軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第519話 ログハウスをリフォームする

広い板張りの間にゴロリと寝転がる。

このログハウスは、いわゆる大きな1Kだ。亡くなった祖父母の地域にあった集会所みたい。あそこは畳敷きだったけど。

暖房が入っていないので、部屋の中はかなり寒い。特に広々としているせいもあるかもしれない。窓から差し込む日差しのあたっている所だけが、辛うじて温かい感じ。

「こっちに引っ越しするのもなぁ」

何気に、あちらのログハウスにも愛着がある。特別、不便を感じているわけでもない。

――お風呂と窓だけ、変えられたらいいなぁ、と思ったんだけど。

ぼーっと斜めになっている天井を見上げていると、ピロリンという電子音が聞こえた。アプリをアップデートした音だ。

むくりと身体を起こし、何がアップデートされたんだろう、と床に置いていたタブレットに手を伸ばす。

――ふむ。『タテルクン』のアップデートか。

タイミングの良さに何が追加されたのか、とアプリをたちあげてみる。

また新しい建物のメニューでも追加されたのかと思ったのだけれど。

「……リフォーム?」

慌てて『リフォーム』のメニューを見てみると、様々な建物のパーツが交換できるようになっている。

元々、ガーデンフェンスや門など、パーツごとの設置は出来ていたけれど、既存の建物のパーツを差し替えるような機能ではなかったのだ。

「え、もしかして、イグノス様、密かに見てたりするの?」

思わずキョロキョロと見回すけれど、私の視界に入るのはふよふよと浮かんでいる精霊たちだけ。

――もし、この中に遮光器土偶が浮かんでたらシュールだわ。

それよりも、私がやりたいことが出来るかもしれない、とワクワクしてくる。

そう、お風呂と窓ガラスのリフォームだ。

一番はお風呂。ここの大きなお風呂を見てしまうと、憧れてしまうのは当然だろう。

「お風呂、お風呂っと。あ」

お風呂のメニューを発見したのだけれど。

〇ログハウス 用風呂(ユニットバス)

〇ログハウス用風呂(五右衛門風呂)

〇ログハウス用風呂(ヒノキの風呂)

〇ログハウス(大) 用風呂(ユニットバス)

〇ログハウス(大)用風呂(五右衛門風呂)

〇ログハウス(大)用風呂(ヒノキの風呂)

こっちにもヒノキがあったのかと感心する。それに、五右衛門風呂まであったのには、びっくりだ。

お風呂のパーツに必要な素材は、なぜか木材。ただ、KPがお高めだ。一番安い『ログハウス 用風呂(ユニットバス) 』でも『ログハウス 風呂・トイレ無し』と同じくらい。

――ユニットバスの時も思ったけど、素材関係ないよね(遠い目)。イグノス様、何してるんですか。

ちょっと呆れながらも、物は試しにと、急いでログハウスに戻って風呂場に行ってみる。

シャンプーやリンスなど、風呂場に置いてあるものを取り除いてから、さっそく『リフォーム』に挑戦する。

「何々、リフォームする建物をお選びください?」

今まで建てた建物がずらーっと一覧で出てくる。作成順に並んでいるようで、一番下が『ログハウス(大) 2階建て 風呂・トイレ付き』。こんなに建ててたっけ、と自分でも驚きつつ、一番上のログハウスを選択する。

すると建築図面のようなモノが出てきた。リフォームしたいパーツを選べるようだ。

「当然、お風呂。選ぶパーツは『ログハウス(大)用風呂(ヒノキの風呂)』でしょ」

ぽちっと押すと、ビーッというエラー音。建物のサイズに、パーツが合っていないらしい。

「えぇぇ。だったら、大きなお風呂は無理か。まぁ、小さくても……うん?」

エラーのメッセージの下に、小さく注意書きが追記されている。

「オプションに空間魔法を追加すれば、設置可能!?」

予想外のメッセージに思わず声をあげた私なのであった。