軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第872話 冒険者ギルド前での喧嘩(観戦)

冒険者ギルドの前で喧嘩をしていたのは、ライオンのような 鬣(たてがみ) のような髪をしたまさに冒険者って感じの大柄な男がリーダーっぽいグループと、ローブを羽織ったスレンダー美人のお姉さんがリーダーのグループ。

大柄な男たちは、グルターレ商会の護衛をやってる『焔の剣』の熊獣人のマックスさんや、虎獣人のキャシディさんみたいに、上半身ムキムキモリモリな感じで迫力がある。

歯を剥きだして怒鳴りながら、ビッタンビッタンと細長い尻尾を地面に叩きつけている。尻尾の感じだとやっぱりライオンなのだろうか。

「だから、そいつを返せって言ってんだろうがぁ!」

「本人が嫌がってるんだから、無理に決まってんだろっ」

怒鳴り声を涼しい顔でスルーする。美人なお姉さんかと思ったら、美人なお兄さんだった。それも、よく見ると耳が尖ってる。

「へぇ。エルフの冒険者か」

ポソリと声をあげたのはボドルさん。

ついこの前、エルフの里に行ったせいもあって、エルフにはあんまりいい感情がなかったのだけれど、お兄さんが庇っている子を見て、こういうエルフもいるんだと、ちょっとだけ考え方が変わる。

彼が守るようにしているのは、目に涙をためた小柄な男の子。大柄なリーダーと同じような細い尻尾がくるりと巻かれ、足はガクガクしている。

庇っているのは美人なお兄さんだけではなく、可愛らしい女の子の冒険者が二人、同じくらいの背丈の男の子を抱きしめ、睨みつけている。

二人とも猫耳で、一人は黒髪のボブ、一人は金髪のボブ。大きな釣り目は同じエメラルドグリーンで、顔はそっくり。双子なのかもしれない。長い尻尾が膨らんでいて、怒り爆発という感じ。

――猫獣人!? めっちゃ、可愛いんだけど!

手がワキワキしそうになるけれど、今は喧嘩中だ。

「俺が弟をどう扱おうが勝手だろうがぁ」

そう言ってうるさい獣人が、美人なお兄さんを殴りかかろうとした瞬間。

「ふげっ!?」

「お前、うるさい」

いつの間にかエイデンがムスッとした顔で、うるさい獣人の頭を左手でチョップして撃沈させた。

「え?」

「え」

「は?」

一撃で気を失ったのに驚いたようで、うるさい獣人のメンバーたちが声をあげる。

「お前ら、邪魔なんだよ。さっさとどけ」

「なんだとぉ」

ギロリと睨むエイデンに、ムキムキの冒険者たちが食ってかかろうとした時。

「やめとけ」

「そうそう。お前ら、殺されたいの?」

ネドリさんとボドルさんが呆れたように声をかけた。

「なんだと! ……って、おい、あれって」

「まさか、元Sランクの……」

「それに、あいつら『疾風迅雷』じゃ」

さすがネドリさん。引退してるのに顔が知られてる。それにボドルさんたちのパーティも、ここでは有名だったようだ。

気を失っている煩かった獣人を置いて、逃げ出そうとした奴らに、

「忘れ物だ」

ポーンと投げつけたエイデン。ナイスコントロールで逃げ出した奴らの上に落ちた。さすがである。