作品タイトル不明
第518話 離れを建ててみる
厩舎のあった場所に立ってみる。改めて見てみると、空いたスペースは思っていたよりも広かった。
「さてと、ここに離れを建てるとして」
一瞬、茅葺屋根の家とかが頭に浮かんだけれど、ログハウスのある敷地なのだから、やはり同じようなデザインの建物にしたほうがいいだろう。そもそも茅葺するための萱がない。
ただ、ログハウスにも色々種類がある。実は、いつの間にか『タテルクン』がアップデートされて、種類が増えてしまっていたのだ。
――無意識にアップデートだけして使わないから、こうなるのよね、たぶん(遠い目)。
それはそれとして、どのタイプを建てるか、だ。
ちなみに、今選べるタイプはこちら。
●ログハウス 風呂・トイレ無し
●ログハウス 風呂・トイレ付き
〇ログハウス(大) 風呂・トイレ付き
●ログハウス 風呂・トイレ・暖炉付き
〇ログハウス(大) 風呂・トイレ・暖炉付き
●ログハウス 2階建て 風呂・トイレ付き
〇ログハウス(大) 2階建て 風呂・トイレ付き
●ログハウス 2階建て 風呂・トイレ・暖炉付き
〇ログハウス(大) 2階建て 風呂・トイレ・暖炉付き
〇ログハウス 3階建て 風呂・トイレ付き
〇ログハウス(大) 3階建て 風呂・トイレ付き
〇ログハウス 3階建て 風呂・トイレ・暖炉付き
〇ログハウス(大) 3階建て 風呂・トイレ・暖炉付き
最初メニューを見た時、目が点になった。
私が自分用に建てたり、獣人の村用に建てた時までは、2階建ての暖炉付きまでしかなかったのに(●)、(大)ってなんだ、3階建てって何、ってなった(〇)。
当然、必要となるKPや素材の量も増える。
KPに関していえば今では増える一方なので、いくら使っても気にすることはないのだが、問題は素材。暖炉をつけるとなるとレンガが必須。しかし、今は『収納』に在庫はない。ドワーフたちのところに行けば、少しは買えたのだろうけど、ここのところの天気で行けなかったし、ドロドロの道をスーパーカブで走る気にはなれない。
――まぁ、暖炉なしでもいいか。
今では魔道具の暖房器具があるんだし、たまにしか使わない離れだと思うと、そこまでこだわるのもなぁ、と思ってしまう。ガラスは、温室用に集めたギヤンマの羽が残っているのでこれで代用できる。
「とりあえず、これでいっか」
ぽちっとな、と選ぶと同時にズドンっと敷地に建ったのは『ログハウス(大) 風呂・トイレ付き』。
「わー! いいじゃん、いいじゃん」
玄関は東向き、南側に大きな窓が一つ、東側に二つあり、屋根はうちのログハウスとは違って、南側の方が大きいタイプだ。
さっそく中に入ってみると、広い板張りに太い柱が三本建っている。北側にキッチンやトイレ、お風呂がある。
「うわ、お風呂、広っ」
私のログハウスのお風呂はなぜかユニットバスなのに、こっちのお風呂は湯舟は木だ。匂いはまるで檜なんだけど、こっちにも檜ってあったんだろうか?
久々の『タテルクン』での大物だったからか、イグノス様、大盤振る舞い。
一通りチェックしてから、ギヤンマの羽の窓から差し込む光が美しいのに目が止まった。
「……綺麗」
――こっち家の方がよくない?
どっちが離れかわからないほど、この家もいい。
自分のログハウスよりも、良さげなことに気付いてしまった私なのであった。