作品タイトル不明
第569話 水田作り<昼ご飯と水張り>
今日のお昼ご飯は、サンドイッチ。
卵に、キュウリとハム、それにツナマヨのサンドイッチだ。多めに作ってあるので、マカレナたちが来ても食べられるだろう。
自分一人だったら小さめの可愛いデザインのレジャーシートを敷くのだけれど、マカレナたちのことも考えて、大きめのブルーのビニールシートを敷く。
その上にミニテーブルを置いて、サンドイッチの入ったタッパーを並べていく。
大きなステンレスの水筒には、淹れたてのコーヒーが入っている。私が飲む分にはいいけれど、子供たちには苦いかもしれない。
プラスチック製のマグカップも出して、牛乳の瓶も出しておく。カフェオレにしたら、彼らも飲めるに違いない。
「サツキ様、荷車、持ってきました~!」
元気な声のマカレナに手を振る。
荷車を引っ張っているのはラオくんで、マカレナとトコちゃんが後ろから押している。ちなみに、ブルノは荷台に乗ったままだ。
「お疲れ様~、よかったら皆、食べて」
ウェットティッシュのボトルから何枚か取り出して、子供たちに渡していく。マカレナとブルノは見慣れているのですぐに手を拭いたけれど、ラオくんとトコちゃんは初めてなのか、彼女たちを見よう見まねで拭いた。
一番人気は、やっぱり卵サンドのようで、あっという間に無くなってしまった。
特にラオ君たち兄妹は初めて食べたようで、ものすごいスピードで黙々と食べているのを見て、マカレナとブルノがびっくりしていた。
結局、サンドイッチは完食。多めに作ってきて正解だった。
今は皆でカフェオレを飲んでいるところ。これまたラオくんたちは不思議そうに飲んでいる。
「ソゴワのお乳はどう?」
村に移動してきたばかりの頃は、子牛用の乳くらいしか出なくて、人が飲む余裕がなかったのだ。
「最近、ようやく俺たちが飲むくらいの余裕が出てきました」
「ほとんどがチーズにしちゃうんだ」
自慢気にいうトコちゃんの頭を撫でるラオくん。
「おお、チーズ! 楽しみだねぇ」
まだ村ではバターやクリームくらいしか作れていない。
ケイドンの街やグルターレ商会が売ってくれるチーズは、ちょっと割高らしいので、村で出来たら、もう少し格安で手に入れられるようにもなるし、料理の幅が広がるだろう。
カフェオレを飲み切ったところで、後片付けをしてから、荷車に『収納』してあった草をのせる。
「……1回では載りきらないな」
実際、『収納』の中の草は1割も減っていない。
「とりあえず、もう1台、荷車借りてきます!」
そう言って子供たち全員で、えいこらと荷車を押していった。
さすがに全部を牛たちが食べてくれるかはわからないけれど、残ったとしてもKPに変換してしまえばいいのだ。
「その間に、私もザクザク切っていかないとね」
草刈り機を手にしながら、何回か往復している間にラオくんたちだけでなく、ヨシヒトさんたちも荷車を持ってやってきた。
最初は草刈り機の音に驚いていたけれど、それよりも荷車に載せられた山盛りの草に喜んでいた。
「とりあえず、こんなもんかな」
ざっくりと感覚だけで草刈りをした後、斜め掛けのバッグからタブレットを手に取る。
タブレットの画面を確認すると、しっかり草刈りした範囲が私の敷地に含まれるようになっていた。
そして田の字に土地を作っていき、水はそのまま流れ込んでいく。
しばらくは水がはりおわるまで待つしかない。田植えのほうは、後から植えた苗がもう少し育ってから(すでに土の精霊のおかげで芽が出ている(遠い目))、子供たちと一緒にやろうと思う。