
「……お前ら、何してんだ?」
振り返ると、顔に傷を持つ、見るからにヤバそうな男が立っていた。一般的に言うところの……ヤクザさんですね。はい。
こっちを見る目が鋭い。
俺の人生、ここで詰んだか――幼い弟と妹がいるので何とか許してもらいたいところなんだが。
そう思った瞬間、さっきの2人組が血相を変えて逃げ出した。
「やべっ、黒澤さんだ、逃げろっ!」
取り残された俺は硬直するしかなかった。
ここで逃げたら非常にまずい気がする。
あの男2人、話かけてきたのに真っ先に逃げるなんてひどいよ。
ヤクザ風の男ともう1人の男性はゆっくり近づいてきた。
そこで俺は慌てて言った。
「申し訳ありません。内臓は取らないで欲しいです。あとできればマグロ漁船に流すのも勘弁してください。まだハンター活動頑張りたいんです」
「はっ?お前、何言っているんだ?失礼な奴だな。俺のことをヤクザだと思っているのか?」
「ブハハハハッ!黒澤さん、またヤクザに間違えられてるじゃないっすか!ほら、その顔と目つきがいけないんですよ、顔面威圧系ってやつ!」
「くそっ、こんなやさしい人間をヤクザとか世の中どうなっているんだ?」
この会話は何なのだろう。もしかしてヤクザさんでは無さそう?俺、助かったのかな?
「俺の名前は 黒澤龍一(くろさわりゅういち) という。クラン“暁の牙”のリーダーだ。そしてこっちの若いやつは 田嶋(たじま) 翔太(しょうた) だ」
「とりあえず単刀直入に言う、お前、うちのクラン入る気ないか?」
一難去ってまた一難?
またクランの誘いなの???
正直なところ、俺は困惑した。