軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第507話 エイデンのギルドランクに驚く

威勢のいいおじさん(解体作業場の責任者だった)は、部下っぽい人達にあれこれ指示を出している。

エイデンはポイポイと出していたけれど、普通の人はそんな簡単には運べない。1体につき少なくとも二人はついている。

その責任者のおじさんは、エイデンにどこでこの魔物を狩ったのか等を確認している。私も知らないことなので、聞き耳をたてる。

「そうか、さすがエイデンの旦那だ。オークの集落を壊滅させてくるとはな」

場所は帝国の南の方だったそうで、そこにはオークキングもいたくらい、かなり大規模な集落が出来上がっていたらしい。

そういえば、村の氷室に保管された魔物の中に、オークが多めにあったのを思い出す。

「わざわざ、うちに持ち込んでくれてありがたいんですが……オークキングはいなかったんですかい?」

「……そんなもの、早々に(村人総出で)食ってしまったわ」

「あ、ああ……そ、そうですかい……」

エイデンの言葉に、残念そうなおじさん。

申し訳ないが、アレは村人たちも大盛り上がりで、すぐに美味しくいただいてしまった。

解体の窓口に預けた魔物の清算については時間がかかるということで、2日後にまた来ることになった。来るといっても、エイデンだけ。私は来る気はない。

威勢のいいおじさんたちに後は任せて、エイデンと私はカウンターのある方へと戻る。生臭い場所から抜け出せて、ホッとする私。

「ああ、エイデン様、お待たせしてすみません!」

先ほどの男性スタッフが、慌ててエイデンに声をかける。そういえば、待ってるように言ってたっけ。

「依頼の清算だけ、先にされますか」

「ああ、そうだな」

――依頼の清算?

意味がわからなかったので、エイデンの隣で様子を見ていると、男性スタッフの手には先程メモした紙と、それとは別の数枚の紙がある。壁に貼りだされていた依頼の紙のようだ。

「えーと、依頼達成の件数は5件になります。お支払いの金額はこちらになります」

ちらりと男性スタッフが金額が書いてある紙をエイデンに見せた。

「そのまま俺の口座に入れといてくれ」

「はい。畏まりました。エイデン様、これで、Aランクへの昇格資格である依頼件数が達成されました。ギルド本部で昇格試験を受けて合格すればAランクです!」

男性スタッフが嬉しそうにそう言うと、周りにいたスタッフや冒険者たちがザワザワとしだす。

――は? いつの間に冒険者ランクをあげていたの!

エイデンが冒険者登録したのは、去年の夏くらいだったはず。そんなたかだか1年半にも満たないうちにAランクになんてなれるものなのか。

「ギルド本部? わざわざ面倒な……」

「え、え! でもAランクですよ!」

「興味はない。五月、帰ろうか」

「エイデン様!……あ、痛っ!」

男性スタッフは私たちの後を追いかけようとして、どこかにぶつかったのか、声をあげていたけれど、私たちはそのまま冒険者ギルドを出てしまった。

私たちはスコルとメリーと合流するために、門の方へと向かった。

「……ちょっと、エイデン」

「うん?」

「あなた、いつの間に冒険者ランクあげてたのよ」

ギルドの中にいる間ずっと黙っていた私だったけど、ここはちゃんと聞いておきたい。

「ああ、いやぁ」

エイデンはポリポリと顎をかきながら、話してくれた。

なんと、元はネドリから言われたらしい。せっかくギルドに登録しているのであれば、ランクを上げておくと、人の世界では何かと融通が効くことがあるからと。

そしてネドリと出かける度に、冒険者ギルド(主に獣王国)に立ち寄っていたらしい。どうも、ネドリと一緒に獣王国のギルドに初めて行った時に、元Sランクのネドリの推薦ってことで、一気にCランクまで上げられてしまったのだとか(Sランクの発言力、凄っ)。

獣王国でBランクに上がった時は、ネドリの知り合いのギルドマスター(戦闘狂)3人に昇格試験をさせられたらしい。

――だから面倒って言ったのね。

断るときに渋い顔になっていたエイデンの顔を思い出して、笑いそうになった。