軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第538話 小道の雨よけの屋根を作る

今日は雨があがったので、前から気になっていたログハウスの敷地から、果樹園、ドッグランへと下っていく小道の補修をすることにした。

ログハウスの敷地の池から溢れる水でできた小川(水路というべき?)沿いの小道である。

小道の右手は草ぼうぼう。木々も太く大きく育っている。

――水の精霊と、土の精霊の影響だろうなぁ……。

実際、やる気に満ちた顔の彼らが、わたしの周りを飛び交っているのだ。

そのおかげで、ブルーベリーや桑などの実がたわわに実るのだけど、雑草が育ちすぎて、春になる頃には木のところまで行くのも一苦労だろう。

まだ花も咲いていないけれど、そろそろ草刈りをし始めてもいいかもと思いながら、道沿いの大きく育っている木は『伐採』する。

最近、村の近くの山の草刈りは孤児院の子たちが手伝ってくれるようになった。

草刈りをしながら薬草なんかも見つけているらしい。薬草はオババが買い取ってくれるのだとかで、いい小遣いになっているそうだ。

――うちの果樹園周りもお願いしてみようか。

きっと、とんでもない薬草とかありそうだ。(自分で採ろうとまでは思わない)

地面にはまだ雨水が残っているので、足元を気にしながらゆっくりと歩く。

果樹園を作ったばかりの頃に土を固める砂を買ってきて敷いたおかげもあって、ドロドロになって滑ることはなかったものの、雨の日に上り下りするのは避けたい場所ではある。

――水はけが悪いみたい。

ところどころに、小さな水たまりが出来ているのは、私のスキルの無さ。自業自得ではある。

しかし、そんな小道を頻繁に利用するのがマカレナとブルノ。

山の中の桜並木の大きな道もあるのに、どんな天気でも小道を選んで牛乳を配達にやってくるのは、ホワイトウルフたちがいるからだそうだ。

そんな彼女たちにも、ガズゥたち同様にレインコートを渡してある。そうしないと、ずぶ濡れでやってくるのだ。

――どうせだったら、牧場から雨よけの屋根を作ろうか。

そうすれば、途中にある温室に行く時、私も楽になるはず。

足元を気にしながら歩いてみると、他にもちょこちょこと気になるところが見えてくる。

「あれ、端のほうとか割れてる……小川のそばは苔が生えてる」

経年劣化というものだろう。ひび割れも苔も見方を変えれば、風情があるといえばあるのかもしれないけれど、子供たちの危険に繋がるとも限らない。

――緩やかな階段にするか。

ログハウスの敷地のように石畳で階段を作るのもありだろう。

残念ながら、今は石に余裕はない。またハクに石を採りに連れて行ってもらおう。

「まず、今出来るのは雨よけの屋根かな」

小道に沿って雨よけの屋根を作る。壁はないので、吹き込まれたら濡れてしまうかもしれないが、何もないところよりはマシだろう。

トトトトーンっとドッグランのそばまで屋根が続いていくのは、なかなか絶景。

小道を下りきり、ドッグランの中へ入ると、数匹のホワイトウルフたちがウッドデッキで日向ぼっこをしている。その中の1頭がのそりと頭をあげたかと思ったら、口に小さなホワイトウルフの赤ちゃんを咥えてやってきた。

「え、もしかして生まれたの?」

私はしゃがんで小さなホワイトウルフの赤ちゃんを受け取る。

――かーわーいーいー!

ぬぼーっとした顔が眠そうで、大きな声をあげられない。

キャーキャーキャーと心の中で叫んでいると、また新しい子を運んでくる。

「え、え、何匹いるの!?」

慌てて日向ぼっこをしているホワイトウルフたちのほうを見たら、あと3匹の赤ん坊が丸々したお腹を上にして眠っていた。