作品タイトル不明
第472話 年内最後の買い出し ー服、キャンプグッズー
前回買えなかったジーンズやスキニーを買うために、某ファストファッションの店にやってきた。
今履いているジーンズも、裾がすでに擦り切れていて、他のジーンズも膝のあたりの生地が薄くなっていたりする。そのうち、穴が開くだろう。
都会でファッション的に着るならいいだろうけど、山の中で着るのは合っていない。
穴あきのジーンズなんか履いた日には、オババさんあたりに、そんなボロなんて着て! とか言われそうだ(その場で取り上げられて、ひざあてを縫いつけてくれそうだけど)。
今履いているのと同じサイズのジーンズを何本か手にして、試着室へと向かう。
「あ、あれ?」
いざ履いてみたら、思っていたよりもウエストがゆるい。
全身を映す鏡の前で、シャツを捲り上げてウエストのあたりをみる。
「おおっ?」
山暮らしを続けたおかげで、体力もついたし、身体も引き締まった自覚はあった。
さすがに腹筋が割れるというほどにはなっていないけれど、昔のぽっちゃりお肉は消えている。
――そういえば、ちょっと前からベルトの穴を1つ分しめて履いていたっけ。
新しいジーンズで、ウエストサイズが変わったのを実感したのが、ちょっと嬉しい。
つい、ニヨニヨする私。
結局、ワンサイズ小さいジーンズと、スキニー、他にもロングシャツワンピース、下着類等々、大量買いしてしまった。
すでに大きな紙袋で両手が塞がってしまっている。
――ヤバい。しばらくぶりに自分用の洋服とか買ったから、タガが外れたわ。
しかし、後悔はない。
一度、荷物を軽トラの助手席に置いてきてから、再度、ショッピングモールの中へ戻る。
次に行ったのは、スポーツ用品店。
店の入り口周辺は、すっかりキャンプグッズで溢れているので、スポーツ用品、というのとも違うかもしれない。
その様子に、荷物を運ぶ途中で気になってしまった。
久々のキャンプグッズに、心が踊る。
――新商品、色々あるのね。
焚き火台や、ランタン、シュラフやキッチングッズと、目があちこちに行くのは仕方がないと思う。
中でも、テント用品が豊富だ。最近は野外で寝ることはないので、今の手持ちのテントでも十分ではある。しかし。
「大型のテントもあったら、ホワイトウルフたちと一緒に寝られたりして」
そう呟きながらセットがまとまっているバッグを手にしてみると……思っていたよりも重い。一人での設営は難しそうだ。
しかし、頭の中には、白い毛に埋もれる自分の姿。一人用のテントでは無理な、その風景にちょっと憧れる。
冬キャン。
「……いいな」
ログハウスの前の敷地では、大型テントを張るにはスペースが足りないけど、山の周辺であれば、どこかしら出来るんじゃないか、と思う。
「よろしければ、見本はこちらにありますよ」
迷っている私の背後から、店員の女性が、ディスプレイされているテントを教えてくれた。他のキャンプグッズと一緒に展示してある様子に、購入意欲がそそられる。
「大きいですね」
「こちらは6人用ですね、その上が8人から10人用がございます」
なるほど、と思い、値段を見た。
――うっ、10万を超えるのかっ。
さすがにこれは、ちょっと勇気がいる。
悩みに悩んだすえ、結局、テントのメーカーのパンフレットだけ貰うだけ貰って、何も買わずに店を後にした。
――でも、冬キャン、やってみたいかも。
久々にキャンプ欲が湧き上がる私なのであった。